京都に住む外国人・異邦人

前回は寄付について長々と書き連ね、失礼しました。
これに関連して写真を1枚、伏見稲荷で撮ったものですが、
広辞苑の定義に従えば、これも日本的「寄付」文化でしょうね。


本日から今年初めての京都行き、10日間ほど滞在します。

この間、PCを扱うのが少し不便なため、拙ブログの交信も
遅れると思います。


今回は京都のことを少し書きます。

たまたま、数日前、昔の職場の同期会・新年会がありました。

そこで久しぶりに会った旧友・某君の話。


ちなみに昔の職場は海外での業務が専門なので海外に長く暮らすケースが
多いのですが、この某君も長年パリに住み、日本語よりフランス語の
方が得意というご仁。

退職後も彼の地に家を買い、永住かと仲間で話していたのですが、2年ほど前に
帰国し、京都に居を構え、住民票も移し、奥さんは京都に住んでいるとのこと。


本人はまだ仕事があるので、東京中心の暮らしで時々、週末に
訪れている。奥さんの方は、
特に地縁・人縁があった訳ではなく誰も知らない状態で
住み始めたそうですが、友人も出来て、毎日、実に楽しく暮らしている、
という話。
彼の話で面白いと思ったのは、
奥さんも同様に長くパリに暮らし(もちろん日本人ですが、
たしか大学もフランスのはず)いわば異邦人のような
状態で帰国した。
そうなると、東京生まれ・育ちと言っても、むしろ京都に住みたい
という気持ちになった。

そう思って暮らしてみると、実は、同じような心理状態で住んでいる
外国人が多いということを知り、彼らとたいへん仲良くしている。

「京都はよそ者は住みにくい」とよく言われるが、自分自身、半分外国人の
ような感覚になってしまっているので、皆さん親切で付き合いやすい。
まことに快適に暮らしている・・・・・・


ということだそうです。
たしかに、柳居子さんのお知り合いのアレックス・カーのような
有名人のほかにも、こういう京都を愛し、住みついている外国人が
多く居るのだろうと思います。

そこに京都の魅力があるのでしょうね。

もちろん誰にでも出来る話ではなく、
この某君は、ご夫婦ともに資産家の出ですから(父上はもと駐仏大使)、
可能なのでしょう。

私の方は庶民ですから、定職がなくなり、残念ながら、13年借りていた
京都の小さなアパートをそろそろ引き上げる算段をしているところです。


もっとも、某君から上のような話を聞いていたら、
隣に座った某某君が、彼も実はパリ勤務が長いのですが、

「フランス駐在時代に親しくなったフランス人の友人で、奥さんは
日本人だが、このほど仕事を終えたのを契機に、家をすべて売って
奥さんと2人で京都に永住することに決めたという便りが来た」

と話してくれました。

某君夫妻も半分フランス人のような感覚だし、どうも
京都を好きになるのはフランス人が一番なのでしょうか。


何れにしても、こういう異邦人に魅力のある街というのは
日本には少ないでしょうし
世界を見渡したって少ないのではないか。
例えば、中国や韓国にそういう都市があるだろうか。
仕事でやむにやまれずというのは
あるにしても、暮したいと思う町があるだろうか。
そこが日本の(中国や韓国にない)強さではないか。
(ちょっと愛国主義者のような発言になってしまいましたが)
まあ何と言っても、ニューヨークやロンドンが一番でしょうが。
言葉が出来れば、イタリアのトスカーナや南仏に住みついている
人もいると思う。
日本人でも退職後、豪州やマレーシアなどに住んでいる人が増えている
そうです。

しかも、
仮にニューヨークとロンドンがいちばんとしても、
京都に長く住みたいという外国人は、
ニューヨークやロンドンに住むのとは少し違う種類の人たちで
あるような気がする。

さすが京都だと思うし、こういう
異邦人が住みたい街としての魅力はこれからもぜひ
残してほしいものです。