WHOの新型コロナ緊急事態宣言から2年過ぎました。

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  1. WHOが新型コロナの緊急事態を世界に宣言した日から2年が過ぎ、3年目に入りました。

当初、こんなに長く続くと予想した人が、どれだけいたでしょうか?

 

(1) 最初の1年の動きを、私なりに整理して、「パンデミック2020「ステイホームの中間報告」」と題して、素人雑誌に載せました。

(2)冒頭に、「本誌が刊行される2021年初めにも、状況はさほど変わりないでしょうか?以前の日常に戻っているでしょうか?」と問いかけました。

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書きながら、心の中では、雑誌が人目に触れる頃には、そろそろ収まっているだろうという、今から思えばごく楽観的な気持があったと思います。

 

(3)ところが、ここからさらに1年経った今も、感染者はまだ増え続けています。累計の世界の感染者総数は3億8千万人を、死者は570万人を越えました。

 

  1. 「ステイホームの中間報告」では、

・ 「いまこそ開かれた民主主義が何かが問われています」や、

「真っ先に感謝したいのは医療従事者の献身です」、

「普段あまり日の当たらない方たちにもお礼を言いたいのです」、

といったメッセージを早々に発して世界を感動させたドイツのメルケル前首相、

・ ニュージーランド首相の暖かい国民向けメッセージと同国の迅速な初期対応、

・ タイム誌で政治学者のイアン・ブレマーが「コロナ対応に成功しているベスト10か国」を選び、中でも台湾を「ベスト中のベスト」と評価したこと、

 

などを紹介しました。

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  1. 3年目に入ったいま、何が変わったでしょうか?

(1) コロナ対策はむろん継続するにしても、「コロナとの共存」という言説が増えたようです。

この変化は大きいような気がします。

(2)また、各国独自の対応や国民性・文化の差が見えてきたように思います。

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4.日本でも、身近かなところで、少し規制が緩やかになった事例があります。

 

(1) 例えば、1月末から、部外者も約2年ぶりに、東大駒場の研究所とキャンパスに入れるようになり、昔の散歩コースが復活しました。

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(2)また、「現役と教職員」以外にも、図書館に入れる人が少し拡がりました。一定の資格と年5千円の会費で「友の会」会員になると、入館できます。

私も会員になって、2年ぶりに、図書館で静かなひとときを過ごすことが出来ました。

 

(3)しかし以前に比べて、学生の姿は少ないです。キャンパスを歩く学生も少ない、グランドで野球やラグビーの練習をやっている姿も見かけない。

さらに感染者が増えてくれば、また、現役と教職員以外はキャンパスも図書館も立ち入り禁止に逆もどりするかもしれません。

 

5. (1) 他方で、次女一家が暮らす英国は、制限はかなり撤廃されました。孫娘が通う保育園の学芸会のヴィデオを送ってくれましたが、集まって歌ったり踊ったりしています。

アメリカやフランスも同様のようです。

もちろん欧米だって、また逆戻りして規制が強化されるかもしれませんが、やり方は、必要なら「ロックダウン」で規制する、しかし出来るだけ早期に解除する。

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(2)対して日本は、主に「自粛と同調圧力」で対処し、なかなか思い切った制限解除には踏み切らない。そして、「外国人の原則入国禁止」は他国以上に厳しい。

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6.「コロナと共存」する社会の在り方とは、具体的にどういう状況を指すのでしょう?

(1)東大のキャンパスを見ていると、きわめて慎重な「共存」だなあと感じます。

娘から聞く今の英国は、もっと大胆です。

 

(2)どちらが良いか悪いか。各国固有の事情もあるでしょう。

ただ、英国では、「同調圧力」はさほど強くないようだ、とは言えそうです。

「息苦しさ・住みにくさ」は日本より少ないかもしれない。

コロナとは「誰かが苦しんでいる状態」と考えれば、「共存」には「共助」も含まれるだろう・・・。

そんなことを、図書館にひとり座って考えました。

京都で活躍する人たち

今回は、「京都人」三人を、ご当人の許しも得ず勝手に紹介iいたします。

  1. まずは、いつもコメントを頂く、祇園町会長の岡村さん。

同氏からホームページ(HP)を教えて頂きましたので、覗いてみました。

祇園はええとこどすえ – マナーを守ってもらっておおきに (gionminami.jp)

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(1)まだ完成途次のようで、「現在作成中」とあります。

(2)竜谷大学と京都女子大の学生が協力しています。

 「クレジット」に8名の学生の名前が記載されています。うち2人は留学生かな。名前を記載して感謝を示すのはよいことですね。

 

(3)英語版もあります。

作成の目的が「観光客にマナーを守ってもらいたい」という趣旨だからと思われます。

 

(4)「地元の声」という欄があって、岡村会長と女性が町を代表して喋っておられます。

祇園は私たちが生活している場所。観光地でもテーマパークでもない。だからマナーを守ってもらいたい」という住民の願いが切々と伝わってきます。

 

(5)「舞妓さんが着物姿で歩くのも、座敷に向かう、つまり仕事に行くためで、観光客に見せるためではない」。

「一見さん、お断り」という決まりについても、「なぜ必要なのか?」を丁寧に・納得いくように説明してくれます。

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(6)それだけ、観光客が増えて困っているのでしょう。

祇園はええとこどすえ。だけど観光ならもっとほかにお行きやす」・・・・それが文化や伝統を維持継承していくために大切なことでしょうね。

 

(7)このHP,これからさらに内容を充実していくのでしょう。私としては欲を言えば、

祇園の歴史や文化も伝えていってほしい、

・「一見さんお断り」は十分理解するが、他方で私のような田舎者の庶民が気軽に「祇園がええとこどす」を知る機会を作ってくれると有難い、

などと考えました。

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  1. もう一人は京都検定1級保持者の藤野さん。

同氏の京都御所南にあるお住まいは、2020年に一般財団法人「藤野家住宅保存会」となり、一定時期には一般公開もされています。

原田マハの『美しき愚かものたちのタブロー』と『異邦人』 - 川本卓史京都活動日記 (hatenablog.com)

(1) 前にも触れましたが、この住宅の一部が、昨年末にWowowで放映された原田マハ原作『異邦人(いりびと)』のテレビドラマの舞台に使われました。

Wowowに加入している長女夫婦が録画して貸してくれたので、見ることができました。全5話、5時間の物語です。

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(2)小説は、京都を舞台に、美術を取り上げ、個人美術館や画商や画家の内幕を伝えてくれます。巧みな物語づくりに感心します。四季折々の移り変わりや行事が、美しく、華やかに描かれます。

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(3)テレビドラマも良くできていて面白かったです。私も昔、藤野さんのご好意で、東京から上洛したときに泊めて頂いたことがあるので、懐かしく拝見しました。

ドラマに使われるような家に、いまも住民が普通に住んでいるというのが、いかにも京都らしいなと思いました。

 

  1. 最後は、「イノダの主」下前さん。

(1)最近77歳を迎えましたがいまも現役の理髪師です。

しかも世界の有名人で、ご自分のブログで紹介していますが、理髪の光景を、外国人がブログで発信し、何百万回も見られています。顎剃りの技術に外国人が感嘆しています。

💈 Traditional Japanese Wet Shave by Cool 76 Year Old Kyoto Barber | 下前理容室 Shitamae Barber Shop - YouTube

 

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(2)たまたま昨年末12月27日の毎日新聞に、短歌の読者投稿の中なら選んだ「毎日歌壇賞」の発表がありました。昨年の「最優秀受賞作」は、下前さんを歌ったような作品で、

「接吻をするごと顔を近づけて濃きあごひげを剃りあげてゆく」です。

 

(3)選者の篠弘氏の感想には、「熟達したベテランの理容師は激減してしまった。渾身の力をこめてヒゲをそる人にめったに遭遇することはない」とあります。

篠先生、京都の下前理容室に行けば「遭遇」できますよ。

英エコノミストの「日本特集」,課題先進国日本の未来は?

1.(1) 京都から、祇園のつる居という老舗のお茶屋が作っているカレンダー「祇園浪漫」を送って下さった方がいて、感謝・感謝です。

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(2)つる居は、大学生だった頃に、祇園に住む叔父に連れてってもらいました。

 60歳近くなって京都住まい、叔父はもう世を去り、ひとりで昔懐かしい場所に顔を出しました。

しかしこういう洒落た場所にまったく無縁の田舎者には、度胸もマナーも資金もなく、早々に通うのを諦めました。

 

(3)その頃岡村さんを知っていれば、ご指導いただいたのにと残念です。

 

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2. ところで、また硬い話になりますが英エコノミスト誌の「日本特集」の続きです。

(1) 前回は、「日本は課題先進国である。日本が成功すれば我々の模範に、失敗すれば戒めになる」というエコノミスト誌の指摘を紹介しました。

 

(2) それなら、どうすれば成功できるだろう?

 災害対策、高齢化などの個々の対応では、そこそこ,うまくやっている。

しかし、大きな問題があり、変える必要があるのではないか?

 

  1. 10頁にわたる「特集記事」の結論は、「未来に目を向けよう(The future—looking ahead)」と題して、「若い、ダイナミックな指導者がいれば、もっと良くなるだろう」という小見出しから始まります。

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(1) 問題は、政治が硬直化し、保守化していること。

 

・女性と若者の活躍の遅れ(女性の衆議院議員は1割弱、閣僚の3人。50歳以下の閣僚は  2人、世襲政治家が依然として動かしている)。

・弱者への人権擁護、雇用形態、家族制度をふくむ法体系、移民の受け入れなどで世界の変化に追いついていない。

 

・その理由として、野党が「みじめなほど」弱く、競争がないことが大きい。

・「権力を失う心配がなければ、どこの国の与党でも無責任になる(Without a threat of losing power, any ruling party becomes unaccountable)」、

・そして、「指導者はリスクを取らなくなる」「国民の意識との乖離が生まれる」

 

(2)政治に限らず、日本には若者、女性など優秀な人材がいるのに、活用されていない。

 

➡この二つの弱点(「硬直した中央政治」と「人材が生かされていない)」が、日本が最前線にいるからといって、必ずしも「先駆者」になれるとは限らない理由である。

 

3.しかし、気付かなければいけないのは、

(1) 日本社会とくに草の根レベルでは、既得権力層より速く、変化しているという事実である。政治の世界でも、地方自治体では変化が見え始めている。

 

(2)その結果、高度成長の時代を知らない若者の価値観と昭和世代のリーダーとに大きなギャップが生まれている。

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4.ここからリスクも生まれる可能性があるとして、

 

  (1) 不満やフラストレーションが高まり、分断が広がるリスク、

(2) 誰もが変化を諦め、現状に満足し(complacency)、無目的に陥ってしまうリスク、

といった懸念を表明しています。

―ある世論調査によると、約3分の2が「将来も変わらない」と回答している。「悪くなる」が27%、「良くなる」はわずか9%。

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(3)だからこそ、若い・ヴィジョンを持った、ダイナミックなリーダーの登場に期待しています。

ただ、「令和最初の総選挙は、コロナ禍と将来への不安がある中で国民は安定を求めた。ほぼ無競争と言える選挙では、有権者が何を選んだかははっきりしない」とも指摘します。

 

  1. ということで、エコノミスト誌の見立ては、期待も大きいが,懸念もあるということでしょうか。「日本は世界に共通する課題を学ぶ実験場であり、成功しても失敗しても教訓を得られる」。

 どちらになるにせよ、「日本はもはや “ナンバー・ワン”ではない。しかし、依然として学ぶべきことの多い国である」という、同誌らしい・やや皮肉っぽい言葉で記事を終えています。

日本は果たして、成功モデルを世界に示すことが出来るでしょうか?

 

英エコノミスト誌の「日本特集」

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1.東京は、青空の美しい、しかし朝夕の寒い日が続きます。年を取ったせいか寒さが応えます。

 

(1) 我が家は古い一軒家なので、廊下や階段、洗面所など寒いです。

刈谷さんから、「ドイツは建築基準法で、真冬でも室内は19度以上に保つことが義務付けられている」と教えて頂き、感心しました。

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(2) 冬の厳しいニューヨークで初めて暮らした55年も昔を思い出します。

あの頃からすでに、クイーンズのごく庶民的なアパートでも、室内は暖かく、誰もがTシャツ1枚で過ごしていました。当時からアメリカはエネルギーを使い過ぎていたのでしょう。

 

(3) 他方で、豪州のシドニー暮らしは、暖房も冷房も要りませんでした。

いまは気候変動でだいぶ変わっているかもしれませんが。

 

2.寒い東京で、昨年12月11日号の英国エコノミスト誌がとり上げる「日本特集」を読みました。

(1) この号の論説トップは、「アメリカは何のために戦うか?」で、表紙の写真もこの問題でした。

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(2)しかしメインは、「What the world can learn from Japan (世界は日本から何を学べるか?)」と題する論説と、10頁の「最前線に立つ(On the front line)日本」です。

 

(3)特集記事は、

・「令和という新しい時代(The new era)」

・「外交と安全保障」

・「気候変動」

・「大都市東京」

・「人口動態―高令化と少子化

・「経済」

・そして「日本の将来」の6つを個別に取り上げて分析し、論述します。

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2.ここでは、特集記事に先立つ「論説」を要約します。

(1)「日本は、活力を徐々に失った国、或いは、スシやサブカルが魅力で先進的だがちょっと変わった国という、2つの物語で語られることが多い。

 

(2)両方の見方からは、日本は例外的で、我々にあまり関係ない国と考えがちである。

しかし、それは間違っている。

この国は離島(outlier)ではなく、先ぶれ的存在(harbinger)である。

 

(3)「課題先進国」(advanced- in- challenges country)と呼んでもよい。

確かに、この国の課題は多い。

・第一に日本は自然災害の多い国である。気候変動がこれに追い打ちをかける。脱炭素を目指さなければならない一方で、原発にともなうリスクは大きい。

・第二に、人口動態、高齢化がもっとも進み、少子化による人口の減少も起きている。

・第三に、経済が長期停滞に見舞われている。

・そして第四に、対立・対決を深めている米中のはざまにある国である。

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3.このように指摘したうえで、実はこれらの問題はいまや日本だけではないことに注意を促します。

 

(1) 気候変動もコロナも世界大の問題である。どこの国もリスクとともに生きるすべを学ばねばならないのだと明らかにしたのがここ数年の出来事だった。

 

(2)高齢化・人口減少も同じで、これからほとんどの社会で予想される事態である。

2050年までに世界人口の6人の1人が65歳以上になり、2019年の11人に1人から大幅に増える。中国を含めた55か国で人口減少が予測されている。

 

(3)米中の対立も、日本だけの問題ではないことは言うまでもない。

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4つまり、日本は他の国もいずれ対処せねばならない課題を先取りしているのだ。

いかに生きのびるかの先見性を世界に示す役割を担っている国と言ってもよい。

もし日本がこれらの課題解決に成功すれば、貴重なモデルになり、失敗すれば、日本を真似るべきではないという教訓を与えてくれる。

 

5.いままでの日本は,これらの課題に、まずまず上手にとり組んできた。

例えば、平均寿命は最長を更新し、コロナ対策ではG7の中で、死亡率は最低、ワクチン接種は最高、マスク着用をめぐる争いもない。今では70~74歳の33%が働いていて、10年前の23%から増えた・・・。

 

6.しかし日本にとって、これからの課題への挑戦はさらに厳しいものにある。そのためには現状を変革する必要があるが、それは可能だろうか?

世界が注目する必要がある。

 

 

新年早々、東京は4年ぶりの大雪でした

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  1. 先週の6日〈木〉は東京都内でも,夜まで雪が降りました。

(1)行き帰りに苦労した方もおられたのではないでしょうか。

私は、朝から病院での治療があり、昼前に終わったので、帰るころに小雪が降り始めた程度で済み、助かりました。

 

(2)夜自宅で夕食を燗酒と頂いていたら、ヤマトの宅急便が到着、英国にいる娘からの荷物で、日時指定ではないのですが、こんな雪の中を届けてくれて、たいへんな仕事だなと改めて思いました。

海外からの荷物も年末年始は時間がかかるようで、遅まきながらグリーティング・カードが入っていました。年明けてからのクリスマス・カードの写真で恐縮ですが、添付させて頂きます。

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(3)翌朝は良く晴れて、寒さの中、メジロが庭に飛んできます。いつもより巣箱に入る鳥も多いようです。「食べ物があって、アフガンの子供たちより幸せかも」と妻が言っています。

 

  1. 前回のブログでは、「年齢当てのゲーム」をご披露しました。

何人かの方がトライして頂き、有難うございました。Masuiさんが、「ロジック」を説明してくださいました。さすがです。

――「飲むをaとして、生年月日をbとして、言われる通りにすれば下2桁に「2022―b」が来て、3桁の所に飲んだ回数が来ますから、仕掛けがわかりますね」――とあります。

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3.英エコノミスト誌が選んだ「2022年カントリー・オブ・ザイヤー」も紹介しました。

選ばれたのは、イタリア。候補は他に、サモアザンビアモラビアリトアニアの4国です。

以下、頂いたコメントの一部ですが、たいへん勉強になりました。

 

(1)「イタリアはドラギのあとが全く不明なのでちょっと違和感ありました」、

そして、「決して中国嫌いではないのですが、リトアニアに昨年のcountry of the yearをあげても良かったのではないかと思います。大国に対し筋を通す、今までの歴史を思う時、その大切さを思います」。(木方さん)

 

(2) 「リトアニアは今でこそ小国ですが、中世ではポーランドと並んで中欧の大国だったと習った記憶があります。杉原千畝の「命のビザ」の舞台でもありますね。」(刈谷さん)

 

(3)「バルト三国は常にロシアの覇権に晒されていて、政治干渉や人権問題に歴史的にしっかりした覚悟が出来ていますね。カントリー・オブ・ザイアーに選ばれている国々は我々には思いつかない国がほとんどですね」(Masuiさん)。

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4. 7日(金)の「世界のトップニュース」。今年初登場のデヴィッド・マカティアさんは、「2022は、英語の読み方によっては、“2020 two“となります。「コロナの年がまたくるかも、と心配になります。そうならないことを願います・・・・」と、例によってジョークを飛ばしていました。

 今年はほんとに、どんな年になるでしょう?昨年12月の英エコノミストが長文の「日本特集A special report on Japan」を載せています。なかなか面白く読んだので、できれば次回ご紹介したいと思います。

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5.最後に今年初めての俳句をご披露します。

(1) 中高の同期生の有志がメールの句会をやっています。目についた句を3つ、勝手にご紹介します。今月の「兼題」はタイミングよく「初雪」

  • 「初雪を愛でて盃(さかづき)重ねおり」(岡田さん)
  • 「初雪や水面に映る薄化粧」(桝井さん)
  • 「年賀状書く筆止まる友訃報」(中神さん)

 

(2) 読書会の若い友人からは、自宅の窓から初雪を眺めながら、「次の一句を景に添えたいと思います」として、

  ――春雪三日祭の如く過ぎにけり 石田波郷――という句を以下の評とともに紹介して頂きました。これまた勝手に転載致します。

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――『酒中花』(昭和43年)所収。上五が字余りであるが、読んでみると、「春雪三日」は「シュン・セツ・ミッ・カ」と撥音が弾むようなリズムを刻んで、思いがけない春の雪を嬉しいものとして受け止めた作者の心持ちがまず伝わってくる。作者は病と縁の深い一生を送り、療養俳句に新しい時代を築いた。(正木ゆう子)――

 

年齢当てゲームと英国エコノミスト誌が選ぶ「カントリー・オブ・ザ・イヤー」

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  1. 今年もよろしくお願いいたします。

前回のブログに頂いた刈谷さんのコメントによると、ドイツではクリスマス・ツリーを1月10日ごろまで飾っているそうです。英国の娘の家もまだあります。飾り始めるのも早いです。

 日本の松飾りの時期は短いですね。

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  1. 年の初めでもあり、まずは「貴方の年齢あての数字ゲーム」で遊びたいと思います。

 

(1) あなたは、週に何回、お酒を飲むか?あるいは、(例えば「イノダ」の)珈琲を飲むか?
・・・・1回以上10回までの「数字」を選んでください。

 

(2)選んだ「数字」を2倍してください。

(3)その「数字」に5を足してください。

(4)その「数字」に50を掛けてください。

 

(5)もしあなたが、今年の誕生日を迎えていたら1772を、まだだったら1771を「(4)の数字」に足してください。

(6)あなたが生まれた西暦年の数字(4桁)を「(5)の数字」から差し引いてください。

(7)すると、3桁の数字が得られる筈です。

最初の数字は、あなたが選んだ、お酒を,あるいは珈琲を,飲む回数です

そして、次のつの数字は、・・・・・・あなたの年齢です

ピンポーン!

 

―――以上、お粗末様でした。

(注―なお、(5)の数字1772 と1771は来年になると1つ加える必要があります。念のため)

 

  1. 晦日に、英国エコノミスト誌の「2021年のカントリー・オブ・ザ・イヤー(今年いちばんの国)」と題した論説を読みました。

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(1)この選択が特徴的なのは、「この1年間で、目立って良くなった国、世界を明るくさせた国はどこか?」に注目していることです。特に「民主主義を進めた国」に注目します。

 

(2) そのせいもあるか、小さい国が選ばれることが多いです。

昨年の「2020年の国」は、アフリカ大陸南東部にある、人口15百万人のマラウイ(Malawi)共和国です。私は初めて聞く名前で、何の知識もありませんでした。

他に候補として、ニュージーランド、台湾、アメリカ、ボリビアの4か国を選びました。(台湾を“country “of the yearの候補に入れているところがThe Economist らしい)。

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4. 2021年はイタリアです

 マリオ・ドラギという前の欧州中央銀行総裁が、コロナ禍のさ中の2020年2月首相になりました。連立政権を率い、不安定が売りものだった同国の政治を安定させ、経済も回復させ、EUの優等生になりました。

 

  1. 他に候補になったのは以下の4か国で、相変わらず私は名前を辛うじて知っている国です。

 

サモアー南太平洋にある7つの小島からなる、人口約20万人

モルドバー東欧にあり、ルーマニアウクライナに接する、人口400万。

ザンビアーアフリカの南部に位置する、もと英国領北ローデシア。17百万人。

リトアニアバルト三国の一つ、人口280万人

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特徴的なのは、

(1) なるべく小国を選ぼうとする。(170年以上昔に発刊された時からの、同誌の理念であるリベラルな姿勢を感じます)

(2) 独裁的なリーダーを追い出して、民主化を進めた国が多い。

(3) 4か国のうち3つは、女性の大統領ないし首相である。

 

(4)リトアニアについては「民主主義の価値を世界に示した」と、とくに高く評価します。

 ご存知の方も多いと思いますが、昨年、中国との関係が悪化し、ついに大使館を北京から引き上げざるを得なくなり、注目されました。

  同誌は同じ号の「中国」欄でこの問題を別途取り上げています。リトアニアが大国中国の政治的介入や人権政策を強く批判し、台湾との接触を深め、これに中国がむきになって対抗する動きを「小国をいじめる(Bullying small countries)」姿として捉えています。

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6.イタリアを別にして、他の4か国、私は行ったこともないし、殆ど何も知りません。

しかし、いまの日本には、40年前の岡村さんのように見知らぬ異国を夢見て、こういう国々を旅する若者がいることでしょう。

今年の「メサイア」と「サンタはいるの?」

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1.朝の散歩に、2年前までの定番コースが復活しました。

コロナで閉鎖中だった東大駒場キャンパスと付属研究所が先週から、またもとのように開放されました。

静かなキャンパスを久しぶりに歩きましたが、銀杏の紅葉も散りました。

残念ながら、図書館には、現役の学生と教員以外はまだ入れてくれません。

 

  1. 豪州のシドニーからクリスマス・カードを頂きました。

南半球は夏の盛り、サンタクロースも暑そうです。

自宅に飾った小さなサンタ君の写真を送ってくれた方もいます。

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3.今年は、年末恒例のヘンデルメサイア」を聴くことが出来ました。

(1) 青山学院大学の合唱団&オケによる「オール青山」の「メサイア」です。

昨年はコロナで中止、今年は2年ぶりの開催となりました

 

(2)コロナ対策は、

・聴衆は席を1つ空けて座り、

・舞台上の合唱団もオケも、人数は例年よりずっと減らし、管楽器を除いてマスク着用。

ソリスト(独唱者)は自分の歌うときだけ登場し、歌わないときは舞台裏に退場する・・・・

といった完璧さです。

たいへんだなあ、と痛々しい気持になったぐらいです。

 

(3)  聴衆にとっても、3時間強を座席に座ってマスク着用のまま聴くのはくたびれます。

舞台の上の合唱やオケの連中は、本当に疲れたでしょう。

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(4) それだけの苦労をしても、歌いたい、演奏したい、年末恒例の「メサイア」を実施したいという実行委員や皆の思いが伝わってきました。

 今年は例年にましてよい出来だったのではないかと、大きな拍手をしました。

 

(5) 他方で、私が中学生で初めて聴いた、東京芸術大学の「メサイア」慈善演奏会は、1951年(昭和26)年が第1回で、以後2019年まで1回も欠かすことなく上演されました。

その伝統ある歴史が昨年、コロナ禍のなか途切れました。本来なら70回の記念演奏会の筈でした。 

 

(6)今年も昨年に続いて、中止となりました。

学生にとって卒業前の晴れの舞台、とくに4人の独唱者も学生からの抜擢であり、将来のプロの声楽家への登竜門と言われます。

本当に残念な思いでしょう。コロナの災難はいろんなところに及びます。

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3.最後にサンタの話を再び。

12月24日の毎日新聞に,小倉論説委員の「サンタはいるの?」が載りました・

「甘っちょろい」と言われそうですが、いい文章だなと思ったので、以下に一部引用します。

 

(1)「米ジャーナリズムで最も有名な社説は、アポロ月面着陸でも、ケネディ暗殺でもない。ニューヨークの地元紙サンが1897年に載せた「サンタクロースはいるの?」と題する社説だ」と始まり、以下のように続きます。

 

(2)8歳の少女バージニアから、編集部に手紙が届く。

「友だちがサンタクロースはいないと言います。本当のことを教えてください」。

 

(3)これに論説委員が答えた。

<友だちがまちがっているよ。きっと見たことしか信じられないんだね>

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(4)人間がわかっていることは限られていると論説委員は説き、こう続ける。

<実はサンタはいるんだ。愛や思いやり、いたわりがあるように、サンタもいる。そういうものがあふれているから、人は癒される。サンタがいなかったら、さみしい世になってしまうよ。>

 読者からの要望を受け、サン紙はその後、クリスマス前に毎年、この社説を掲載する。

 

(5)そして、小倉氏はこう続けます。

――日雇い労働者の多い大阪市西成区の「あいりん地区」で炊き出しをするグループにはこの時期、普段以上の米やみそが届く。クリスマス会を計画する「子ども食堂」も多い。

せめてクリスマスや正月くらいは、ひもじい思いをしてほしくないと考える人々の善意である。

サンタは健在なのだ。・・・

 

(6) 手紙を書いたバージニアは教師となり、1971年81歳で亡くなった。今年で50年になります。

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4.今日はクリスマスの翌日、英国や豪州では「ボクシング・デイ」と呼ばれ、祝日です。昔はエッセンシャル・ワーカーに贈り物をする日でした。

 

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。