ksen2006-01-04

我善坊さん、格調高いコメント有難うございます。合併の企業文化については、コメントに触発されてさらにフォローしたいと思います。その前に、我善坊さんにもぜひブログを開設していただきたいというお願いを一言。私の場合、自分で始めたわけではなく、今でも、いつまで続くやら、と不安にかられながらPCに向かっており、その意味からも仲間が増えれば嬉しい限りです。
ということで・・4日、三菱東京UFJ銀行は賑々しく営業を開始しました。写真のテープカットはお二人とも旧三菱の方です。しかし私は、まだ昔の銀行のこと、企業文化、そこからさして遠くないところにあるであろうCSR(企業の社会責任)について考えています。たまたまネット百科事典ウィキペディアで「東京銀行」を引いたところ、けっこう長い解説があり、こんな文章もありました。
「旧東銀では、保守的な日本の銀行界にあって女性の登用が比較的進んでいたと言われ、女性が本店営業部長を務めたこともあるが、そのカルチャーが現在の三菱東京UFJ銀行にも残っているかは疑問である。実際、比較的リベラルな社風と言われた同行の旧従業員の中からは、合併後、旧三菱銀行権威主義的・官僚的社風になじめず、外資系金融機関や国際機関などを中心に、転出・転職者が相次いだのも事実であり、現在では外資投資銀行の幹部等として活躍している者も多い。」
これ、けっこう事情のわかっている人が書いているなと面白く読みました。私だけではなく、他のOBの感覚ともそんなにずれていないと思います。そして女性から聞いた、2つのコメントを思い出しました。
1つは、ある現役の女性から合併直後に聞いたコメントです。「何が懐かしいといって、つまらぬことなのだが、例えばエレベーターでたまたま銀行のえらい人と乗り合わせてしまったようなとき。昔、副頭取だった某さんと乗り合わせて、同じ1階で降りるときに「お先にどうぞ」とにっこり笑って譲ろうとされたことがあったが、それが当たり前の文化が旧東銀にはあった。いまはもちろんえらい人が優先、だいたいそんなえらい人とはエレベーターが違うし、ほんのちょっとえらいだけの人でもそんな事態は想像もできません」
些細なことだと思われるでしょうが、些細なことにこそ文化の根っこがあるのでしょう。もちろんどちらがいいか悪いかということではなく、逆に「だから、東銀はキザなんだ、バタくさい」という悪口も当時からたくさん聞きました。
もう1つのコメントは、別の、もう退職した女性から数年前に反論された思い出です。昔の仲間が集まったときに私が、得意になって、旧東銀は女性の登用が進んでいたと百科事典に書いてあるようなことを発言したところ、件の女性に大いに反論されました(この、誰にでも反論できるというのも1つの文化だったと思います)。
男性はみなそう思っているらしいが、女性からすればやはり差別には大いに不満があった、同期の男性に比べてどうしてこんなに差がつくのか?と憤慨していた、というのです。
彼女は銀行の女性の中でもかなり処遇されており、むしろ満足して退職したのではないか、と私は勝手に想像していただけに、このコメントにはびっくりすると同時に、自らの不明も恥じました。まあ、タテ社会の人間関係・男性優位の企業文化が相変わらず変わっていないと思われる、日本の企業の中では、当時の旧東銀のシステムははるかにリベラルだったとは思います。それでもやはり、女性から見ればまだまだだったんだなあ、と自らの理解の浅さを反省したことでした。
以上、今回は新年早々でもあり、初めての方からコメントも頂き、当方もまことに長文になりました。ご容赦ください。