宇治市槇島に居場所「リオス(REOS)填島」が誕生

1. 今月3回目の京都・東京往復です。


25日{金}の夜7時から、古巣の京都文教大学のある宇治市槇島にオープンしたコミュニティ・レストラン
「REOS (リオス)槇島」の集まりに参加しました。


KSEN(京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク)の仲間であり、長年、地元と大学との
連携を一緒に考えてきた田中美貴子さんが、ブルトーザーのような馬力を発揮して、地域の「居場所」を
つくるという長年の夢を実現しました。

ここでは、地域交流型レストラン、というコンセプトで、地元産食材の販売や、給食。
お弁当の配食サービスも手掛けます。


さらに、
・子育て中の母親でも来やすい場所―たたみの部屋の一画に「親子コーナー」を設置して、乳幼児の一時預かりも。
・高齢者のサポート(買い物代行など)
・放課後の児童(親が働いていて家に居ない)の居場所―定年退職した教員や大学・短大の学生も応援する
などの拠点となることを意図しています。NPOと一般社団法人との2つが連携して活動するとのことで、レストラン
の運営は社団法人が担います。


2. 田中さん自身は現役の市会議員なので前面には出ず、行政との連携や、人的ネットワークの活用
などに徹しているようで、地元の役員さんや、母親が、多くボランティアで参加しています。
スタッフ(下の写真は彼ら・彼女らの似顔絵)はこういう女性を中心に15名強で、中には、宇治市のドメスティック・
バイオレンス(DV)被害に取り組むNPOと連携して、DV被害者の女性も受け入れています。

活動を通して「女性が働きやすい場所を自らの手で作り出す仕組みを発案する」という狙いもあるとのことです。


3. 夜の集まりには、地元の人たちの他、KSENからも、本プロジェクトの私的アドバイザーである植木さんの他、
合計5名が集まり、京都2名、大阪から2名、私は東京から馳せ参じて、みんなでお祝いと今後の発展を祈りました。
「つながり」が「居場所」を求め、「居場所」がつながりを深め・拡げる。
ここは、そのための「実験の場」にしたいという田中さんの挨拶もありました。
「こんなことは
初めてお話しますが・・・」という前置きで、今まで生きてきた様々な苦労について触れ、それを乗り越え、このような夢の
実現とスタートにつながったことへの熱い想いを語りました。

仕事にも家庭にも全力投球で取り組み、おまけに2人の母親の介護にも注力している、そしていつも笑顔で誰にも明るく
接する、田中さんらしい、とても良いスピーチでした。


彼女の頑張りに賛同して、地元からも外からも応援と支援の輪が拡がる。
新しくNPOの代表になった某氏は、本職はフィナンシャル・プラナーだそうですが「京都市に住んでいるのですが、宇治川
超えて拉致されてきました」という挨拶。
スタッフは中年の、地元で長年「槇島青少年育成協議会」やPTAの活動を元気にこなしている女性が中心ですが、プロの
絵描きになりたいという若い男性も、NGO活動に取り組んでドイツでの研修から帰国したばかりという若い女性も居ました。
この夜も、1000円の参加費で、いろいろと盛りだくさんの料理を出して頂きましたが、
彼らの明るい・きびきびしたサービスに感心しました。
ただ義務でやっているんじゃないんだ、という感じが伝わってきました。

4. 課題はもちろんたくさんあるだろうと思います。
日替わりランチ500円、コーヒー280円という料金で、家賃を払って、採算は大丈夫だろうか?等々、心配したら
切りがありません。
まずは、お客さんが来てくれること
「居場所」としての機能や「つながり」が、持続していくこと
そのためのスタッフが元気で動いていけること、
そんなことごとを期待したいと思います。

私としては、ビジネスのアドバイスは柄ではないし(それは中小企業の経営者として日々苦労している植木さんなど
にお任せして)、常連のお客になるには遠すぎるし、あまりお役に立たないのが残念ですが、「ソーシャルビジネスの
実験の場」として、これからも応援し、語り・伝え、見守っていきたいと考えます。

最後に1つだけ、
この日、田中さんに伝えたのは、「記録を残す」ことの大切さです。


現場で夢中になって・忙しく働いている人たちにはそれだけの余裕がないのではないか。
誰かが、きちんと、すこし離れた立場から見守り、整理し、記録し、(理念も夢も、成功も、失敗も、仲間たちの
日々の活動や、時に意見の食い違いや衝突も含めてワイワイガヤガヤも、さまざまな受益者の立場も・・・・)、
そして、それをまとめて、残し・伝える、という作業があって、プロジェクトはたくさんの人々の心に
長く残るのではないか。
そんな風に考えるものです。


5. 最後に、地元の方から「最近になって、京都文教大学・短大が本当に、地元に溶け込み、地元に知られ、
受け入れらるようになったと感じる」という発言があって、嬉しく思った次第です。


東京の自宅から遠く離れて、なかなか、気持ちのよい夕べでした。


因みに「リオス(REOS)」というのは、
Relation(つながり)Open space(開かれた場所)を結びつけたそうです。