句会のレベルには及びもつかぬ「広辞苑」ゲーム

1. arz2bee さん、海太郎さん、コメント有難うございます。
arz2bee さんご指摘の通り、オバマ氏には、政治家だけでなく人間として評価されている面があるようです。
タイム誌も、選挙期間中の調査での、投票者による彼への評価を紹介していますが、


「正直な人だと思う」
「私人としての暮らしぶりが称賛に値する」(an admirable personal life)
「正しい方向に向かって努力していると思う」
といった評が寄せられたそうです。

同じく選挙期間中、あるホテルのバーでお酒の特別メニューが(半分は、からかいの意味で)表示されていて、
オバマスペシャル」は「ジャック・ダニエルズ1杯とビールの組み合わせ」で計7ドル
他方で、「ロムニースペシャル」は「ジョニー・ウォーカー・ゴールド1杯と高級赤ワインのボトルで合計870ドル」
という表示が出ていたそうです。
これぐらいスキャンダルを報道されない大統領も珍しいのではないか。

2.海太郎さんはブログで
http://blog.goo.ne.jp/rokuai57/e/e45b477601976f122bfaaf82843bbccd
『句会で遊ぼう』(小高賢幻冬舎新書)という本を紹介しておられて、ご指摘の通り面白そうな本ですね。

海太郎さんによるとこの本は、「まったくのアマチュアが、俳句でも(やろうか)と悪戦苦闘した句会の実況中継」だそうですが、
おいしい酒と料理でワイワイガヤガヤの方が主目的ではないかという集まりで、

おまけに、お互いに他人の句を酷評する・・・これが面白い。
本の著者がいちおう宗匠役だそうですが、彼の
「出勤をやめろやめろと百日紅さるすべり)」と言う句が
(私は、これ、とても面白いと思うのですが)
酷評される・・・・現実的すぎる、粋もない、色気もない、俳句はこういう日常を超越しないといけない、これはおそらく宗匠の作に違いない・・・とこきおろされたそうです。

2. たしかに、こういう集まりは実に楽しそうですね。
当方はレベルも教養も月とすっぽんほど違いますが、やはり「集まってお酒と料理でワイワイガヤガヤ」が大好きで、本年1月1日も早速、子供夫婦に孫も集まって(末娘の夫婦は1月2日から仕事なので1日の朝、1歳前の孫を連れてロンドンに帰国してしまい、残った家族8人で)、通称「広辞苑」ゲームをやりました。

昨年は「インスピレーション」をして遊んだのですが、今年は同じように、道具も要らず紙と鉛筆だけで遊べて、73歳から13歳まで一緒に楽しめる単純なゲームです。


3. 息子がTVで見て知ったそうで説明してくれましたが、こんなゲームです。
(1)8人であれば、8人が順番に「親」になって、親は、広辞苑から誰もが知らなさそうな言葉を出題する。
(2)この言葉の意味を夫々が勝手に考えて、いかにも辞書の「定義」らしく、本当らしく書いて「親」に渡す。親は、広辞苑に出ている正しい定義を(要すれば要約して)書く。
(3)8枚出た「定義」を親が読み上げて、夫々が、「どれが正しい定義か」を当てる・・・
というゲームです。

(4)ここで、点数は
・正しい定義を当てた人
・うそを書いたのに、誰かが「正しい」とごまかされて正解に選んでくれた人
の2種類の人がポイントを得ることになります。



4. 感想としては、
(1) 出来るだけ、他人を信じさせるように、本当くさい「定義」を考えないといけないが、これが難しい。
(2) そもそも「広辞苑」に、自分の知らない・初めて聞く言葉がこんなに多い、ということ自体、新鮮な驚きでした。

5. 因みに、8人が出題した「言葉」は以下の通りです。
(1) とろっぺき
(2) ぬなり
(3) ちょびくさ
(4) しゅじせい
(5) こわふしもの
(6) あぐり
(7) じゅりえんぬ
(8) ぐるに


6. たまに正解を知っている博学な人も居るかもしれませんが、その人も(出題者が正解を書いてくれて自分はそれを当てればいいので)、正解ではなく、知らない人と同じように本当らしいうそを書けばよい、というのも面白いところです。

私は学が無いので、この8つ、全て初耳でしたが、他の家族メンバーも同じだったでしょう。

面白かったのは、13歳の孫娘が、上記の得点で12点の2等賞を取ったことで
(トップは妻の18点)他方、最高齢の私は、たった3点のビリだったことです。
・・・どうも教養の無い方が点を取れるゲームだな、というのが私の負け惜しみ。

正解を当てると同時に、いかにも本当くさく騙すのがこつで、

例えば、(3)の「ちょびくさ」で
中学2年生の孫娘は「道草と同じ意。ちょびくさをくう」と書き、
私は、「そうか、若者言葉でありそうだな」と完全に騙されました。
高校1年生の孫は(4)の「しゅじせい」
で「英文法の1つ。現在はほとんど使われない」と書き、
学が無い私は「文法にこんな時制の言い方あったかもね」とこれまた簡単にだまされました。

因みに、「ちょびくさ」は
広辞苑によると「口早にしゃべるさま。また、軽薄なこと」だそうです。


また「しゅじせい」は「朱自清=中国の詩人。1898^1948清新な詩風で知識人の苦悩と決意をうたう」人だそうです。
蛇足ですが、こんな詩人、どこまで日本で知られているのか?なぜ広辞苑が載せたのか?無学な私にはさっぱり理解が出来ません。


7. 紙数がパンクするので、これらの全てを取り上げることは出来ませんが、
なぜ、私が、成績不良か?というと、
例えば、(1)の「とろっぺき」では、私は
「オペラの巨匠ヴェルディの生まれたイタリアの町」と書きましたが、実はこういう「定義」がいちばんウソ臭く、下手くそなので、誰も正解とは思わずに、誰も当てない。
「駄目な定義」の代表ですね。


いや、なかなか面白いゲームで、正月早々、老いも若きも楽しみました。
因みに「とろっぺき」は語感からカタカナ語と思ってしまったのですが、
このままひらがなで「泥酔(でいすい)した様」と広辞苑は定義しています。
語感からはなかなか意味がつかめない言葉だなと思います。