「平和を我らに」と「もしトラ」

  1. 前回は、イスラエルのガザ侵攻に抗議する大学生の動きを1960年代後

半と対比した、TIME誌の記事を紹介しました。映画「いちご白書」にも触れ、藤野さんからコメントを頂きました。

  1. この映画、NHK・BSが先週5月30日放映しました。

最後の10数分は衝撃的な映像です。大学を不法占拠した学生たちは、講堂に集まって床を叩きながら、ジョン・レノンの「平和を我らに」のリフレインを歌う。

リフレインは、「All we are saying is ,give peace a chance(私たちは言い続ける,平和にチャンスを)」。

 そこに大勢の警官と州兵が突入して、学生にこん棒と催涙ガスで容赦なく負傷させ、逮捕する・・・・。

2024VERSION「いちご白書」語り:福田好/文:宮本尚子 (youtube.com)

  1. そして同じ30日、アメリカでは「不倫口止め疑惑」で「トランプ有罪」

の評決が発表されて、英米の主要メディアは一斉にトップニュースで伝えました。

(1)大統領経験者の刑事事件有罪は史上初めて。

(2)有罪か無罪かは12人の陪審員が判断するが、量刑は判事が決める。7月11日に発表予定だが、Class E Felony(比較的軽度の偽証罪)なので、収監はない、罰金程度だろうというのが大方の見方。

(3)これは一審であり、トランプ側は控訴するから、最終結審は長引く。

(4)この間、立候補を禁止する法はないので、選挙活動は可能。

トランプはじめ共和党(岩盤支持者を含めて)がより攻撃的になる危険。

(5)選挙にどう影響するかは不透明。

評決前の世論調査ではトランプがバイデンを僅差でリード。無党派への負の影響はありうる。

――というところでしょうか。


4.ところで同じTIME誌は、「If He Wins(もし彼が勝ったら)」と題するトランプ前大統領との独占インタビュー記事も載せています

インタビューは4月実施され、記者は選挙や裁判について一切質問せず、大統領に選ばれたら2期目に何をやりたいかに絞って質問した。

 

5.トランプは「1期目は遠慮しすぎた。2期目は容赦なく自分流で通す」。

(1)不法移民対策に,国外退去や軍隊の派遣を含めて厳しくあたる

(2)2021年1月6日の国会侵入で訴追された人間すべての恩赦を実施する。

(3)自分の意見に従わない連邦検事は辞めさせる。

(4)欧州やアジアの同胞国はまず自国の防衛力強化に責任を持つべし。さもなければアメリカは支援を見送ることもある

(5)自らの政権には、2020年の大統領選挙は民主党に盗まれたという主張を支持する仲間に入ってもらう

などと発言した。

 

6.最後にTIME誌は、「2度目のトランプ政権が実現したら、この国に、「民主主義の終わり」と「まだ経験したことのない権威主義的な大統領制」をもたらすかもしれない、という著名な歴史学者の警告を引用します

彼の大きな写真には、

「前大統領は、国内では右派を結集し、海外では独裁的な指導者たちと目的を共有する」とあります。