十字峡さん、たいへん遅くなりましたが、拙文をお読み頂き、有り難うございました。

前にも書いた、卒論の指導に追われており、昨日の金曜日は午後9時ごろまで演習室に居りました。週末も出勤予定で、まさに師走でしょうか。


12月8日(土)京都で中高の同窓会に参加しましたので、記録に残しておきます。麻布という6年制男子校です。私の入った頃はそれほど難しい学校ではなかったと思います
(何せ、1年先輩に、安部譲二が居ます)。いまでは進学校として知られるようになりましたが、「自由でのびやかな校風は、開校当初から変わらぬ麻布の持ち味だ」。


同窓会については、昨年初めて出席した模様をブログに書きました。

今回も東京から駆けつけた校長先生の現状報告からです。

1. 発売されたばかりの月刊「現代」1月号が取り上げている。「名門校ライバル校物語」という連載シリーズだが、今回特徴的なのは「特別版」として1校だけ取り上げていること。つまり、麻布には良くも悪くも比較するライバルがいない。

2. 麻布がいまあるのは、創立者江原素六(氏については前のブログに書きました)と昭和45年の学園紛争の2つ。前者については、「それ(自由闊達な校風)は江原素六の人柄や思考と深い関わりを持っている」。後者は、校長代行の独裁や不祥事に端を発して学生が立ち上がった事件で、38日間におよぶロックアウトという最悪の状態にまで至った→人も組織も難事を克服して成長する。あるいは、生物は「カオス」を経て進化する。


3. リベラルで自由放任の校風は変わらないが、それだけに問題も起こす。委員長を含む実行委員の学生が、直前に六本木のバーで酒を飲むという不祥事があって、今年秋の運動会が中止になった。保護者の中には「どうなっているんだ。厳しい処分を!」と騒いだり、心配したりする人がいる。しかし私は、実は本音では不祥事を起こすと「しめた!」と思う。ここで、何がいけなかったか、徹底的に自分で考えさせる・・・そうすれば将来、某・前事務次官のような人間にはならないのではないか。彼らは中止になったあと、自主的に1週間ほど早朝、校門の前に立って登校する生徒に1人1人謝っていた・・・


最後に例によって、麻布の誇りは、卒業生にあると大いに持ち上げてもらいました。


もちろん私のような平凡なのが多いとは思いますが、最近は現首相を始め政治で活躍している人が目立ちます.しかしそれだけでなく、(むしろ、この方が私の好みに合いますが)学問などいろんな分野(例えば誰か知りませんが、「笑いの世界でも」と校長は言っていました)で幅広く頑張っているのが、ここの特徴のようです。


「麻布人」のスタイルを嫌う人がいることも事実です。
「名刀(かどうかはともかくとしても)をなまくら(鈍刀)のごとく装う小粋でやや屈折したスタイルが、麻布生を他の進学校の生徒とはひと味違った”チョイ悪”に引き立てているのである」(「現代」のレポートから)。


「マイペースな人が多いような印象を受けますね」という、卒業生の1人である谷垣代議士の言葉を同じレポで引用していますが、たしかに「マイペース」という点では、私も、卒業生の資格があるかもしれません。

いつか「社会起業家になる!」という若者も出てきてほしいものです。