「キャッチ世界のニュース」を視聴しながら

1. 8日(日)に蓼科から帰京して1週間。毎朝、怪我の治療に接骨院に通うのが日課です。

 

(1)東京では毎日「キャッチ世界のトップニュース」を録画して見ます。戦争や災害の悲惨なニュースが多く心が暗くなります。イスラエルハマスの戦いも始まりました。

(2)前回、「エセー」を書いたモンテーニュの「生き方」-「日常を穏やかに生きて楽しむこと」を自らのもっとも大きな「仕事」とするーに触れました。

そういう彼は、実は領主であり、ボルドーの市長を務め、「国王に仕える武人貴族」でもあった。しかも当時のフランスは、「宗教戦争による文字どおり血みどろの乱世だった」。

だからこそ彼は、「いっさいの努力を傾けて“自分の生活”を作ってきた」と書くのだ、と保苅東大名誉教授は理解します。

(3)「世界のニュース」を見ていると、現世はそれ以上の「乱世」ではないでしょうか。  

 その中で、小さな島国の庶民が「穏やかに生きて楽しむ」とはどういうことか?

世界でいま起きている悲惨に無関心のまま日々を送ることではないのか?

モンテーニュは何を教えてくれるか?

2.蓼科滞在時の穏やかな日々を思いつつ考えます。

 先週は三連休を利用して滞在した長女夫婦が、今年の畑作業の後始末をしてくれました。怪我人と介護人は畑に顔を出しただけで失礼し、この日も市営の温泉で患部を暖め、八ヶ岳農場に行って放牧する牛を眺め、秋晴れの良い一日でした。休日を楽しむ子供連れ・家族連れで賑わっていました。

秋の気配が十分感じられました。

我が家のあたりでは、「蔦うるし」が色づいていました。例年他の樹木の紅葉に先駆けて朱色になります。

3. 前回、「かつて仲間内のお喋りの余興に、記憶に残るおいしい食事は?という問いが出されて、妻が畑で食べたお握りと答えことがあった」と書きました。4組8人の夫婦がそれぞれ「思い出の食事」を語りました。

 

4.私であれば、ごく最近の「思い出の食事」としては、1か月前に長男夫婦と4人で席を囲んだ焼き肉料理があります。

(1)「金竜山」という焼き肉屋です。地下鉄「白金高輪」から10分ほど歩いた住宅街にある小さな店です。

(2)実は我々夫婦は牛肉はあまり食べません。焼き肉屋にも殆ど入ったことがありません。

この店は、予約が取れないという話題の店、牛肉の旨さでは評判の店だそうです。

(3)緊張して店内に入ったところ、ごく庶民的な雰囲気で、構えたところは一切なく、安心しました。

 席は,4人席が2つに小上がりだけ。むろん満員で、小上がりには赤ん坊を連れた夫婦連れが2組、それと若い男女が8人、賑やかに食事していました。

 

(4)注文を聞き、お皿を運んでくれる女主人は何と妻の同年齢で、二人の会話も弾みました。ご主人が初代で今年初めに他界し、息子さんが継いでいるとのこと。

5. 4人で充分満ち足りた時間を過ごしました。

 しかし、その後転倒して怪我をしたのは、「乱世だぞ。いい気になるな!」という、どこかからの叱咤(しった)の声だったかもしれないと今になって感じています。