大学キャンパスを散歩する

  1. 予定のない日は、東大駒場キャンパスを歩いて、新緑の銀杏並木から図書

館に入り、時にカフェで休みます。

2.5月17日の毎日新聞に「ガザ反戦、日本の学生も」と題する記事が載りました。

(1) 「米国を発端に世界各地の大学で、イスラエルパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻に抗議するデモが広がる中、日本の大学キャンパスでも抗議の動きが拡大している」と伝えます。

(2)「動き」は「抗議のテントや「本読み」で、その一つ、「東大駒場キャンパスの図書館前には、米国の大学に続こうと、「パレスチナ連帯キャンプ」が運営されている」

3. .記事を読んだ先週、「連帯キャンプ」を覗いてみました。

たまたまテントにいた大学生の男女二人と立ち話。

(1)「3週間前から始め、50人ぐらいが交代で泊まりこんでいる」

(2)「アメリカの大学のような過激な行動はしないので、大学側も許可している」

(3)「大学に要求書を提出したが、回答期限の15日までに回答はなかった」

(要求は「東大駒場パレスチナ連帯キャンプ運営委員会」の名前で、「イスラエルに関する非難声明を出すことを求める」など)

(4)「無回答な大学側にこれからどう対応するか、キャンプをいつまで続けるか、決めていない」。

4.因みに、男性は大学6年生、女性は7年生とのこと。つまり留年を続けている訳です。「そりゃ、親御さんたいへんだろう」と呟いたところ、「バイトはしていますが、親には無茶苦茶感謝しています」と答えてくれました。

 学生たちが自主的に立ち上げた行動、という印象を受けました。

5.アメリカでは、はるかに過激な抗議活動の様子が報道されています。

図書館に入って、TIME誌最新号を拡げたところ、大学内での抗議活動や警官との衝突の写真が載っていました。

記事は語ります。

(1)このような荒れる大学のキャンパスを見るのは、1960年代、70年代以来、50年ぶりである。

(2)今回はどこが違うかというと、まず前回は「ベトナム反戦」だった。学生自身が徴兵される「自らの死のリスク」が彼らを強く動かした。

今回は、彼らの怒りは「他者の死」に対して向けられる。

(3)もう一つは、時代の変化に伴う世代間の分裂である。

 ホロコーストナチスによるユダヤ人大殺りく)のあと、ユダヤ人に安全な場所を与えるという大義を記憶している世代と、

イスラエルヨルダン川西岸地区を占領し、ガザを封鎖する時代しか知らない若いアメリカ人」との分断である。

(4)何れにせよアメリカでは、大学キャンパスが再び社会のあるべき倫理をめぐって衝突する場となりつつある。

 

6.私が初めてNYで暮らしたのは、まさに、NYにあるコロンビア大学キャンパスが大きく荒れた1968年でした。(映画「いちご白書」が描く時代です)。

あれから半世紀以上経って、

「世界は良くなっていると思うか?」と、

若者に訊いてみたかったです。