映画「折鶴」や防災用品「マルチポンチョ」のこと

1. 前回、広島の原爆で死去した12人のアメリカ人兵士と彼らの遺族とのコンタクトを続けた日本人を取り上げたアメリカ映画を紹介しました。
フェイスブックで柳居子さんから「折鶴」という、やはり広島を取り上げた別の映画の紹介がありましたのでお礼とともに報告致します。


「昨秋の広島国際映画祭の招待作品として、『はんなり』の映画をブロディユースした 曾原ミユキ監督が「折鶴」と云う作品を出展していました。監督の息子と娘を主役にして原爆症で亡くなる寸前まで折り紙の鶴を折り続けた少女を取り上げた作品です」とあります。 http://www.orizuru2015.com/"

紹介されたサイトを開けてみると、この映画、5月末からロスアンゼルスでやはりプレミア上映会をやるという知らせと予告編が載っていました。その後は、学校や平和イベントへの貸し出しを開始する由。

少女の名は佐々木禎子(さだこ)さん、2歳のとき被爆、12歳で白血病で亡くなりました。広島の平和祈念公園にある「原爆の子の像」のモデルで、シアトルの平和公園にも銅像があるそうです。

昨年11月の広島での出展から半年経って、このたびアメリカで上映されることになってよかったなと思います。
監督さんはロス在住の方で、柳居子さんの友人です。京都の祇園を取り上げた「はんなり」製作のときに、同氏が大いに協力したものです。この映画は私も渋谷の映画館で観てブログにも取り上げましたが、よく出来た面白い映画です。
http://d.hatena.ne.jp/ksen/20101124


2. 京都と言えば、熊本大地震について、やはり京都在住の植木さんと電話で話をしました。
同氏は、カスタネットと言う中小企業を経営していますが、社会貢献に力を入れてビジネスとの両立・共存を意図するソーシャル・ビジネス(社会企業)を目指しています。


昨年から、災害用品の販売に力を入れて、その一つに「マルチポンチョ」というオリジナル用品を開発しました。

大規模災害時に手軽に・多目的に使える、使い捨てもできる、簡便なビニール製品です。
金銭の寄付やボランティア支援も大事ですが、何とかこういう品物を被災者のところに届けられないかという話を彼としました。

直接、支援で送るというのはなかなか難しいが、幸いに某市役所が防災の備蓄用に大量に購入してくれていて、それを拠出して現地に送ってくれるようだ、と電話で報告してくれました。


市役所から市役所というルートを使えば何とか届きそうだ、と少し安心しました。
ちなみにこの「マルチポンチョ」について少し補足すると以下の通りです。

「素材のリニアポリエチレンを縦120センチ、横100センチの大きさで張り合わせて、頭からかぶるだけ。
 特徴は左右にミシン目があり、切り離して腕を出せる。そのため、屋外でのトイレ使用や着替え時の目隠し、防寒、雨具用など用途はさまざま」

1枚400円ですが、もちろん熊本大地震のような緊急時には、植木さんのことですから、何とか寄付で応援できないかと考えた筈で、私も「それが可能なら送る費用の応援ぐらいしたい」と思って声を掛けたものです。


3. 要は、老人としては、それぐらいしか出来ないということです。
あとは、老夫婦2人で勝手きままに暮らし、先週は今年初めて、八ヶ岳山麓の田舎に行ってきました。

今年は桜やほかの花が咲くのが例年より早いようです。
いつものように首都高速を高井戸で乗って、中央高速を走り、韮崎で降りて国道17号線を走りました。約180キロをいつも交代で運転しますが、昨年から「高齢者マーク」も前後に貼って、だいたい85キロから90キロぐらいでゆっくり走ります。

それでも、いつまで運転できるかなと家人と話題にしています。
周りの友人にも、運転やめた・車売った、という人が徐々に増えてきました。
我が家の場合、晩春から初夏にかけては田舎の家に行くことが多くなりますので、運転はなかなかやめられません。
最近、留意しているのは以下のようなことでしょうか。
(1) 暇な老人ですから、なるべく空いている平日の昼間を走る。
(2) 都内はなるべく使わず、バスや地下鉄などを優先する。
(3) 夜や雨の日は運転は可能な限りやらない。
(4) 高速道路では、とにかくスピードを出さず、追い越し車線には殆ど入らず、、車間距離に一番気を付ける。


私は、実は、26歳のときにアメリカのテキサス州で運転免許を取り、帰国してそのまま日本の免許に切り替えられました。したがって日本の厳しい試験の洗礼を受けていないので、余計慎重にしないといけないのかなと思っています。


ただ、(長くなるのでこの辺で切り上げますが)長年アメリカや英国や豪州で運転をしてきて、運転のマナーについては、いろいろと感じることもあります。
大昔、テキサスで免許をもらった時に「とにかくハイウェイでは車間距離をとれ」とだけ言われました。

中央高速でいつも気になるのは、車間距離を空けないなあ、あんなに接近して走って、よく怖くないなという感想です。

今回のドライブは、途中、釈迦堂のレスト・エリアに立ち寄りましたが、階段を上がっていくと「遺跡博物館」がり、あたりはこの時期、花桃が満開に咲いていて、それはきれいでした。雪柳や山吹もちょうど盛りでした。


自然は、まことに美しくもあり、まことに残酷でもあります。いつまでも人智が及ばないことにささやかな畏怖を覚えつつ、花見をしてきました。