英国のホテル:バー・アイランド・ホテル

1. arz2beeさん、初めまして。お礼が遅くなりましたが
 8月7日付けのブログhttp://d.hatena.ne.jp/ksen/20100807

へのコメント有難うございます。今後ともよろしくお願いいたします。早速そちらのブログを「お気に入り」に入れたところです。
http://blog.goo.ne.jp/arz2bee
「何食わぬアンダーステイトメント」とは言いえて妙ですね。
今回の英国滞在についてのブログで「アンダーステイトメント」という言葉をまだ
使っていないのですが、ご指摘の通り、この国を考えるときの、とても大事なキーワードだと同感します。


2.我善坊さん、有難うございます。
「日常の些細なことにこだわり、しかも自分の流儀を変えない、これが本来の保守主義」。
なるほど。

私も「日常の些事」を大事にし、「自分の流儀」をあまり変えない方ですが、私の場合は、主義主張というより、単に怠け者・不精者だからではないかと思います。


保守主義については、別の視点での話になりますが、保守主義イノベーションとの親和性についてもかねて考えているところです。


3. 実はお2人には(もちろん他の方にも)恥ずかしいのですが、いまだに英国の話を書いています。3週間滞在して、帰国して本日でちょうど3週間。

そろそろ話題を変えないといけないのですが、なかなか関心がそこに行かない。


1つは、暑さを逃れて、信州の田舎の家にいるということもあります。

ここではテレビをまず見ない。新聞もまあぼちぼち。

従って、「菅か小沢か」だの「阪神か巨人か」だの、浮世で起きている出来事にまったく関心も興味もない。


無責任といわれるかもしれませんが、首相が誰であっても私の「日常の些事」は変わらない・・・

現在の出来事より、例えば、50年前の出来事のほうに興味がある。

「菅か小沢か」より、いま読んでいる英国のミステリー(ロバート・ゴダートの“Name to a  Face”を読み終えるほうに興味がある。

こういう態度と「保守主義」とに関係あるのか、まったく無いのか、我善坊さんの卓見を伺いたいものです。


4. ということで、今回も英国滞在の話を続けようと思ったのですが、ここまでですでに結構字数を費やしている、どうするか?

まあ、英国で泊まったホテルの話を少し記録しておきます。


今回の滞在は、娘夫婦の家に居候しており、滞在費不要というのはまことに助かりました。


時には留守にしないと可哀想だろうということで、21日間のうち、ローマ2泊を入れて合計5日間、家を空けました。


英国では、コッツウォルズにあるホテル1泊、
ダートムア国立公園内のホテルに1泊、
もう1泊は「バー・アイランド・ホテル」といいます。

5. 最後のは、デボン州の南、島にあるホテルで、島にはホテル(と付属のパブ)しかありません。

潮が引いているときは対岸とつながっていて、徒歩で自由に行き来できる。夏は海水浴ができるので人手も多く、島にもやってくる。

ところが夕方から午前中遅くまでは潮が満ちてしまい、孤立した島になってしまう。

といっても、そんなに深くはないので、対岸との行き来はホテル所有の「シー・トラクター」に乗せてもらいます。



6. このホテルの存在をモチーフ(着想)にして、アガサ・クリスティー推理小説を2つ書いています。

1つは、「そして誰もいなくなった」(And then There were None)ですが、こちらはホテルではなく、かつ孤島に建てられた邸宅という設定。

も1つ「白昼の悪魔」( Evil under the Sun)はまさに、潮の干満で孤立したりつながったりする島にあるホテルが舞台で、休養で滞在している名探偵ポアロが殺人事件に遭遇するというお話。

殺人は写真のような、岩で囲われた砂浜で起きます。

7. アガサ・クリスティーの作品は英国でテレビ・ドラマ化されているのですが、「白昼の悪魔」の映像化に当たっては、このホテルが実際に登場します。


というようなことで、面白いところに泊まり、いい経験でした。


ちなみに、このホテル、戦前は、かなり高級なホテルだったようですが、今では、ややくたびれたリゾート・ホテルという趣きで、さほど高くありません。

お客も、英国の田舎のご夫婦が、話題を求め、海を見ながらゆっくりしにやってきたというお客が多い様子。

それが変わっていることに、ディナーのときは「できればタキシードとイブニングドレスで」というご指定があります。


もちろん我々夫婦はわざわざ日本から持参するほどの熱意は毛頭なく、普通のジャケットとブラウス姿でしたが、10数組のお客のうち、正装でないのは、我々とノルウェーから来たという2組だけでした。

たまたまバーで隣り合った中年のご夫婦は、英国内陸部のノーザンプトンという田舎から来たとのこと。


いかにも結婚何周年かのお祝いでやってきたとでもいった、素朴で楽しそうな・ちょっと緊張しているといった雰囲気のご夫婦。
正装している2人の写真を自分のカメラで撮ってほしいと頼まれて、喜んでシャッターを押してあげました。

実は、『白昼の悪魔』というポアロが活躍する小説を読んでいましたが、テレビは見ておらず、ここが出てきますよという話を上記のノーザンプトンの奥さんが教えてくれました。