京都のソーシャルビジネス、!スタイルのこと。


さわやかNさん、これもフェイスブックをご紹介頂いたおかげです。
台湾の新聞に出す感謝の広告費をツイッターで募ったという話は知りませんでしたが確かにソーシャルメディアの効用ですね。

他方で、先日、見知らぬ女性から「facebook内ではちょっと話しづらい事なので直接お話し出来ればと思ってます。ではメール待ってます!」というメッセージが届きました。こういうのもあるんですね。

フェイスブックは「オープン」が信条と理解していますので無視しましたが、相手は私の年齢をわかっているはずですが、不思議ですね。

話は変わりますが、前々回に「ソーシャルビジネス」の話をして経産省から「ケースブック」が出て京都から5件の事例が紹介されていると書きました。
株式会社3社、NPO法人1社、公益法人1社です。

 そのうちのNPO法人!(エクスクラメーション)スタイルというのを、今回少し補足して報告します。


京都府八幡市に本拠をおくNPO 法人で、障がい者が働く作業所でものを作り、製品を企業に買い取ってもらうビジネスを展開しています。作業所は、製品のデザインや製作方法などについて企業と協力し、注文をうけて製作します。企業にとっては独自のデザインによる小口ロット発注が可能になるとともに社会貢献にもつながる利点があります。

例えば株式会社フェリシモは神戸に本社をおく大手の通信販売会社ですが、2003年来、プロップステーションという社会福祉法人や神戸市などと協働して、障がい者が働く授産施設や作業所で魅力的な商品をつくってもらうプロジェクトを実施しています。同社が!(エクスクラメーション)スタイルの最初の取引先になってくれました。

写真はそういう過程で作られたオリジナル製品「おうち型スタンプ」です。


 !(エクスクラメーション)ファクトリーと呼ばれる作業所は、様々な気づきや驚きを創り出す場所という願いを込めて名付けられており、ここでは花器、生活雑貨、食器などを作るほか、2008年4月からは、地域の小規模飲食店舗の下調理を請け負い、現在では6店舗分のセントラルキッチン的な事業となっています。

 さらに2011年4月には京都市内の三条通り新町を上がったところに「!FOODS」というカフェをオープンし、彼らが作った食器と食材でサラダやコーヒーやお菓子を味わうことができます。 
カフェをオープンしたことは「京都まち暮らし」のブログを発信している藤野正弘さんに教えてもらいました。
http://d.hatena.ne.jp/mfujino706/

同氏のブログに載せるのが先だと思いますが、彼は現在、京都災害ボランティア支援センターのセンター長として被災地支援に忙しい日々で時間がないのでしょう。
当方は、4月末にひとりで早速訪れ、お昼をとりましたので、お先に報告させて頂きます。

当日もなかなか、にぎわっていました。


食材も食器も原則として作業所でつくったものを利用しているとのことです。NPO 法人の副理事長吉野智和さんが自らキッチンに入って調理を担当していました。
   
吉野さんの夢は

「この京都発の取り組みを、全国の福祉施設、企業に広めていき、「自分たちにもできる」と自信をもって働ける障がい者をもっと生み出していきたい」ということだそうです。


 
彼と対談したときのこと、「自分が社会起業家だなどと考えたことはない」という発言が印象に残りました。

また話の中で、「ふつうの」という言葉がしばしば出てきました。「ただ「ふつう」に仕事をして、「ふつうに」笑って過ごせる。そんな「ふつう」の事をするために「障害の無い」場所が欲しかった。
!ファクトリーをオープンした理由はそれだけです」と語ります。

また「!スタイルは、よく「ビジネス」という言葉を使います。それは、障がいのある人の仕事力を社会に知ってもらうための有効な手段と考えています」とも言っています。

社会起業家」から「ソーシャルビジネス」への流れは、
・ ビジネスには「経済的価値」だけではなく「社会的価値」の実現も大事であること
・ 「社会的価値」の中でも「いまもっとも求められている社会的価値とは何か?」を考えて、そこに焦点をしぼるのが「ソーシャルビジネス」ではないかということ。
・ それはまた、大震災以後、皆さんの意識にのぼっている、「豊かなな社会」から「良い社会」への、あるいは「本当に豊かな社会」へのパラダイム転換への展望とも結びついているのではないか。

そんなことを考えています。