八ヶ岳も雪化粧、様々な自然と様々な人間


1.24日は全国的に厳しい寒さになったようです。
当地も一気に気温が下がり、24日朝の八ヶ岳は写真のように、雪化粧です。
2枚目の写真は3日前の21日(日曜日)に撮ったものですから、
あっと言う間に景色を変えました。
もっとも今朝は雪はだいぶ少なくなっています。
高原と山はこんな風にして徐々に冬に向かっていくのでしょう。

2.地震や台風の悲惨も「自然」なら、こういう美しさも「自然」でしょう。

もっとも、この「自然」と言う言葉、『翻訳語成立事情』(柳父章)によるとなかなか難しいので、
「近代以後、今日にいたる私たちの「自然」ということばには、新しいnatureの翻訳語としての意味と、古い伝統的な意味とが共存しているのである。」

つまり、
「今日「自然科学」という意味の、natureの翻訳語の「自然」は
当然、客観的存在であって、人間の「精神」とは対立する。
他方、伝統的な日本語としての「自然」は、ありのまま、ということ。
ありのままの境地には、外の客観世界と内なる精神との区別はない」


この「混在」からややこしい問題がいまに至るも生じている、
というのが著者の言いたいことですが、その点は省略して、

「人間世界」の方に、話を持っていくと、こちらも「悪」と「善」が両立しているのでしょうか。


3.たまたま、高速バスに乗って、東京は新宿まで出かけたときに、面白い経験をしました。


バスは妻と2人で出掛けましたが、それぞれに別の用事があり、11時過ぎについて、地下街で別れて、私は小田急に乗るべく歩いているときに、突然、見知らぬ人から
「お久しぶり〜」と声を掛けられました。

私は全く見おぼえがないのですが、
「いやあ、お宅の水道工事のときにお世話になった水道屋のAです」とまことに馴れ馴れしい。

ここで私がびっくりしたのは、とにかく家のことは、妻に任せきりで殆どタッチしない主義なので、水道工事のことなど知らない。ただ、たまたま目下家を改修していて、それに関係するかもしれない、と思ってしまったので、立ち止まってAさんの話を聞く羽目になりました。



4.ところがこれがどうも詐欺師のようで、何でも競輪のうまい儲け話があるから一口乗らないかというオファーでした。
私が長野県の山奥から出てきたばかりの、いかにも「田舎者のおじいさん」という風体だったのでしょう。これは「カモだ」と思ったのでしょう。


たちまち、競輪の専門紙の編集長というBさんと、
Aさんの仲間というCさんとが現れて、まことにしやかに儲け話をしてくれます。
Bさんは、新宿の某百貨店の常務と大学の同級生でたまたまそこに会いに来ていたところ、急きょAさんに呼び出された、Aさんは某競輪選手が従兄弟で、今日はどうしても勝つ、と言っている。これから場外の馬券(競輪の場合は「輪券」でしょうか?)を買いにいくから・・・・云々、とまくし立てます。

私は、ギャンブルと称するものはやったことがなく、話の殆どが理解できませんでしたが、たまたま時間の余裕があったのと、「これはブログのネタぐらいになるかも・・」といった好奇心で、しばらく彼らの「お芝居」を聞いていました。

妻に携帯で電話してみたのですが、すでに電車に乗っているようで「圏外」にて繋がら
ず、こんな名前の水道屋を知っているか?と訊くことが出来ません(あとで、確認した
ところ「もちろんそんな人知らない」ということでした)。


5.もちろん最終的には、「私の財布には福澤諭吉がたった1枚しか入っていない貧乏人なので・・」ということでお断りしましたが、なかなか面白い経験をしました。

先方も暴力を使ったり、脅かしたりする訳ではなく、最後まで友好的な雰囲気で別れましたので、こちらも別に不愉快に思うこともなく、先方も私がブログに載せたからと言って、腹を立てることもないと思います。


それにしても、何とも、怪しい話だなあと思ったのは、競輪の仕組み云々は全く理解できなかったにせよ、

・編集長だというBさんに「名刺を頂けますか?」と訊いたところ、「今、車の中に置いてある」ということで、貰えなかったこと。

・私が「その百貨店の常務さんの名前は?」と訊いたら「〜です」と答えてくれ、私がそれも常時愛用しているメモ・パッドに記入しているのを見て、「そんなことまでしなくても・・・」とBさん苦笑いしていたこと


・最初に私に声を掛けた水道屋のAさんがすぐに姿を消して、あとはもっぱらBさんとCさんとの会話になったこと。
「Aさんはどうしたんですか?」と訊いたところ、「いま場外に買いに行っている・・・」という答でしたが、これは、私とあまり長時間接触すると、知人ではないことが分かってしまうのを恐れたのでしょう。

6.ということで、別に、「怖い話」でも何でもなく、むしろ、ちょっと素人っぽい・愛嬌のある詐欺師のグループに出会ったなあ、と面白い経験をしました。
東京滞在は1日で日帰りしましたので、夜の新宿発の高速バスでまた妻と一緒に帰り、大いに話題が出来ました。


それにしても、さすがに大都会ですね。蓼科高原はこの時期、悪さをする鹿はたくさん見掛けますが、そもそも人の少ない世界です。