京都逍遥と神戸学院大学にて

1. 我善坊さん、柳居子さん、殆ど独り言のような雑文にコメントを頂き、まことに光栄です。
「二足のわらじ」については、偉大な文学者は別にして、おそらく(ご本人に失礼な言い方になるかもしれませんが)
窪田さんのようなケースでは、前にブログで話題にした「ディレッタント」の面もあるかもしれないと考えたりしています。


柳居子さんは日本および中国文学にお詳しいのはかねてブログで承知していましたがカミュについての知識もお持ち
なのには正直、感服しました。
まったくご指摘の通りです。
愛着ひとしおの文学者ですのでフォローしたいところですが、あまり個人的感想ばかり書いても仕方ないので
残念ながら「記録と報告」に戻りたいと思います。

2. もう1週間以上経ちましたが、12月10・11の両日は、今年最後の京都滞在でした。
11日はいわば中休みで、一日京都でぶらぶらしました。
良い天気で、寺町「進々堂本店」でゆっくり朝食をとった後、岡崎公園まで歩き、ちょうど近代美術館で竹久夢二
展覧会をやっているのを横目で眺めて、隣の府立図書館に入り、12日に仕事が入っているので、その準備を少し。
ここは、ゆったりと明るい・人の少ない・静かな空間でとても気に入っています。仕事もはかどりました。


3. 早めの夕食は、錦小路と高倉の角にある「だいやす」の居酒屋コーナーにて。
ここは、5〜6年前でしょうか。ただの魚屋の横に居酒屋コーナーを設けて、牡蠣をメインにした魚類を提供し始めて
、大いに当たりました。
おそらく地元の京都人はまず入らないでしょうが、観光客(外国人を含めて)に人気があり、気楽なところなので、
一人で入りやすいのが助かります。
この日もカウンターの隅に座って、焼き牡蠣・鯖すし、それに燗酒2杯で十分満足しました。

ニューヨークのグランドセントラル駅の構内にあるオイスター・バーのカウンターも一人で夕食をとるのに恰好な場所で、
単身で過ごしたまだ働き盛りの頃、仕事帰りによく白ワインと牡蠣やクラムチャウダーで一人の夕食をとったことを
思い出しました。
ひとりで来ている老人、同じ顔を何度か見かけて、寂しいかな・それとも楽しんでいるのかなと想像しながらワインを
飲んだことも思い出し、賑やかな若い人たちで満員の「だいやす」に座って、他人から見たら今の私がまさに、
そういう老人に見えるだろうなと考えたりもしました。


4. 翌12日(月)は、朝食は「イノダ」にて。
宿をチェックアウトしてJRで三宮へ。
ここで駅前の「にしむら」という珈琲店で少し時間をつぶし、神戸らしい喫茶店で「イノダ」と似ている点・違う点
などを観察。

それからポートライナーに乗って、生まれて初めて、神戸のポートアイランドに行きました。

5. ここに、神戸学院大学の新しいキャンパスが数年前に出来たそうで、
古巣の京都文教大学で同僚だった先生が経営学部「企業倫理論」の講義を担当しており、同氏に頼まれて「ソーシャルビジネス」
について100人弱の3回生・4回生にゲストスピーカーとして1コマ喋ってきました。


「受講態度は決して良くないですよ」と事前に注意されていたのですが、意外に真面目に聴いてくれて、最後には
的確な質問も出て、もと同僚の先生も驚いていました。

6. 何と言っても印象に残ったのが、神戸港に面したキャンパスのきれいなこと。
広い・清潔で、ゆったりした空間が拡がっていました。
逆に言えば、周りに、パチンコ屋もゲームセンターもなく、隔離された場所ではありますが、その代わり、キャンパスの
中に入るとまことに快適です。
教室のレイアウト・デザインも、教員の話易い・学生が聴きやすい工夫がされているなと感じました。
まだ、新しいせいかもしれませんが、図書館もスペースが十分あります。
アメリカの大学を幾つか訪問したとき、大学側がまず真っ先に図書館に案内してくれたこと、図書館をいちばん誇り
にしていたことを思い出しました。


ポートピアホテルというところが経営しているレストランまであり、
一般の人も同じ料金で食べられるそうで、ランチは600円から。学生には500円の特別メニューもありますが、
もちろん彼らには、もっと安い学食があって、学生よりも外から来ているらしいお客の方が目立ちました。

近くには、大きな集合住宅もあります。
地域の住民にも開放して、地域と大学との交流を深めるようなイベントもいろいろ出来るのではないか。
例えば、夏には、海を見ながら、コンサートをやるとか・・・・
公開講座をやるとか・・・・

この、恵まれた環境を十分に生かした、充実した学生生活を送ってほしいものです。