長らくご無沙汰しました。
学期の終わりでばたばたしたのと、少し体調を崩したのと両方で、PCに向かう気力・体力がありませんでした。
遅くなりましたがMizotaさんありがとうございます。
シドニーですか!羨ましいですね。私は、帰国してもう10年以上経ちますが、かの地は世界でもいちばん住みやすい街の1つではないでしょうか。
ブログを休んでいる間に、世の中は、北朝鮮テポドンだの、子が親を殺し親が子を殺す悲惨な事件だの相変わらず、悲しくなりますが、この間の出来事で私が書いておきたいのはアメリカの往年の女優ジューン・アリソンの死去です。
日経のobituaryによると
「8日死去、88歳。ニューヨーク・ブロンクス生まれ。40~50年代に「甦る熱球」「グレン・ミラー物語」などに出演。「米国人男性があこがれる理想の妻」と呼ばれた」
とあります。
50年代はおそらくアメリカがもっとも輝いていた・自信にあふれていた時代。そして、本物のアメリカを知らない私が中学から高校生のころ、映画を通してみるアメリカも、実に実に輝いていました。
その象徴ともいえる存在の1人が、2世代上の・憧れのジューン・アリソンでした。
美人ではない、どこにでもいそうで、親しみにあふれて、人なつこくて、明るくて、いつも幸せそうで、あのハスキー・ボイスがなんともいえず魅力でした。
しかも、立派な家に住んでいても、生き方・考え方はかってのピューリタンをちょっと思わせるように、地味で堅実で・・・
「グレン・ミラー物語」(1954年)に出てくるアメリカ白人中流層の暮らしも、戦後の貧しい若者にとって、こんな世界があるのか!(こんな豊かな国と戦ったのか!)という驚きでした。
ジェームス・スチュアート扮するグレン・ミラーとジューン・アリソンのヘレンとの夫婦愛も、映像化されたアメリカのもっともいい面・いい時代が出ていたのでしょう。
この映画、ルイ・アームストロング本人の出演を別にすれば、黒人はいっさい登場しないし、もちろんまだ公民権運動も知らない、古き良き(一部のアメリカ人にとって)時代です。
「すべての男性が結婚したいと望み、すべての女性が友達になりたいと望む女性」とも評された、もっともアメリカ人女性らしい女性。
ジューン・アリソンという名前もそういうイメージにぴったりですね。本名は、エラ・ガイズマンだそうですが、これはひょっとしてユダヤ系でしょうか。
訃報を知った日、京都のアパートで妻と2人で「グレン・ミラー物語」のDVDを観ました。