3回目、最後のリタイアメント・コミュニティのこと

1. アメリカの高齢者用の住まいについて2回報告しました。

中島さん、フェイスブックでのコメント有難うございます。
「構成メンバーが収入によってセレクトされていて、勤勉と成功を奨励する同じ価値観を共有しているという、安心感と信頼がお互いにあるのではないでしょうか。」
など考えさせられました。
日本の場合は、こういう風に住民が、
(1) 経営とパートナーシップを組んで自主的に運営に参加し、
(2) お互いに交流しあう
という「コミュニュティ」がなかなか存在しないとすれば、なぜでしょうか?
ご指摘のような「同じ価値観を共有する」という状況がないからでしょうか?
私にもよく分かりません。


2. 柳居子さん、アメリカの西海岸で「シニア・ヴィレッジ」に住む方のブログを紹介して頂き、有り難うございます。
人的ネットワークの拡がりに、相変わらず敬服いたします。
この方、4月初めにはるばるニューヨークまで出かけたそうで、ユニクロで買い物をしたなどの話を楽しく読みました。
http://plaza.rakuten.co.jp/mrslinda/diary/201204070000/

3. ややしつこいですが私自身が老人で老後の暮らしは気になるので、以下、「リタイアメント・コミュニティ」で見聞きしたことの雑情報と雑感を記録いたします。

まず、「アズバリー・メソディスト・ヴィレッジ(AMV)」という高齢者用の「ホーム」というか、コミュニティですが、非営利組織で、行政の支援を全く受けず、住民の支出と寄付だけで運営しているとのこと。
そもそも、この国では行政が関わる施設はなく、収入のない人のためのグループ・ハウスも個人や非営利組織が運営しているそうです。

AMVは、もともとは教会の牧師と家族、信者とその家族の老後の住まいを確保するために設立され(アズバリーという名の創設者の牧師さんの像が立っています)、その後、大きな寄付もあって「継続して最後まで介護するシステム」をつくるという方針で、今では教会に関係なく大きくなってきたようです。

寄付と言えば、Tさんの報告によると、年に2回ほど寄付の手紙が来たそうです。
1回は、働いているスタッフへのクリスマス・プレゼントのため。
もう1つは、Tさんの文章を以下に引用いたします。
「持っていた財産を超えて長生きした人たちを助けるための基金への寄付です。
入居前に資産状況、健康記録などを提出することになっていますが、入居した人がもし支払いが出来なくなっても必ず最後まで面倒を見るという約束事があります。
そのために皆が1年の収入から何がしかの寄付をする(アメリカでは、豊かでなくてもより困っている人への寄付が普通です)というもので、幹事さんに大体の目安を聞いたところ、2500円から2億円の間ということでした!!
上限にびっくりしましたが、要は自分の出来る範囲で、無理をせずと理解しました。

私は、こんな話をとても興味を持って聞きました。
2500円からでいいから、自分の出来る範囲で仲間を助け合う、というのがいいですね。

4. 日本でいま、いわゆる老人ホームに入る人がどのくらいいるか知りませんが、アメリカでも老人の1割か2割ぐらいではないか、ただこれから増えてくるだろう、という話でした。

独り身の高齢者にとっては便利な選択肢でしょう。
また家族のある人は、結構子どもたちが訪問に来ている、という話でした。

Tさん夫妻の場合は近くにお嬢さんの家族が居ますが、7歳のお孫さんが1人いて彼女は、いわゆる「ホームスクール」で勉強しているそうです。
ホームスクールの仕組みを詳しく伺う時間がありませんでしたが、要は、決められた学校に通うのではなく、親たちが自主的にカリキュラムを作って、複数の自宅や決められた場所で学ばせるという「学校」です。

日本ではおそらく不登校の生徒たちのような特別な事情では存在するのでしょうが、アメリカのホームスクールはそういった事情に全く関係なく、親の方針で、自分たちで教える、或いは自分たちで先生を雇って学ばせるという組織が結構多くあるそうです。
独立自尊」の精神でしょうか。
しかも、いつ、普通の学校に転校しても構わないし、高校までこういう形で学ぶ若者もいるそうです。もちろん大学も試験に合格すれば当然に受け入れてくれます。

5. 最後になりますが、日本を離れて不便なことはもちろんいろいろあるが、ということで、前回もウォッシュレットの話をしました。
ウォッシュレットがなぜアメリカや英国で、少なくとも現在まで普及しないか?
というのはそれ自体、興味あるテーマですが
(近々、日本の航空会社が機内のトイレに入れるという噂を聞きましたが・・・)
それはともかく、こんな話も伺いました。
(1) 日本の証券会社は日本株の配当金をアメリカの銀行口座に送金してくれない。
(2) 日本でもらう年金をアメリカの銀行口座に送金してくれない。
(3) 何れも日本の銀行に円口座を持っているという前提で処理しているようだ。
(4) 卒業した大学の同窓会の会報について
・ご主人の某国立大学では海外に住むOBには送ってくれない。
・他方で奥さまの某女子大は海外にも送ってくれる・・・

以上、まことに些細な話ですが、ちょっと面白いと思ったので書いておきます。