ksen2005-12-31

今年最後のブログとなりました。ブログを作成する契機となったアリス・テッパー・マーリンに触れて今年を終えたいと思います。
10月25日京都でのスピーチで彼女は、自身のライフ・ストーリーを語ってくれました。高校時代のボランティア体験については前に紹介しました。その後、大学を終えてから短期間ボストンでのボランティア、そしてNYウォール街インベストメントバンクへの就職、数年で退職して仲間とCEP(経済優先順位研究所、Council on Economic Priorities)を立ち上げた経緯についてはいずれ機会をみてご紹介したいと思います。1969年以来36年間NPO活動を続けているわけですが、長い活動の日々、さまざまな困難に直面して何度かやめようと思ったこともあったそうです。そんな苦しい時に、4つの力が彼女を助けてくれました(”When I felt like giving up, four sources of strength came to my aid”)。
・CEP(そして、それに続くSAI)のミッション(使命)に共感してくれた理事会のメンバーが,メンターとして変わらず信じ、献身的に支えてくれたこと。
・スタッフ・メンバーもまたミッションの重要性を信じ、そのために、弾力的に新しい戦略をうちだしてくれたこと。
・アリスたちの活動が自分たち市民にとっても大きな意味と価値があると認め、評価してくれた受益者(beneficiaries)の存在。この人たちは時には自ら主体的に活動を助けてくれることもあった。
・そして、何といっても、夫であるジョンの存在。彼は常に物事を楽観的にとらえ、明るい面を見つけ出し、新しい戦略や勇気を与えてくれた。
そして、ここでアリスはジョンがたびたび私に語った言葉を引用しました。「ジョンはいつでも私のそばにいて、変わらず私を信じてくれて、まるで「忠犬ハチ公」のような心の友でした(My husband John was always there for me,always faithful as "chuuken hatchico",never losing faith in me.)」
あのとき、ジョンの関心や雑学の背景を知らない通訳の女性は、スピーチの中にとつぜん「忠犬ハチ公」が登場してびっくりしたのではないでしょうか。
それにしても、結局は人と人とのつながり・信頼感が、長い・苦しいアリスの活動を支えてきたのだとあらためて感じています。
ささやかながら私としても、来年も「つながり」を大事にしていきたいと願っております。皆様、どうか良いお年をお迎えください。