タイム誌「The Answer Issue(何にでも答がある時代)」

1. arz2beeさん、有り難うございます。懐が深い英国、面白いですね。
同地に長く住む、ある日本人が、「英国を特徴づけるのは、2つのC,階級(Class)と
田舎(Country、カントリー)」と言ったことを思い出しました。

前々回の、我善坊さんの言われる、(1)国家(Nation State)(2)文明 (3)文化(民族的価値)の3つが細分化されていくのではないか、あるいは海太郎さんの、スコットランドにおける「感情」の問題、といった指摘を思い出しながら、

もう1つ、「都市」と「田舎(カントリー)」あるいは「文明」と「自然」の違いというようなことも考えました。

そんなことを考えたのは、
(1) たまたまPCで「英国でもっとも住みやすい場所ベストテンは?」という英国の某新聞の調査結果サイトを見つけて、見ていたら、全て「田舎」です。

(2)他方で数日前の英国の新聞(電子版)には、「ロンドンが香港を抜いて、世界でもっとも物価の高い都市になった。上位5位の残りは、ニューヨーク、パリ、東京」という報道がありました。

(2) また、たまたま当方は、週末は、また老妻と田舎に出掛けて、野菜をたくさん買い込んだり、黄金色に染まり、一部はすでに刈り入れが終わった稲田を見たり、もっぱら、書物を読んだりしてきました。

この間、PCにアクセスは出来るのですが、情報を追いかける気持ちが薄れるから不思議です。


2. 大都会に戻ると、またまた、情報の洪水にひたることになります。
スコットランド住民投票の解説記事を載せた「タイム誌9月15日号」には、
「TheAnswer Issue (“何でも答がある時代”)」という別の特集記事が載っていて、情報について触れていますので、今回はこれを紹介します。

(1) いま、ご承知のように、私たちはアイフォン1つあれば、あらゆる情報が入手できる時代に生きている。情報の洪水、「デジタル・ツナミ」の奔流である。
試みに、問いを発して検索してみれば、全てに答がみつかるという驚くべき時代に生きていることがわかるだろう。(しかも、それが全て無料で!)
「答を提供することがビジネスになる、アンサー・ビジネス」の時代に居るということも出来る。


(2) もちろん、「情報」はそのまま「知識」や「知恵」を意味する訳ではないし、負の側面も多いことは言うまでもない。
・直接、入手することのメリットは、人によっては、情報を仲介する存在・ツール(例えば、辞書、地図、アルバム、計算機、手帳・・)の意義をほとんど無くしたし、
・情報はときに人を誤った方向に導くし、
・意図的に、誤った情報を流すことも容易になった、
あるいは、
・人が、なまの自然に向き合い、瞑想する時間を減らし

・「セレンディピティ」の可能性と楽しみも減らした。
セレンディピティとは、日本語に訳しにくい言葉ですが、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見する「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけにひらめきを得、幸運をつかみ取る能力のことである。
ここで私は早速、PC のウィキぺディアというツールを使って即座に「答え」を得ました。
例えば、「下北沢で、おいしいイタリア料理屋は?と検索すれば、たちどころに「情報&答え」が山のように出て来る。
しかし、その結果、自分で、時に失敗しながら、自分の好みと直感を大事にして「自分の好きな店」を探すというや楽しみは失われているかもしれない)



(3) しかし、他方で、「すぐに答が得られる」ことが、私たちの生活の質を高めていることも間違いない。
とすれば、私たちは、「何を問うか?」が問われているのではないか?


3. だいぶ自分流に要約しましたが、この記事は、以上が総論とすれば、あとは、様々な「具体的な問い」とそれに対する「ネットで検索できる答え」が例示されています。
スコットランドは独立するか?」という問いもあり、それに対する「答え」の情報もある。
前回書いたように、私はいろいろ調べて短いメモを書いて、友人たちと夕食会で2回披露しましたが、ネット検索による情報はたいへん役に立ちました。
前述した「英国でもっとも住みやすい場所ベストテンは?」も検索すれば直ちに「答え」が見つかる。
「世界でもっとも住みやすい場所は?」のベストテンもある・・・



厖大な「問い」に対して、インターネットは必ず何らかの「答え」を提供してくれる時代。
だからこそ「自分は、何を問うか?」をいつも考えることが大事でしょう。


例えば私であれば、「東京の旨い蕎麦屋は?」なんて検索する意志は毛頭ない。
並木の藪と上野池の端の藪と神田のまつやと、せいぜい麻布十番の更科ぐらい知っていれば十分で、それ以上新しい情報を仕入れようとは夢にも思わない。五十年も昔から通っている蕎麦とそこで飲む菊正宗(樽)が今もあれば、十分です。
他方で、日々、検索をすることで様々な情報を仕入れており、たいへんお世話になっています。
前述したように、スコットランド住民投票についてだって、情報が検索できる時代でなければ、こんなに簡単に・それなりに整理されたメモなどとても書けなかったと思う。

しかも書いているうちにいろいろと疑問が拡がってくる。
例えば「スコットランドの外に住むスコットラン人は投票の資格がない。従って、ショーン・コネリーも、エディンバラ生まれのトニー・ブレア首相も投票できない」と書いてあると、
「そもそも、スコットラン人の定義とは?」ということが知りたくなる・・・・そこで「Who is a Scottish?」や「Is Tony Blair a Scottish?」と入れて検索する・・・
必ず、何らかの「答え」が提供される。
その代表例が、インターネット百科事典のウィぺディアで、このサイトにも本当にお世話になります。そんな時に、たまたま、ウィぺディアを明けたら、画面に「寄付の要請」が出てきました。
ウィキペディア」は世界的なNPOの運営でボランティアによって支えられている。政府や大企業の援助は受けず・・・


こんなアピールを読み、日ごろこれだけお世話になっているからと、早速、小額ながら寄付しました。
これも、もちろん、インターネット経由のヴィザ決済で可能です。
因みに、以下が、「ウィキペディア」についての
ウィキペディアです。