ksen2006-03-02



今年が始まったと思ったら早くも3月、あっという間に新学期が始まります。
このブログは昨年10月に開始したので、6ヶ月目に入りました。その間、70回を越える
文章を書いており、読む人も少ない割には頑張っております。まあ、無駄な努力かもしれませんが、そのうちの3つは、その後、ささやかな原稿料を頂いている連載エッセイの文章の素材に使用しましたので、まあいいかな、と自分では納得しています。しかも、これだけの情報をサイトに掲載するにあたって、私の金銭的な追加コストがゼロだということ、これは驚くべきことですね。これが、ウェッブ社会の本質であると言われ、あらためてその特性を再認識しました。


それと、これをきっかけに私自身、ブログひいてはウェッブ社会を考える大きなきっかけになりました。もちろん、ネット社会に対して、自分は全く関係ないよという生き方もある訳で、それはそれで一向に構わないでしょう。しかし、いったんこの社会にアクセスした以上、その本質や特性やこれからどこに向かうのか?といったことを知ったり・学んだりするのは興味深いものです。
思えば、インターネットが注目されるようになってまだ10年ちょっとしか経っていません。村井 純氏の『インターネット』(岩波新書)の出版が1995年11月。当時、例えば以下のような文章を読んで、ネットの思想みたいなものに触れて新鮮に感じた記憶があります。

トップダウンで決められたストラクチャーではなくて、ラフなコンセンサス。みんながバラバラに生きていても、ゆるやかなコンセンサスがあればだいたいうまくいく、ということです。インターネットの設計思想はこのとおりです」(44頁)
「インターネットがコミュニケーションにもたらしたもう1つのブレーク・スルー(突破口)(略)は、誰でもがコミュニケーションの主体や当事者になれるということです」(102頁)



それが今では、例えばブログを例にとると、実に世界で2千8百万件以上のブログが存在し、しかも毎分(!)56件の新しいブログが立ち上げられているとのこと(フィナンシャル・タイムズの記事を要約してくれた canaryldnさん による)。


因みに、Newsweek国際版2月27日号(写真)は「Beijing Vs. Bloggers (北京対ブロガーズ)」という表題の特集記事で、ブログを通して意見を表明する、特に若い市民が、中国で急速に増えていること、そして政府の規制の目をくぐって社会や世論を変えつつあることに触れています。上記FTもcanaryldnさんによると「情報が抑圧されている国々における(ブログの)重要性」について触れています。
また、Time 誌2月20日号は「Inside The Google Empire(グーグル帝国の中を覗く)」の特集で、ウェッブ社会の牽引役であるグーグルの紹介です。

そしてこの会社がどれだけ凄い会社なのかについては、最近「京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク(ケーセン)」の若い仲間が勧めてくれた、『ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まる』(梅田望夫ちくま新書)という刺激的な本から実に多くのことを学びました。
できれば次回以降にお伝えしていきたいと思います。