ksen2006-08-06



皆様どうも、いろいろお騒がせした上、お見舞いのコメントまでいただき、まことに恐縮です。

皆様も健康にはくれぐれもご留意ください。
今回、友人の医者からも「自分が考えているほど、もう若くはないんだからね!」としかられました。まあちょっとさびしいけど、年相応にやっていくということですかね。


それと、たしかに、machidaさんが言われるように、「体は原因を知っている、その声に耳を傾ける」というのは大事なことですね。めまいですか。十分お大事に!


ところで、10日も入院していたのですが、病室では体調のせいもあって寝てばかりということになってしまいました。ただし、一部の方からもアドバイスがあったように、本も多少は拡げました。
こういう状態のときは、とうぜん仕事に直結する硬い本は無理で、内容がある程度分かっているものや、再読なんかがいいように思いました。


読み終えたのは、『ローマ人の物語14巻キリストの勝利』(塩野七生)です。
年に1冊ずつ、このところ年末に刊行されるのですが、昨年も夏休みにゆっくり13巻『最後の努力』を読みました。今回も昨年末に買って、大事にとっておいたものです。


塩野さんについては、読者の好き嫌いが分かれるようですが、私は愛読しています。とくにあと1冊で終わることになる(つまりローマ帝国が滅亡することになる)『ローマ人の物語』はこれで14年間も(塩野さんもそうでしょうが、私も年をとるはずです)毎年1冊ずつ楽しく読んできました。

中でも、今回の14巻とその前の13巻の2冊は、本シリーズのテーマの1つ(多神教からくる寛容を根幹の価値観にすえるローマ人とローマ精神が、なぜ帝国末期になって、一神教キリスト教を受け入れて国教化するまでになってしまったのか?)を
取り上げていて読み応えがあります。


自らを多神教の徒と称する塩野さんが、ローマ帝国に強い関心と親近感をもつのは当然でしょう。
ただし、「キリスト教徒のローマ史学者に、ローマ精神の真髄への肉迫は可能なのか?」という問いかけには、本著作にかける彼女の自負と同時に気負いをも感じて、ほほえましくなってしまいますが・・・・