一庶民の老人から若者へのメッセージ(この悲劇を乗り越えて)

1. いちいちコメントの再コメント致しませんが皆様本当に
有難うございます。


2. 無駄・無意味な情報発信はやめるべきだと反省しつつ書いています。

これぐらいにするつもりです。
1庶民、かつ多少とも戦争体験世代、かつ原爆の経験者として喋ります。
かつ皆さんと同じように、私は何党支持でもありません。
政治家の、役所の、誰が好きか嫌いかもあまりありません。
しかし今は彼らにがんばってもらうしかない。


3. まず、しつこいけど、批判や評論や足を引っ張るのはやめよう、
がんばっている人たちを(対応その他に不十分だと
不満に思うひともいるかもしれないけど、
自分には何も出来ないのだから,この人たちしかいないのだから)
ごもっともなご批判はあとにして、せめて声を出して応援しようということです。

4、具体的に言えば、
日本人は気持ちは十分あると思うのに、それを言葉や態度で示すのが
本当に下手だと思う。

(1) 昨夜の菅さんの国民向けのメッセージを聞いた人は多かったでしょう
(今でもPCで見られます)。

「もう少し踏み込んでほしかった」という意見を表明するメールも
もらいました。その通りかもしれません。
しかし、私は、内容ではなく、まず1国の首相のいままでの・
かつ、これからの努力に、国民として、礼儀と敬意と激励と期待を
態度や言葉で示すべきと考えます。

なぜ、菅さんの言葉が終わった段階で、聞いていた記者諸君は黙って(場合によっては、おそらく脚を組んで)座っていたのか!

なぜ、スタンディング・オベイションをしなかったのか。
それが、「我々も期待しています。がんばってください」という、せめてもの
意志表示ではないのか。それを国民が見ていることで、どれだけ一体感が
醸成され、当事者はどれだけ勇気を与えられたか、
考えた人はいないのだろうか。
(アメリカであればブッシュが好きか嫌いか支持か否かに関係なく、こういう危機における
最低の礼儀であり、それが国民に与える影響は大きいと思う)


(2) 同じように、枝野官房長官のたびたびの記者会見。
事務的な質問の前に、
誰でもいい(出来れば、若い女性記者がよい)。
立ち上がって「皆が、応援しています。現場で必死に働いている人たちを
はじめ、がんばってください。体調管理に気をつけてください。
私たちに出来ることがあったら何でも言ってください」
とどうして発言しないのか。


その様子が我々に伝わる。我々もそう思う。
それが現場で命を賭けている人たちにどれだけ励ましになるか。

(3) ご存知の通り、「Pray for Japan(日本のために祈る)」というサイトが
立ち上がって、たくさんの写真がメッセージが寄せられています。
それを見ているだけで、我々部外者でさえ、どれだけ嬉しいか。

(4) 宇治市の市会議員の方から、宇治市槇島地区のレスキュー隊精鋭6名が
現地に向けて出発した、誇りに思っているというメールを頂きました。
この人たちも、上に書いたような姿勢で応援したいと思います。




4. 次に、若者に対する応援です。
(1) ここで若者とは、私としては、かなり幅広く、少なくとも戦争を体験していない世代・戦後の復興の恩恵だけを受けた世代と捉えています。

(2) 僭越かもしれないけど、我々70歳以上は、それなりに戦中・戦後の貧しさや苦難を乗り越え、戦後の復興に一定の役割を果たしたという自負を持っています。


(3) これからは、君たち若者の出番です。
辛いことも多いかもしれないけど、戦争にもういちど負けたと思えば何でもできます。
これから、皆さんの正念場です。
そして日本人なら、必ず出来ます。


(4) 私たち年よりには多少の寄付をするぐらいしか出来ないし、余計な口出しはしない方がよいでしょう。
しかし、戦中・戦争直後を多少知っている人間として、訊かれたら幾らでもアドバイスする用意はあります。

(5) これからがんばる若者は、ほんの少しでよいから、この悲劇で亡くなった人たちのことを考えてください。その人たちのためにも良い日本を作り直すのだと、ちょっとでも思ってください。それが、不幸な方々へのせめてもの供養と思います。

(6) かって私たちも、(私自身の父親を含めて)戦争で死んだ、特攻に散った上の世代のことを少しは考えたことがあります。「悠久の大義」のために死んだ人たちのためにも、良い日本を築こうとほんの少しは思いました。


(7) もちろん、この国難を利用してあくどく、自分だけ利得を得ようとする人間は必ず居ます。
友人が「こういうのを見つけた」と憤慨して送ってくれたそういうブログの1つをあえて以下に引用します。
友人の名前も書き主も知らないことにしましょう。
100%、私のリスクと責任で掲載します(もう年ですから
何も怖いものはありません)。


・・・・以下ブログ全文・・・・
今日はこれから大きな商談が2件。あらかた金額等も含めて話してあるので
2件とも契約になるでしょう。

地震の影響で首都機能がかなり麻痺しています。物流が滞っているので
これからは食料品の不足など起こる可能性があります。
食品や飲食関係のビジネスをしている人はチャンスですお。

私の顧客にホテル経営をしている人がいますが地震が起こった当日から今日まで通常1泊10000円のところ1泊15000円
にして営業してました。さすがですね。だてにホテル11件経営してる訳ではありません。まだ36歳ですおw電車が通常に戻るまでが勝負って言ってました。

うちの妹も弁当をかなり増産して売りまくってるようです。
(パートのおばちゃんのケツ叩いてるんだろうなw)

これが商売人というもの。

価格は市場が決める事だし、高くても売れる時はガンガン値上げするべきです。
せっかくのチャンスに何もしないで景気が悪いから政府に何とかしろ
なんて、みっともない事は誰も言いません。

うちの会社も昨日は売上凄かったです。在宅率高いし地震の話で会話も弾みますからね。まぁ〜たくさん賞金出したせいもありますがw

・・・・ここまで・・・・


(8) 私が言いたいのは、こんな話に驚いたり、怒ったり、嘆いたりしても仕方がないということです。いつの世もこういう人間は必ず居ます。
戦争中も戦争直後もたくさん居ました。しかも、得てして目先の利くあくどい人ほど「闇成金」と称して
成功しました。
(悲しいかな、戦争で早く死んでいった人ほど立派な人が多いような気もします。悪い奴ほど生き残る)
しかし、ニューヨーク・タイムズが称える「高貴」な(かつ普通の)日本人は必ず居ます。しかもたくさん居ます。
これも戦中・戦後の日本を見てきた年寄りが言うのですから、どうか信じてください。

(9) 今こそ、ネルソンや秋山真之だったら
「Japan expects that every man and woman will do his & her duty」と
掲げることでしょう。


5. 最後に、悲劇の経験者として、被害者について一言、

(1) 事実を知ることは大事です。部外者は、自分がこれからの日本のためにがんばる意欲を強めるためにもこの悲劇を知る義務があると思います。
(2) しかし、それは少なくとも今は、被害者からではない。
とくに週刊誌あたりの興味本位の取材は有害です。

(3) 被害者は話しません、話せません。これは1つは、話すことは思い出すことだからです。こんな辛いことはありません。第2に、どんなに同情心を持って訊いてくれているなと思っても、「経験者でなければ、この悲惨は絶対に理解してもらえない」という気持ちが話しているうちに一層強まって、絶望的になるということです。
(4) どうか、以上のことを分かってほしい。これは体験者からのお願いです。
(5) むしろ、レスキューに駆けつけてくれた人たちの献身的な活動報告がいちばん大事と思います。