ブログの表題通り今回は「京都活動日記」

1. 生来の物ぐさで、「変えること」が面倒であまりやりません。「表題倒れではないか」と思われても、いまさらブログの題名を変えるなどご勘弁を願っています。

12月4日~6日、2泊3日でやっと表題らしく京都で活動しましたので今回はその報告です。
紅葉がまだ盛りでしょうが、観光の時間はまったくなく、
親戚の法事と時雨亭文庫の「藤原俊成卿生誕900年記念の夕べ」に出席したほかは、もっぱら人に会い、酒を飲み、賑やかに過ごすことが出来ました。


2. まずは、朝2回の堺町「イノダ」本店でのコーヒーです。
ここでの柳居子さんとの久しぶりに再会については有難くも氏がブログに載せて頂きました。
http://plaza.rakuten.co.jp/camphorac/diary/201512060000/

柳居子さんは、365日朝7時過ぎの開店すぐには、雨が降ろうが槍が降ろうが、ここの円卓に座っている。驚くべきことだと思います。
同氏は同じくブログも365日書いていますが、ともかく、何カ月も逢わなくても「この時間に、ここに行けば必ず会える」、これは地球が太陽の周りを回ると同じく動かぬ真実で、何とも安心感・安定感があります。

座る場所まで決まっていて、円卓の入り口に向かって中央、ここからは入ってくるお客さんがすべて目に入ります。

この円卓は常連さんに限るわけではなく、誰でも座っていい筈ですが、さすがに座りにくい。そこで他が満席でお客が待っている場合も円卓は空いていることが少なくない。

私が朝立ち寄ったのは週末だったので、12月とはいえ混んでいて皆、並んで待っていました。
円卓だけはさすがに日曜日は常連さんも出足は遅く、柳居子さん他1名だけだったので、私は図々しく、先に来て並んでいる数多のお客さんを横目に見て通り過ぎで、同氏の右隣に座り、1時間ほど無駄話をしました。


もちろんその前提としては、「イノダ」自体が、元旦を含めて365日朝7時から開いているという、これまた驚くべき営業方針があります。
加えて、ゆったりしたスペース、余計な装飾がなく、店員さんが変に馴れ馴れしくないという距離感の良さなどがあって、自宅でゆっくりコーヒーを飲んでいる気分になります。
(但し、京都に行く人のために情報を提供しますと、来年1月には店内改修のため3週間ほど休みとのこと。この間は、普段10時開店の三条通支店が7時からやるそうです)


3. 次に、「ミナソラ」というNPOの代表をしている素敵な女性とその顧問・助言役のFさんとの出会いです。

Fさんがアレンジしてくれて、3人で先斗町の「開陽亭」で昼食のあと、木屋町の喫茶店「フランソア」で憩いました。
この「開陽亭」は古くからある洋食屋でいまの主人は(かなり高齢ですが)3代目でしょうか。
私がまだ大学生時代だから50年以上も昔、京都に住む叔父のところに遊びに行って、連れていってくれたのが最初です。
それ以来たびたび顔を出していますがおそらく今回は4,5年ぶり。それでも御主人は顔を覚えてくれていました。
懐かしい店での昼食を手配してくれたFさんの配慮に感謝しました。
その後の「フランソア」も古い店で、昔から京大の先生愛用の場所で知られます。
Fさんも私ももちろん何度も通ったことがありますが、奥の部屋に入ったのはおそらく初めてで、この部屋の壁に小さいながら名画が飾ってあるのにあらためて気づきました。


「これ、本物?」と、まさか本物じゃないよな、と冗談のつもりで訊いたところ、「この部屋の絵は全部本物です」とウエイトレスに言われて、またまた驚きました。
何と、シャガールが2枚、ピカソのデッサンが1枚、等々です。
これが京都でしょう。
NPO「ミナソラ」と和服で来てくれた代表のことを書く紙数がなくなりましたが、この団体については、“NPO「ミンナソラノシタ」応援しています”と題して昔のブログで報告したことがあります。
http://d.hatena.ne.jp/ksen/20140213
なお、Fさんとはその夜は、御池通り高倉上がるにある割烹「松長」のカウンターで2度目、翌日の「俊成の夕べ」とその後の2次会でも一緒でした。
「松長」は享保年間から続いているという、しかし気取らない、ごく庶民的な店でほとんどのお客が常連です。ご主人は10代目、元気の良い明るい若女将は10.5代目と称しています。
この夜はFさんと妙なことから議論になって(彼は私と違って正義派の硬骨漢なのです)、夜中の12時まで粘ってしまい、お店にすっかり迷惑を掛けました。
しかし楽しかったし、久しぶりの京都の出し巻き(「松長」の名物です)、湯豆腐等はため息が出るほどおいしく酒量も進みました。


4.最後に、京都の長年の友人とも会いました。
柳居子さんのブログでも「友人植木力氏のベンチャービジネスの応援の様な事もされていた様だ」と書いてくれています。
特に応援するというほどのことはありませんが、彼は大日本スクリーンという上場企業からの脱サラ組で20年前に?カスタネットを創業、従業員10人ほど、売上数億の小さい会社ですが、創業の時から、つまりまだ赤字のときから、事業と社会貢献との両立、車の両輪として、いわゆる「ソーシャル・ビジネス」を志向してきました。

今年は防災グッズに力を入れる方針で、ユニークなオリジナル商品「マルチポンチョ」を売り出しました。
定価400円と安価で、持ち運びが簡単で、手軽で多目的に使える、ビニールの「ポンチョ」。
「特徴は左右にミシン目があり、切り離して腕を出せる。そのため、屋外でのトイレ使用や着替え時の目隠し、防寒、雨具用など用途はさまざまなため、災害時だけでなく普段使いもできる」とあります。


すでに地方自治体あたりから大量の引き合いがあるようで、来年以降のビジネスの手ごたえを感じているようでした。

彼はなかなかアイディアマン、かつ行動力があり、いろいろな場に顔を出してネットワークを拡げ、アイディアのヒントをつかんでくるのが得意です。
この日は、四国にある小さな企業が売り出して大人気という「おむつ寿司」という商品を見せてくれました。

要は赤ちゃん用のおむつなのですが、おむつの上にいろいろな赤ちゃん用品を寿司の具よろしく載せてこれをセットにして、「お寿司の盛り合わせ」のように見えるのがミソです。
「可愛い」とお母さんがたに人気で進物に盛んに使われている由。
植木さんは、これをヒントにして防災グッズの品ぞろえを考えているようです。


という具合に、いろんな人に会い、古い・伝統ある京都と、アイディアを追い求める革新の京都と、両面を再認識した旅でした。