フェイスブックとインターネット文化

柳居子さん、さわやかNさん、有難うございます。

1. ユダヤ人=「くいちさん」とは誰がなぜ命名したか?

なるほどさすがgood question で私もよく分かりません。
1960年代、NYの日本人駐在員の間で普通に使っていたと思います。
隠語・スラングの一種なのでしょうが、例えば「ジャップ」あるいは
日本人が昔中国人を呼んでいたような蔑称ではなかったと思います。


人前でユダヤ人の話をしているのが分からないようにする、
それには戦争中、彼らを迫害したヒトラーナチスと枢軸
国であった日本の立場があったのかも・・・・
というのは以下のサイトからの推測です。

ユダヤ人 くいちさん」でグーグッてみたら
こんなサイトがありました。
http://www2t.biglobe.ne.jp/~BokerTov/jewish/j_news11.htm

第2次世界大戦中、ユダヤ難民を船に乗せてアメリカに送った
日本郵船の英断があって、その際社内で言い出したという話で、
そうとすれば上の推測が成り立つような気がします。


2.180万分の1のNさん他SNS(ソーシャルネットワーキング
サービス)に関心のある方へ。

フェイスブックに登録しましたが、まだ何もアクションを
起こしていません。
ブログ、ツイッターフェイスブック
これらの使い分けがまだどうもよく分からないところがあります。
社会起業家』の著者、町田洋次さんのフェイスブック
(友人になりました)を見ていますが、同氏の場合は
ブログの代わりの使い方をしているような気がします。
http://www.facebook.com/profile.php?id=100002034153468#!/profile.php?id=100001953453573


3. 何れにせよ、前回の柳居子さんの「頭脳格差」
今回のNさんの「エリートが社会をひっぱる形」
ともに的確なご指摘のように思います。

タイム誌の記事からはそこが読み取れず、ひたすら「素晴らしい」
と誉めたたえている感がありますが、アカデミー賞の有力候補
映画『ソーシャルネットワーク』を観ると、その辺の雰囲気が
映像から伝わってきます。

「オープン」で「自由」で「多様」で「競争」で「移動
とチャレンジと変化」を重んじ
「努力しない弱者」には厳しい、
「ある種いいかげん」で「楽観的」で「確固とした個」
でありながら「つながっていく」・・・・

こういうアメリカ人の価値観をリードしているのは
頭脳格差のあるエリートなのでしょうね。


フェイスブックハーバード大学学生寮からスタート
したというのは、象徴的で、そこが本サービス大フレークの
1つの鍵があるように思います。


エリートというのは、よくも悪くも、自己責任の意識が強い、
自信があるから他人や政府やリスクをあまり気にしないし、
「ある種のいい加減さ」を大事にする。

しかも、彼らの枠組みに入る他人を信用し(クラブ文化)
それ以外の他人には
慎重(したがって「振り込め詐欺」は社会現象にならない)。

インターネットはこういう文化でいちばん育つのではないか。


インターネットに関して日本人が情報の漏えいや
誹謗中傷や詐欺の被害などに用心深いのは、
実際にそういう被害が
日本に多いということですが、その背景として
エリート社会ではない、だから社会としての
抑制・節度・聡明さが効かない・・・
ということがあるのではないか。


「明治以来の日本社会とは、いまのところ異質ではないか」
の指摘、私もまったく同感なのですが、
そうとすれば、格差社会ではあってもエリート社会ではない
日本のソーシャルネットワーキング
どういう方向をたどるのか?
2ちゃんねる」的、ポルノ情報的な悪貨を徹底的に
排除して、日本的な良貨を
生み出すことが出来るのか、非常に興味をもっています。


4. 日本的「インターネット文化・社会」の未来
について興味を持っていますので、先日
京都文教大学での集中講義でIT産業とともにこの点を
取り上げました。


その際紹介したデータについて最後に触れることにします。

20億人のインターネット人口。

うち、日・米・中3国の意識調査があります。
もちろんサンプリングで、かつ2007年とちょっと古い調査
ですが、それでも「違い」が面白い。即ち、


・・・・(1)ネットが「自分の生活を良くしている」・・・
日米中でいずれも8割をこえた
(2)「社会を良くしている」・・・中国で9割以上、
米国で6割強、日本では5割で、日本では功罪両面あると見ている
人の割合がやや高い
(3)日本:「趣味」に「必要」「ある程度必要」と答えた人が
91%。
米国:仕事や勉強に「必要」「ある程度必要」がそれぞれ
9割をこえ、実用面で必要と考える人が突出して多い。
中国:「友人関係の構築・維持」に必要と答えた人
が80.4%で、日本・米国に比べ20〜30%高いのが特徴的。


・日本は趣味、アメリカは仕事・勉強・・・
これもやはりエリートを認める競争社会と関係あるか?
・中国は「友人関係」が大きいとすると、
仮に政府の規制が外れたら、フェイスブックの利益
実感は大きいのではないか
(だから政府は自由化できない、とも言える)


というようなことを考えると
たいへん興味深いです。