コメントのお礼と、京都でスモールビジネスに取り組む人たち

1. 今年初めて、京都に2泊してきました。新幹線から富士山がよく見えました。

その前にまずは、前回のブログに、海太郎さん、我善坊さん、柳居子さん、貴重なコメント有難うございます。
ご指摘いろいろ参考になりました。

まずはPCのトラブルですが、ご存じの方が多いと思いますが、液晶画面は敏感な代物だそうで液体がかかること、とくに糖分がいけないそうです。
小生はうかつにも知らず、幸いいいままでそれですんでいたのですが、先週たまたまお茶を飲みながらPCをいじっている時に(風邪で咳が1か月以上収まらないこともあって)むせて、PC画面にかかってしまいました。それだけでPCが動かなくなってしまい、ずいぶん、繊細な代物なのだと再認識しました。
修理に時間がかかるというので、やむなく、新しいPCを購入。
(たしかに海太郎さんの言われるように、PCへの依存の度合いによっては、バックアップに2台持つのも必要ですね)。


2.言うまでもなく、本体を買うだけでは済まなくて、ウィルス対策のソフト、初期化、壊れたPCに入っているデータの移行等が必要で、若い人には全て自分でやる人も多いでしょうが、私はとても無理で、購入した電機店にお願いしました。
そのうえにPCのOSが長年使っているマイクロソフトの「セブン(7)」から「エイト(8)」に勝手に変わっています。これに慣れるのが結構面倒です。頼みもしないのに・・・と言いたくなります。
それと、何というか、要するに「お節介で、大きなお世話」と思うようなサービス画面が頻繁に出てきて、うんざりします。
もっとシンプルに、「7」と「8」との連続性を大事にしてほしいと願いますが、設計者・開発者はとにかく新しいアイディアを入れて、前のシステムといかに違い、いかに斬新で豊富な機能を備えたアイディアを作ったかに「イノベーション」としての評価とやりがいを感じているようです。
そもそも
(1) 既存のユーザーがPCを買い替える場合、と
(2) 全く新しくPCを使い始める人たちと
それぞれがどの位の割合でいるのか、私には分かりません。
(2)の人たちであれば、昔を知らないですから「こういうものか」と思って「8」を習得するでしょう。
しかし、「7」も「XP」もそれ以前のOSも全て知っている(1)の人達にとっては、「連続性」を大事にしてほしいという気持ちが強いではないか。


「7」から「8」への変更には「保守的であること」の価値が思想として存在していないようです。
保守とは何か?それは、過去と対話し、その上で変えることが良き未来につながると確信すれば初めて「過去」を変える、そういう認識と態度ではないかと考えています。


3. 白鵬関の審判判定批判についての皆様のコメントも面白いです。
「もっとみんな、おおらかにうけとめること」。
「いくら強くても所詮20代の若者」もその通りで、だから「おおらかにうけとめよう」でいいかもしれませんね。
「かっての小錦関の(自分は悪くないかもしれないけど)とにかく謝って日本式な幕引きを図った」という過去の事例は知りませんでした。
それもありかもしれないけど、そういう過去を知った(これが「対話」でしょう)上で、「安易に日本的に妥協したくない、それを変えることが良き社会につながるのではないか」と考える人間が出てきてもいいのではないかなという気もします。


最後に、「日本人横綱」というのはそろそろやめよう」、
「国籍について、もっと気軽に、上着を着替えるように国籍も替えるとは考えられないものか?」というご指摘は、私も似たような感じを持ちます。


ただ後者については、「上着を着替える」というより、(いろいろ難しい問題はありますが)、世界のかなり多数派になりつつある「多重国籍」を認める方向がいいのではないでしょうか。
白鵬関であれば、やはりモンゴル国籍への愛着はあるだろうし、モンゴル国民がそれを望んでいるのではないか。したがって、前の国籍も残したまま日本国籍も持てるという「国籍法」に変えていくべきではないかと思っています(長らく、多民族国家を否定していたドイツもほかの多くの欧州にならって昨年、多重国籍を認めました)。


4.ということで、今回は皆様のコメントのお礼と感想で長くなってしまいました。
最後に、週の初め、久しぶりに京都に2泊しましたので、簡単に触れたいと思います。
長い友人の植木さんの会社カスタネットが創立15周年を迎えて、そのお祝いの会に出るのが目的です。
これもなかなか面白いイベントでした。
売上げ年間3億円ほどの「スモールビジネス」ですが、大企業を辞めて自分で会社を作って15年続けているのは立派です。
そして「営利と社会貢献を両立させる」という企業理念をぶれなく続けているのが特色です。
私もささやかなお手伝いを続け、一緒にカンボジアに行ったり(小学校の建設を支援するプロジェクトで)、『小さな企業のソーシャルビジネス』という本を一緒に出したり、「町屋塾」と称する、京都の若者の働く意欲や事業展開を応援する活動を続けたりしてきました。


この日の「創立15周年記念会」も植木さんらしい特色のある「会」で、普通の創立記念パーティとは全く異なり、ほぼ一日をかけて「地域と防災」をテーマにした「講演会エリア」(メインのスピーカーは、30年間の検事生活のあと高齢者の福祉と地域のつながりに取り組むボランティア活動を23年続けている、さわやか福祉財団の堀田力会長)と、
同社の活動および、同社が社会貢献や事業展開で連携し応援している団体や企業の活動を紹介する「出展エリア」と
の2つの会場を用意して、来た人は適宜、興味のある会場を覗いてもらうという真面目な趣向で、
しかもこれらの準備を会社の10人しかいない従業員と、「町屋塾」の卒業生たちの手弁当による手伝いで仕上げたという、すべて手作りのイベントでした。


「出展エリア」には「町屋塾」に参加して、いまは卒業して、それぞれ働いたり自ら事業展開をしたり、NPO活動を続けたりしている連中が動き回り、ブースを置いて、活動のPRをしたりしていました。

たとえば、写真にあるブースは、ブロイラーではない「平飼い」で鶏を育てて「卵」を産ませ、販売している若者です。「町屋塾」で半年かけて、事業計画を立て、経営や人事などについて学び、卒業して目標通り、実施に踏み切りました。
卵は6個400円で、安くはありませんが付加価値のついた生産品です。
まだまだ厳しい状況でしょうが、頑張ってほしいものです。
これは小さいながらビジネスを志向していますが、
他方で、食品アレルギーに悩む母親と子供たちのための食品や啓蒙活動、相互の交流や相談機能のためのNPOを立ち上げている女性もいます。彼女も「町屋塾」の塾生の1人です。
活動は徐々に軌道に乗っているようで、行政や食品メーカーがその重要性に徐々に気づいて支援してくれるようになった、と明るい表情で報告してくれました。


もちろん、みんながみんな希望通りの活動を軌道に乗せているわけでは毛頭ありませんが
それでも、中には元気で頑張っている、小さな・地道な活動をひたむきに続けている、そういう人々に再会して話を聞くのは、気持ちの良い時間でした。