昔も今もユニークな学校「麻布」

今年の夏は、暑さと節電とを日々の暮らし中でどう折り合いを付けていくかが1人1人のテーマとなりそうですね。

節電が、社会の良い方向に向けての一歩になるとよいのですが、あまり向きにならない、真面目すぎない生き方というのもエネルギーの節約になるのではないかと勝手に思っています。

1.というのも私事ながら、私が通った中学・高校は「真面目すぎない」「ユニーク」な学校だったなと改めて感じているからでもあります。

母校を思い出したきっかけは、今月の日経「私の履歴書」に登場するジャズ・ピアニストの山下洋輔が2年後輩のようで、彼が2回母校について書いていて、その思い出話が同級生のメール・チャットでも盛り上がりました。

同氏は中学2年から編入したそうですが「この学校はとびきりユニークだった」
「名物先生がずらりそろっていた」・・・・等々。


生徒もさまざまなら、面白い先生も多かった、授業中歌を歌ったり、日本史の授業で黒板に絵ばかり描いたり、制服姿の生徒に連れられてジャズ喫茶に行ったり、自宅からクラシックのレコードを持参して聴かせてくれたり、いろんな人が居ました。


2.先生はほとんど全員あだ名で呼んでいたので、懐かしい「あだ名」もたくさん日経紙面を飾りました。

「ハリパン、ワット、チャボ、スポイト・・・」等々、何れも本名を思い出せません。

中に「オチン」という歴史の先生が居て、下品な話で恐縮ですが、
あだ名の由来に2説あって、
1つは若いときにチョンボがあったときに「サルマタ」というあだ名の先輩先生に助けられたから・・
も1つは、生徒指導の担当で、毎朝、遅刻する生徒も見張るために校門の前に立っていたから・・・

今だにどちらが正しいか、卒業生の間でも結論が出ていないようです。


3.昔々、友人の母親から聞いた話も思い出しました。
保護者会に出掛けたが、お知らせを忘れてしまって教室が分からない。息子から担任の名前は聞いていたので、廊下を通る学生の1人に先生の名前を言って教室を訊いたところ、「ああ、オチンですか」と即座に連れて行ってくれた。後でそれが本名ではないと知って何とも恥ずかしかった(息子は担任のあだ名しか母親に話してなかったのだ・・・・)



4.山下洋輔はすでに高校時代からプロのジャズ演奏をやっていたそうですから、特別の才能なのでしょう。

しかし、先週の日曜日(私事ながら孫が在校生なので)、第64回麻布文化祭を見に行ってきました。


1教室を使って、管弦楽部が「名曲喫茶」を開いており、部員のピアノやバイオリンの独奏を聞きながらお茶やクッキーを頂くという趣向です。

フルートの演奏もあり可愛い少年がバッハのソナタの出だしを上手に吹きました。全員なかなかの演奏で感心しました。

そうかと思うと、「コスプレ喫茶」では、女子高の制服を着た男の子がコーヒーを運んでくれました。

男子校だからある程度自由奔放も可能なのでしょうが、やはり校風もあり、校長自ら「多少羽目を外してもいいから麻布らしいユニークな催しをやれ、マンネリはやめろ」という考えだそうです。


5.この文化祭、例年は5月の連休に開催されて3日間で3万人も入るという人気イベントだそうです。

今年は震災の影響で6月末に延期。延期実施を知らない人もいたようで、いつもの3分の1以下の入場者に終わったが、学校側は減って安心したとのことで、何せ狭いキャンパスなので例年、入場制限をしたり、何か事故が起きないか、大いに心配するそうです。

毎年やっている「教師演芸会」が今年は中止になったのも減った1つの理由ではないかという話も聞きました。
これは例年の人気ナンバーワンの催しで、何時間も待たないとは入れないそうです。


麻布の名物先生はまだまだ健在のようです。


まあ「平和な日本」と言ってしまえばそれまでですが、とかく進学校のイメージが強い学校ですが、実は真面目に勉強している学生はむしろ少数派。

いまもそうだということに、怠惰な卒業生としては大いに安心した次第です。
自分のペースで日々を送り、効率や成果一本やりでなく、無駄なことにエネルギーを分散することも大事ですよね。