ksen2006-01-27

machidaさん、情報有り難うございます。筑波大学も講座開設とのこと。昨年秋には慶応の藤沢キャンパスが「ソーシャル・アントレプレナー」のプログラムを立ち上げましたね。同志社も関心あるようで、政策学部から5月に1コマ、授業で話してくれと頼まれました。もっとも、言い出しっぺの筈の、うちの大学でいまいち盛り上がらず、がっかりしています。
前々回に、アリス・テッパー・マーリンをソーシャル・アントレプレナーと見なしてもいいのではないか、また社会起業家はいつでもお金に困っている存在ということに触れました。
アリスを昨年10月招聘したときのささやかなエピソードを思い出したので、書いておきます。国際交流基金の助成をえて実施したのですが、助成では航空運賃はエコノミーと決まっています。これは文部科学省の学術助成の場合もそうですし、おそらく大先生といえども決まりは決まりです。但し、アリスから、ビジネスクラスを利用できないか?という照会がありました。
理由は3つ。彼女が超多忙な日程をこなしていることは前にも書いた通りで、今回の来日も、トルコから帰ったばかり、しかも関空から中国に直接飛ぶという慌ただしさです。2つは、あまり頑健な方ではなく、とくに最近ひざの手術をしたばかりという健康の問題。最後に、日本でのスピーチ原稿に手を入れたいので機内でも仕事をしたいということ。
これらは私にもよく理解できます。私も昨年大学の助成でNYに行きましたが、たしかに年をとって13〜14時間のエコノミーでの出張はきつい。特にアリス(というか、この手のアメリカ人)は機内でも熱心に仕事に取り組む。日本人のように酒を飲んでリラックスするというタイプではない。これはやはりきつい。
結局どうしたかというと、助成金の中に本人に対するささやかな謝礼(講演料)が入っていて、これを自分は要らないから運賃に加算できないか?という話になり、助成機関の了解を頂き,ビジネスでやってくることが出来、ほっとしました。弾力的な取り扱いを認めてくれた、国際交流基金にあらためて心から感謝します。要は、当然と言えば当然ですが、これが「ソーシャル・アントレプレナー」の活動。もちろんすべてがそうではないでしょうし、アショカ財団なんかはかなり豊富な予算があるようですが、おおかたの社会起業家は金欠病で、質素ですね。ここが、プライベート・ジェットで旅をする、ゲイツ夫妻のようなフィランソロピストとの大きな違いでしょう。
みみっちい話になりましたが。