消えていく渋谷の本屋

  1. 今年も残り少なく、暇な老人もそれなりに慌ただしく過ごしています。

(1) 六本木の国際文化会館で,昔の職場の仲間3人が集まり。

喋るのが目的で、軽食と珈琲4杯で3時間以上。ここは何杯でもお代わりが出来るので助かります。話題は,昔と今の戦争の話。

「コロナ、戦争と続いて、来年は何が起きるか?」、もちろん誰にも分かりませんが天変地異が来ないことを祈ります。

ロビーにはクリスマス・ツリーが飾られ、庭では新郎新婦が写真を撮っていました。

(2) 六本木と言えば、妻と二人で国立新美術館に行き、友人の奥様のキルト展を拝見しました。入口近くに「ヘビ出没注意」の看板があり、「冬にヘビ!」と驚きました。

(3) 英国の娘一家とフェイスタイムもしました。ここもツリーを飾っています。

 

  1. ひとりで渋谷も何度か往復しました。

困ったことに渋谷の「丸善ジュンク堂」が、来年1月末で閉店になります。ショックです。

(1) この本屋は、東急本店の7階全部を占めており、本の種類は豊富で、ゆっくり回るとすぐ1時間ぐらい経ってしまい、楽しい散歩場所です。洋書も,TimeやThe Economistもあります。以前は腰掛もあって、買ったばかりの本を座って眺めることもできました。喫茶コーナーもありました.

 (2) きっかけは、東急本店そのものの再開発です。来年1月末で営業を終了し、同年春に解体し、2027年の完成をめどに、隣接するBunkamuraと一体で、地上36階のビルを完成させるそうです。

ここには外資系の高級ホテルも入り、「日本を代表するワールドクラス・クオリティ(何で英語なんだ!)の複合施設」を目指すそうです。

(3) これに伴い、百貨店も本屋も店仕舞いです。両方とも、「ワールドクラス・クオリティ」の店とは見なされないようです。百貨店は今年55歳だそうで、目下「昭和青春グラフティ」と題する展示をやっています。

 

  1. 渋谷の再開発と言えば、駅近くにあった「東急プラザ」は、5年近くかけて旧ビルを解体し、2019年12月に新しいビルが出来ました。

古いビルの時代は、庶民的な「市場」があって新鮮な魚や野菜などを売っていましたが、消えてしまい、洒落た店ばかりになりました。

 本屋の三省堂もあって、ここも専門書を含めて品ぞろいが豊富でしたが、新しいビルには入っていません。

4.36階の新しいビルには、私には何の興味もありません。そもそも完成が2027年では寿命が間に合いません。

しかし、馴染みの本屋が無くなるのは、とにかく寂しいです。

たまたま、長女夫婦と近くのイタリアンで夕食を共にしたとき、彼らが住む最寄り駅の井の頭線浜田山駅前に、評判の小さい書店「サンブックス浜田山」があると聞きました。

 数は多くないが品揃えが良く、店主の本への愛着が感じられて、本好きの彼らは愛用しているそうです。置いてない本を買うときもできるだけアマゾンは避けて、ここで注文するとのこと。

 地場に密着し、愛される、街の本屋が生き残っているのは嬉しいし、応援したい気持ちはよく分かります。

ただ私の場合、はるばる電車やバスに乗って本屋に出掛けるのは、本屋で散歩、つまり「立ち読みの楽しみ」があるからで、ここはそれにはちょっと小さい。

 行きつけの散歩コースが一つ無くなるのは、寂しいものです。