京都、久しぶりに古巣の大学で嬉しかったこと

1. 1週間ぶりの更新です。
京都に1週間滞在し、古巣の大学で集中講義をやってきましたので、PCに触るのが遅れました。


2. さわやかNさん、長文のコメントまことに有難うございます。
若い人が福澤に(1万円札だけでなく本人にも)関心を持ってもらえるのは嬉しいことです。
福澤についてはさらにフォローするつもりですので、コメントへの再コメントはしばらくご猶予をいただいて、しばらくは京都の大学での報告です。


3. 久しぶりに訪れた、12年ほど勤務した古巣ですが、新しい建物が完成して、少し様子も変わっています。

「集中講義」は学生に対する春学期の通常の授業の1つですが、実施時期は夏休みに入って毎日の授業が終わってからになります。

従って、キャンパスは人も少なく、教員もほとんど出ていないので、閑散としています。


4. その中で、休み時間に昼食をとりに学生食堂に行ったところ、写真のように幼児を連れたお母さんがたくさん居られ昼食中でした。


以前にはなかった風景で、キャンパスも小さなお子さんを連れた母親の姿が時折目について、いい光景だなと思いました。


5. これは、京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク(KSEN)の仲間である、宇治市市会議員の田中さん他の尽力によってスタートしたものです。
短期大学が部屋を開放して近所の母親に「子育て支援」の場所と労力を提供しています。

保育所とは違いますから、専業主婦でないと利用できません。
しかし、専業主婦の場合、こういう「場」がないとなかなか家の外に出ることが出来ない。終日、幼い子どもの面倒を家でひとりで見るということになる。


「場」があれば、同じような苦労や悩みや楽しみを抱えた母親同士、子ども同士が交流することができる、短期大学には将来、幼稚園の先生や保育所勤務の人材を養成する学科があり、ここの学生は「実習」をかねて、手伝うことができる。お母さんの手も少しは空く。


6. 家人から常々、「子育て、とくに回りに助けてくれる人のいない核家族でのひとりでの子育てがどんなにたいへんで、母親の心労が多いか、またいかに男性がそういうことへの理解が無いか(最近の男性はだいぶ違うでしょうが)・・・・」という話を聞かされていました。

したがって、こういう「場」が出来て、こういう支援の動きが広がっていることを大いに嬉しく思った次第です。


7. ちょうど学食では法人の事務局長にもお会いしたので立ち話をして、感想を伝えたところ、

「スタートしてから、利用者がどんどん増えていてたいへん好評である。
大学がこういうことをやっていると知って、遠くから視察にくる学校もある」
というコメントでした。

「これも、先生(これ、私のことです)が在職中、地域と連携し、つながり、社会貢献を果たしていく大学の大切さについていろいろと発言し、動いておられた、その種が徐々に実ってきているのだと思います」
というコメントもあり、もちろん半分以上お世辞ではありますが、嬉しかったです。


8. もう1つは、やはりKSENの仲間と夕食をともにしたときのこと。
彼は、いまは、東日本大震災の被災地・被災者の京都での支援活動の責任者の役割を果たしている人ですが、彼からこんな発言がありました。


「京都での大学生のボランティア活動について、京都文教大学の名前がよく出てきます。
規模の小さな大学なのに、(名前は差し控えますが)大きな一流大学の幾つかより名前をしばしば聞きますよ・・・・」


9. これも嬉しかったですね。

この話も学食で事務局長に報告しました。
もちろん同氏は大学(教職員)や学生のこの面での動きをきちんとフォローしていて、(詳細はここでは省略しますが)いろいろ具体例をお聞きしました。

(1) 小さい学校だから小回りが利くということもあるのか、かつちょっとした活動でも小さいから目立つのか


(2) 一流の大学に比べて失礼ながら、いわゆる勉強のできる学生が多くはないだろうが、その分、他人に優しい・気のいい学生が多いのではないか(これは、私が在職中も感じていたことです)


(3) 浄土宗の宗門大学という「建学の精神」も影響しているところがあるのか


以上、理由はよく分かりませんが、学生諸君の動きはなかなか活発なようです。


10.いつものように、行きと帰りはスクールバスに乗って、キャンパスと近鉄向島駅とを往復しましたが、

下車するときに、
「有難うございました」
と運転手さんに挨拶して降りる学生も(皆ではないけど)ちゃんと居て、
ああまだ、ちゃんと言っているな、とこれも嬉しかったです。