真夏のローマ旅行

士論汝さん情報有難うございます。
日本でも写真撮影OKの美術館があるのですね。
私は、法律か何かで全て禁止されているのかと
思っていましたが、安心しました。レプリカだけでなく本物も許してほしいものです。

日本が規格外がどうかは分かりませんが、
異常に便利で正確で厳密な国であることは間違いないようです。異国に永住するということは
不便さ・いい加減さに耐える覚悟が必要で、
ご指摘の通り、私にも自信がありません。


いい加減といえば、南欧イタリアはその典型でしょうね。

週末、娘夫婦と4人でローマまで足を伸ばしました。

以下、駆け足の雑感です。


1. 青空と暑さ

日本に居たら珍しくありませんが、イギリスの、雲の多い・晴れたり曇ったりという国からやってくると、どこまでも深い青空が印象的です。
それと、湿気はないが暑い。和辻哲郎を持ち出すまでもなく「風土」が国民性にいかに影響するか感じます。


テルミニ駅からホテルまで1回だけタクシーに乗りましたが(あとは地下鉄で移動)、運転手の陽気なこと。「ウンポコ(少し)」の英語しか話せないといいながら、訊きもしないのに道中しゃべりまくり、途中に必ず「オオ・マンマ・ミーア!」を入れる。これ直訳すれば「私の母親!」ですが英語では「オオ・マイ・ゴッド!=「何とまあ」という嘆きの詠嘆詞だそうです。

ベルルスコーニ(スキャンダルで話題の多い首相)、オオ・マンマ・ミーア!」という具合。

2. 石畳の道

街中のどこを歩いても、石畳の道というのは、印象に残ります。

道路の補修など、不便だろうなと思いつつ、他方でローマ帝国の時代、こういう石畳のアッピア街道をローマ軍団が行進していたのだろうと過去の栄光に思いを馳せたりしました。


3. チャイナ・パワー

これはロンドンも同じですが、中国人の観光客の多いこと。これが20年前との最大の違いではないかと思う。その分、日本人を見かけない。

ひょっとして日本人は、ロンドンやローマ詣での段階は終わってしまって、もっと珍しい観光地に移っているのかもしれませんが、このチャイナ・パワーには圧倒されます。

彼らの多くが団体で来ているからということもありますが、数で言うと、日本人観光客の10倍以上ではないか、その存在の大きさが印象的です。大げさに言えば、写真を撮ろうとすると、その先に必ず中国人が入ってくるという感じ。

ヴァチカン美術館に入るのに1時間ほど並びましたが、行列にも中国人が多い。


それと気がついたのは、皆さん、比較的おとなしいというか行儀がいい。
昔の日本人の団体さんの方がもっとやかましかったような気がします。


4. 観光と食事

これについて書いたらきりがないので、省略しますが、2回の夕食と2回の昼食をすべておいしいイタリア料理(主に、ごく庶民的な場所で)とごく庶民的な白ワイン(フラスカティなど)を楽しみました。

1回はちょっとましな、きれいな庭のレストランで夕食。ここでの
ビーフ・タルタル」はまことに美味でした。

夕食は早くても7時半からオープン。9時ごろになると満員になって夜遅くまで賑やかです。宿が、スペイン広場のすぐ近くなので、歩いて帰りましたが、広場は涼を求めてくくつろぐ人たちで一杯。
写真は午後11時過ぎの光景ですが、京都鴨川べりに男女の若者がそれぞれに座っている夏の風物詩を思い起こしました。

5. 最後に、旅に失敗はつきものという話しです。

海外旅行は、100%順調に行くということはなく、少々のハプニングならつきもので、これがあるから思い出に残るという面がありますね。


ローマでは、妻がスリにあいました。

2人で朝食後、トレビの泉まで出かけ、地下鉄で「スペイン広場」からたった1駅の間です。

乳飲み子を抱えた母親が2人、子どもが2人計4人が一緒に乗ってきて、いかにもジプシーらしい風貌。女の子が入り口近くに立っている私に身体を寄せてきたので、これはおかしいいと思って私は、ズボンのポケットの財布を手で押さえました。


妻にも注意しようと思ったのですが、割りに混んでいて、反対側の入り口近くまで離れてしまい、大声を出すのも憚れたのでそのまま次の駅で降りて、「財布は大丈夫か?」と確認したところ、案の定盗られていました。


小さなリュックを背中にしたままでそこから抜き取られたものです。
まことに幸いなことに、財布を別々にしていて、パスポート、クレジット・カード、ポンド現金を入れたのはそれぞれ奥に入れてあったので、ユーロの現金しか入っていない財布が無くなっており、「不幸中の幸いだよ」ということでほっとしました。


パスポートやカードも一緒だったら、えらいことになった筈です。60ユーロほどの現金の被害で済んだので、まあ仕方ないでしょう。


むしろ彼らの手口、お見事と褒めてあげたくなるし、リュックはしょったままではだめ、カードや現金の分散が大事だの、いろいろと教訓も得た経験でした。