ソーシャルビジネスと「伊吹家のお米」

コメント有難うございます。

1. arz2beeさん、お父上が大大先輩とは嬉しいですね。江原素六の薫陶を
直接うけた人は残念ながら私の周りには居りません。
ご指摘の通り、この学校は、私を含めて優等生でない学生も優等生と同じ、
もしくはそれ以上に懐かしがるという風潮があって、おそらく江原さん以来の伝統
「それぞれの学生にそれなりの居場所があった。成績がいい学生が
特に尊敬されるという雰囲気がなかった」からではないかと思っています。


2. さわやかNさん。面白いですね。

ご指摘の通り「人・情報・・」のオープンな移動が大事ですね。


呼び方は、「原点」「理念」「大義」「ミッション」「建学の精神」「設立の趣旨」
「想い」・・・・と
いろいろあるでしょうが、どんな組織であっても構成員がそのもとに結びつく
「哲学」あるいは「錦の御旗」あるいは「コンセプト」が必要であって、
国家であれば憲法、というのは自明の理と
思っていたのですが、そういう意識が必ずしも「自明」ではないということが
分かって、当方も勉強になりました。


3.「錦の御旗」というと少し皮肉っぽい言い方になりますが、いま「ソーシャル」
という形容詞が一種の「錦の御旗」になってきたのかもしれません。

「ソーシャルイノベーション
ソーシャル・エンタープライズ社会的企業)」
「ソーシャル・アントレプレナー社会起業家)」
「ソーシャル・ベンチャー」等々
中でもいまは「ソーシャルビジネス」を経産省が支援していこうということで

この週末には六本木ヒルズ(いま、通りは飾り付けできれいです)
http://www.socioengine.co.jp/seg2010/
ソーシャルアントレプレナー・ギャザリング −感動を生むビジネスが
社会を変える」と題して日本初の経済団体「ソーシャルビジネス・ネットワーク」の
設立総会が開かれ、我らKSEN(京都ソーシャル・アントレプレナー・ネットワーク)の
仲間・植木力さん(株式会社カスタネット)も理事の1人として参加します。


この会合、関心はありますが、参加費が1万円だというので年金生活者には
身分不相応と敬遠。


3. 代わりに、12月1日立教大学で開催された
「ソーシャルビジネスの成長戦略とイノベーション」(同大学大学院21世紀社会
デザイン研究科主催)というフォーラムを聞きに行きました。こちらは無料。


内容は省略しますが、アメリカやインドの事例紹介もあり勉強になりました。
旧知のコロンビア大の準教授(ソーシャル・ワーカーとしての実経験もある)
も講師の1人でコメント
(非営利とビジネスとをつなぐ可能性について)もありました。


キャンパスは、ちょうどクリスマス・ツリーが点灯されたばかりでした。



4. 以下は「ソーシャルビジネス」に該当するかどうか分かりませんが、
最近、滋賀県に住む某さんから、とつぜん、

「伊吹家のお米」

というのを送って頂きました。有難うございました。

このお米、もちろんおいしいですが、「コンセプト」がとてもいいです。

(1) 写真のように、お米の入っている包装が凝っている。
送り主のアイディアかもしれないが、私の似顔絵らしきものもあり、
容量は5550グラムで「ゴー、ゴー、ゴー!」とのこと。

(しかも包装の紙も質素なのがよい)

(2) メッセージ:伊吹家のお米は
「あんしんをCOME  る
あんぜんをCOME   る
おいしさを COME  る」

(3) 説明書きによると、    
滋賀県米原市伊吹山山麓で50人の若者が、伊吹生産組合を結成。
環境に負荷をかけない工夫をし、有機質の堆肥で良質の米をつくっている。
草刈り、田んぼの管理等も共同して行っている。
品種は「コシヒカリ


ちなみに環境循環型社会のモデルケースとして、米原市では農業集落排水汚泥
を再利用し、各家庭で出た生ごみや、牛フン、もみ殻等をまぜて発酵させて
堆肥をつくっている。・・・・・・」



(4)強い「想い」があって
・若者の農村離れが広がり、伊吹地区も例外ではない
・農業の将来の担い手不足が深刻に懸念される。
・何とか、若者ができる農のスタイルを創造していきたい


ということで、
「地元の若者に農の魅力に気づいてもらいたい、
そんな想いをこめて「伊吹家のお米」をお届けします」とあります。
「50人だからこそつくれるお米。50人みんなが家族のようなもの」とも・・・・


5. これをソーシャルビジネスと呼ぶかどうか、ネーミングはどうでもよいと
思いますが、応援したくなる活動ですね。
「想い」が大事、「理念」が大事という一例ではないでしょうか。



6. そう言えば、冒頭に戻って、日本国の「理念」「想い」が憲法にあるとして
具体的には何か?


もちろん人によって意見があるでしょうが、私は以下の3つと考えます。

(1) 民主主義と自由(憲法前文)
(2) 「日本国および日本国民統合の象徴」としての天皇(第1条)
(3) 戦争の放棄(第9条)

世界広しといえども、当然ながら、この3つを全て「理念」に据えた国家は
日本以外に存在しません。


この「トリプル・ボトムライン」を追い求めることが、
21世紀の国家戦略・未来戦略・想いであろうと思うものです。