日本の風景と吉田健一

柳居子さん、有難うございます。

フロスト警部から実は私も「切り裂きジャック」を連想したのですが、
それ以上の知識なく、さすがに情報通ですね。フォローしたいと思いますが
取りあえず感謝です。


GW直後の週末は皆さんお疲れで静かにしておられるでしょうが、蓼科高原
人手が少なく、落ち着きます。

GWは、諏訪大社、7年に1度の「御柱祭」(もっともこの週末も“下社”で
やってます)で、3日間で43万人の人出とのこと。

日ごろ、東京などで働いている地元の若者も、このときばかりはと大勢ふるさと
に帰ってきたようで、結構なことです。

もっとも当方は人ごみは敬遠、地方テレビは実況しているが、これも自宅は
テレビはほとんど見られないので、新聞報道で知るばかりです。


 もっとも新聞も買いに行く手間が面倒で、2日おきぐらいになります。
世の中、何が起きているか(もともとあまり関心は高くないのですが)は、
もっぱら、
このブログです。

それと、ご存知の通り、ネットで新聞はある程度読めますし、
日本の新聞だけでなく、ニューヨーク
・タイムズもタイムズもOKです。

最近はフランスの英語でのネット新聞
フランス24”が面白い、
とこれは「情報浴―ブロードバンド」の筆者に教えてもらいました。


最近ピューリツアー章を受賞したというアメリカのネット新聞
プロパブリカも有名ですね。

話し変わっていま当地は花ざかり。桜はほぼ終わりましたが、芝ざくら、れんぎょうゆき柳、やまつつじ、菜の花・・・・など。
それに「しだれ桃」だそうですが、染め分けの花が見事で、まだ少し雪をかぶった八ヶ岳をバックに華やかに咲いています。



ところで柳居子さん、ブログによると、PET検査をされた由。
病状の軽いことを
心からお祈りします。

当地、田舎の家の近くは、当然ながらリタイアしたご夫婦が多く住んでおり、
久しぶりに会うと、いきおい老いと病の話題がしきりに出ます。

夏にいつも取り立ての新鮮な野菜をもらう農家のおばあさんも、もう80を越して、
ひとり暮らし、農地の世話も徐々に出来なくなっています。それと車を運転
しないと日々の生活用品も入手できないような場所ですから、風光明媚な
里山ですが、高齢で農家に住むのは本当にたいへんです。


風光明媚にまた話しを戻すと,であることはたしかで、たまたま再読した
『英国に就いて』(吉田健一ちくま文庫)にも、こんな文章がありました。
少し長いが引用しますと、


・ ・・・だから山も河も、人間の手で祭られている。昔、或る外国人
の建築家と親しくなって、その奥さんが鎌倉の廻りの山を歩き廻った話しを
してくれたことがある。人一人通らない山奥に、壊れかけた小さな箱のような
祠があって、山にも小川にもその守護神がいた昔の、ギリシャ文化の再現を
見たというのである。その時は別に何とも思わなかったが、日本の景色の
温かみは、そういう風にも言い現せるのだという気がする。西洋は
人間中心で、東洋は自然中心だと言われているが、本当にそうだろうか。
(略)少なくとも日本の景色に関する限り、人間が疑いもなく中心になる
までに自然が人間化しているという気がしてならない。そしてそれが
どれだけ郷愁を唆るものかは、外国に行っているとよく解るのである
・・・・(同書「英国の景色」182頁)

吉田健一は、いうまでもなく吉田茂の長男で、幼少期をロンドンに過ごし、
のちケンブリッジ大学キングズ・カレッジで学んだ英文学者・文芸評論家
です。『シェイクスピア』『瓦礫の中』(小説)で2度の読売文学賞
『日本について』で新潮社文学賞、『ヨーロッパの世紀末』で
野間文芸賞を受賞。「「英語のできる人は多いが彼のは英国文明を
理解し、英国人そのものになり切ったような英語であった」と評されました。


時間が少しは出来たので、もういちど、
幾つか読み直してみたいと考えています。