さわやか福祉財団と堀田力さん

6日ぶりの更新です。

GW後半は八ヶ岳を眺め、外の空気に接する時間が多く、PCに触れる時間が少なかったです。


その後は東京ですが、11日には京都から上京した株式会社カスタネットの植木さんと2人でさわやか法律事務所に堀田力さんを訪れ、1時間半ほど話を伺いました。


堀田さん自身も、彼が理事長をしている公益財団法人さわやか福祉財団も東日本大震災への対応でフルに活動しています。
もっぱら、その点を中心に、超多忙の中、時間を割いて話して頂きました。

堀田さんに本当に頭が下がるのは、政府・官庁から様々な仕事(例えば寄付金の配分委員長)やアドバイスや諮問委員やらを依頼されており、これもこなしながら、本来の財団のボランティア活動を最優先に取り組んでいるという姿勢と行動力です。


1. 義捐金活動――財団への振り込みと同時に、毎朝、山手線の駅前で「辻立ち」をやって募金を呼び掛けている。


「辻立ち」は名刺両面大作戦の呼びかけで昨年6月1日からスタートしているが、3月18日から「辻立ち募金」も開始。


2.「すごい話」として、3月25日西日暮里駅前にて

――「仕事がよくできる方という感じの黒いコートの女性が、立ち止まり、何と10万円の寄付!
「領収証は?」「要りません」
「お名前は?」「コンです」
と言っただけで、「いいところが見つかってよかったです」と言って立ち去ったとのこと。


2. たしかに、さわやか福祉財団の場合(もちろん他にも多くありますが)、赤十字その他の大手と違って、アクションが早い、寄付先が地元のNPOなどに直結している、情報の開示がよくできてる・・・こういう寄付は寄付した方もやりがいがあります。

3. 寄付する人は、印象論だが、意外に若者が多い。若者、女性、高齢者の順。

中年の男性サラリーマンは駅前を通る人は圧倒的に多いが、寄付してくれる人はいちばん少ない。

「みんな、忙しいのかな・・・」
堀田さんのコメントは「仕事に忙しくて、会社がらみの付き合いが長くて、家庭でも地域でもいいが、人に共感をもつ場で過ごす時間が少ないのではないか」


企業人の意識や行動や企業文化をどう変えていけるか、大事な・しかし難しい課題ですね。


4. もっとも今回の震災後の対応で大企業の支援が幾つも報道されていて、明るい面もないではありません。

4月21日の番組「カンブリア宮殿」では、物流を支える活動として、被災直後の被災地に宅急便を届けるヤマト運輸や、スーパーのイオンの活躍が放映されていました。

クロネコヤマトの動きは、本部に指示を仰ぐ時間もない状況で、現地の出張所の独自の判断で、まだがれきの残る・余震の心配もある被災地への宅配を開始したそうで、


「こういう社員が居ると本当に嬉しくて、涙が出ます」という社長の発言が収録されていました。

5.堀田さんのお話は紹介したい内容が山ほどあるのですが、長くなるのであと2つだけ。
1つは、被災地での対応が地方自治体によって差があるということ。


しかもそれは、住民の日ごろの意識、大げさに言えば、市民社会意識、個人主義と民主主義の成熟度の違いに起因するということ。


住民個人の自律・自立意識が高いところほど、お互いに助け合い、みんなで復興について話あうという意識・姿勢も高い。この2つはパラレルである。


逆に普段から行政任せというところほど、共助の姿勢もなかなか生まれない。

避難所によって、県外から来たボランティアの受け入れさえ、地元の行政のOKが必要で、これがなかなか難しくボランティアが自由に動けないところもある・・・


5. 最後に、もう1つ、被災地での支援は徐々に進んできている。
残された大きな課題に、県外避難者への対応がある。受け入れ地によって異なるが、対応が十分にされていないところも多い。


例えば、東京にはいま4000人弱の避難者がいるが、この情報を行政といえども十分に把握していない。


例えば、旧赤プリに避難している人たちの情報を得ようとさわやか福祉財団からホテルにアプローチすると「それは個人情報だから自分たちからは言えない」と断られてしまう。


いま、財団がやろうとしていることは、避難者の自主的な動きとして「県人会」を作ってもらい、それを支援すること。
彼らにはいま出身地の情報が殆ど入っていない、このルートでそれを流す。
あるいは、要望や苦情(いじめ、差別、風評被害を含めて)の窓口になってもらう。

そんな支援活動をやり始めたということです。

頑張っている人がいるなあ、と感心しながらお話を伺った時間でした。