京都らしい日々

10日ぶりの更新です。
京都らしい、時折雪の舞う、overcast(曇り空の)
東京のからっとした冬空とは違う、ロンドンを思わせる、冷たい日が続きます。


京都に滞在しており、この間、主には4日間21時間の集中講義をこなすことと
13年住みなれた中京区柳馬場六角下がるのアパートを引きあげて引っ越しする、
その準備でやや慌ただしくしており、この間、PCに(メールも含めて)
ご無沙汰しています。


集中講義はアメリカとビジネスについてで、これは次回以降、触れることもある
でしょうが、今回は京都滞在報告です。


1.アパートの近くの、京人形のお店のウィンドウには大分前から、お内裏様が
飾ってあります。


ここは大木商店丸平といって、きくところでは、皇室の御成婚時にご用達される、
また昔、米国クリントン大統領夫妻が訪日したときに、ここでひな人形一式を
買い求めたとのことです。


いつも、季節の2カ月以上前から、早めに折々の季節にふさわしい人形がウィンドウに
姿をみせるのも好ましく思われます。


店の造りはごく地味で目立たない、ところがガラス戸をあけて(あけるにはかなり
勇気がいりますが)中に入ると、飾ってある人形の多さと豪華さに圧倒されます。


2.金曜の夜には、長年お世話になったいとこ夫妻と、これまたアパートに近い
富小路御池下がるにある料理旅館「吉川」のカウンターでてんぷらを
頂きました。

13年の間に5回ほどしか行ったことがありませんが、いつも満足して
この日も4人で「美味しい」を連発しながら、前回のブログでご紹介した、
京都にはおもしろい外国人がたくさん住んでいるという話をしました。


3.東京の天ぷらはゴマ油をまぜるが、京都や大阪ではゴマ油は使わない
という話も聞きました。

「なぜですか?」と料理人に訊いたところ、
「香りが違うだけで、とくに理由はないでしょう。
東京と違うというのを大事にしたいと違いますか」
という返事でした。


この返事も、私にはなかなか面白く感じられ、どんなに些細なことであっても
東京とは「違う」ことをするという文化ーー同一性、協調性を重んじる風土の
中にあって多様性を守ろうとする文化ーーは大事ではないかなと考えたものです。

4.この「吉川」は、伊藤若沖など江戸期の日本美術の収集で名高い
アメリカの大富豪プライスさん(プライスコレクションで有名)が昔
定宿にしていたそうです。
若奥さん(京美人です)がまだ高校生のときに、アメリカはオクラホマにある
同氏の広大なお屋敷に招かれたという話も聞きました。


敷地から石油が出てきて、プライスさん「汚い」と言って埋めてしまった。
おかげで、石油は隣の家の土地で出るようになって、えらく喜ばれた・・・
というエピソードがある、とは若奥さんのお話でした。



いろいろと京都らしい日々を過ごしております。