いなかに居ると、一日が早く、一週間はもっと早く、夏休みもあっという間に終わりです。

勉強せねばという焦りだけあって、毎日、一時間ほどゆっくり山を見ながら歩き、あとはワードに向かって原稿を書いたりレコードを聴いたり・・・。

いなかの家には昔主としてニューヨーク時代に買ったレコードがまだ何枚か残っていて、40年以上もかけているので音が擦り切れているのもありますが、もっぱらこれを聴いています。リパッティ、ルビンスタイン、ホロヴィッツリヒテルクライバーン・・・こういうピアニストはどうもCDよりレコードが向いているように思われます。


ところで前回ふれたニューズウィークのインフレに関するレポートですが、こんな内容です。

1. 世界は35年ぶりに同時進行のインフレ局面にある

2. 約190カ国のうち50カ国、世界人口の半分で、2桁のインフレ進行中

3. 1970年代に類似しているが、違いもある
(1) 発展途上国が打撃を受けている
(2) 資源・食料の価格と結びついている

4. 世界平均のインフレ率は6%に近づき、過去10年の3.5~4%に戻ることはないだろう

5. 世界は高成長と低価格の時代からまったく逆の方法へ ――低成長と高価格の時代へ

30年近く日本もデフレに慣れてきたわけで、いまの成人はほとんどインフレの時代を知りません。
インフレの時代に生きる新たな知識と知恵が必要ではないか、という気がします。年寄りの出番かもしれませんね。


その年寄りですが、14日の日経経済教室に実に久しぶりに、もと東大教授の小宮隆太郎が登場。もう80歳近いですが、健在ぶりを発揮しています。

これも、内容をご紹介すると、

1. 私にとって意味不明の、おまじないのような言葉に、「新自由主義」と「市場原理主義」がある。

2. これらの批判のために、価格機構と経済政策に関する基本的命題(注)を変更・修正する必要があるとは思われない。

3. 日本の現状には「亡国の兆し」が表れ始めたと思うようになりつつある。

4. サッチャーやブレアのような名宰相が日本にも現れて、日本の経済社会を蘇生させてくれないだろうか。

久しぶりに小宮さん健在、ただ、かっての颯爽たる小宮教授から、少し、悲観的に、愚痴っぽくなったのは、お年のせいでしょうか?それとも日本の現状がそうさせるのでしょうか?



(注)
一定の諸条件が満たされた状態の下では、政府が介入や割当制などを行わずに、自由で競争的な「価格(市場)機構」に「資源配分」を委ねることによって経済の最適状態が実現される」という命題(小宮)