WHOの新型コロナ緊急事態宣言から2年過ぎました。

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  1. WHOが新型コロナの緊急事態を世界に宣言した日から2年が過ぎ、3年目に入りました。

当初、こんなに長く続くと予想した人が、どれだけいたでしょうか?

 

(1) 最初の1年の動きを、私なりに整理して、「パンデミック2020「ステイホームの中間報告」」と題して、素人雑誌に載せました。

(2)冒頭に、「本誌が刊行される2021年初めにも、状況はさほど変わりないでしょうか?以前の日常に戻っているでしょうか?」と問いかけました。

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書きながら、心の中では、雑誌が人目に触れる頃には、そろそろ収まっているだろうという、今から思えばごく楽観的な気持があったと思います。

 

(3)ところが、ここからさらに1年経った今も、感染者はまだ増え続けています。累計の世界の感染者総数は3億8千万人を、死者は570万人を越えました。

 

  1. 「ステイホームの中間報告」では、

・ 「いまこそ開かれた民主主義が何かが問われています」や、

「真っ先に感謝したいのは医療従事者の献身です」、

「普段あまり日の当たらない方たちにもお礼を言いたいのです」、

といったメッセージを早々に発して世界を感動させたドイツのメルケル前首相、

・ ニュージーランド首相の暖かい国民向けメッセージと同国の迅速な初期対応、

・ タイム誌で政治学者のイアン・ブレマーが「コロナ対応に成功しているベスト10か国」を選び、中でも台湾を「ベスト中のベスト」と評価したこと、

 

などを紹介しました。

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  1. 3年目に入ったいま、何が変わったでしょうか?

(1) コロナ対策はむろん継続するにしても、「コロナとの共存」という言説が増えたようです。

この変化は大きいような気がします。

(2)また、各国独自の対応や国民性・文化の差が見えてきたように思います。

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4.日本でも、身近かなところで、少し規制が緩やかになった事例があります。

 

(1) 例えば、1月末から、部外者も約2年ぶりに、東大駒場の研究所とキャンパスに入れるようになり、昔の散歩コースが復活しました。

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(2)また、「現役と教職員」以外にも、図書館に入れる人が少し拡がりました。一定の資格と年5千円の会費で「友の会」会員になると、入館できます。

私も会員になって、2年ぶりに、図書館で静かなひとときを過ごすことが出来ました。

 

(3)しかし以前に比べて、学生の姿は少ないです。キャンパスを歩く学生も少ない、グランドで野球やラグビーの練習をやっている姿も見かけない。

さらに感染者が増えてくれば、また、現役と教職員以外はキャンパスも図書館も立ち入り禁止に逆もどりするかもしれません。

 

5. (1) 他方で、次女一家が暮らす英国は、制限はかなり撤廃されました。孫娘が通う保育園の学芸会のヴィデオを送ってくれましたが、集まって歌ったり踊ったりしています。

アメリカやフランスも同様のようです。

もちろん欧米だって、また逆戻りして規制が強化されるかもしれませんが、やり方は、必要なら「ロックダウン」で規制する、しかし出来るだけ早期に解除する。

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(2)対して日本は、主に「自粛と同調圧力」で対処し、なかなか思い切った制限解除には踏み切らない。そして、「外国人の原則入国禁止」は他国以上に厳しい。

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6.「コロナと共存」する社会の在り方とは、具体的にどういう状況を指すのでしょう?

(1)東大のキャンパスを見ていると、きわめて慎重な「共存」だなあと感じます。

娘から聞く今の英国は、もっと大胆です。

 

(2)どちらが良いか悪いか。各国固有の事情もあるでしょう。

ただ、英国では、「同調圧力」はさほど強くないようだ、とは言えそうです。

「息苦しさ・住みにくさ」は日本より少ないかもしれない。

コロナとは「誰かが苦しんでいる状態」と考えれば、「共存」には「共助」も含まれるだろう・・・。

そんなことを、図書館にひとり座って考えました。