京都と茅野の両方で女子学生と付き合いました

1. 久しぶりに京都での5日間の滞在を終えて、また茅野に戻ってきたところです。

このブログは、9年前に若い仲間が「京都活動日記」という題名も付けて作ってくれました。
その後京都での仕事も非常勤となり、今の実態は「不活動日記」ですが、不精な性格もあってその後一切「設定」を変えておりません。

今回が最後の「活動」ですが、宇治の大学に顔を出して、少数の学生を相手に「講義」というより「ゼミ」形式の時間で、大いに学生に喋ってもらい、自主性を尊重して進めました。
ホワイトボードも使いつつ、パソコンも持参して、映像もたくさん見てもらいました。

授業は「アメリカと日本のビジネス」がテーマなので、例によって(このブログにも度々登場する)
スティーブ・ジョブズキング牧師ジャック・ウェルチピーター・ドラッカー、そしてイチロー選手の事例などを具体的に取り上げました。
そしてその前提として、
「自分(と日本)」と「他者(と、例えばこの授業では「アメリカ」)」という構図を理解すること。
そのためには自分(&日本)を考えることから始める。他者との「違い」を認め合うことの大切さを事例や話合いから理解してもらう。

例えば5月に話題になった、サッカーの浦和レッズの試合でサポーターが「日本人以外入場禁止(Japanese only)」という表示を出して問題になった事件も取りあげて、「日本人とは?」つまり「人種と国籍」の違いについても話合いました。

最後なので、ちょっと自慢をしてしまいますが、学生にはまあ好評だったようです。
感想を書いてもらうのですが
「今日の授業もとても楽しかったです」はいいとして、
「先生の講義を聞いて、私は大学生活4年目で初めて講義に興味を持つことができ・・・・本当にこう思ったのは初めてで自分でもびっくりするくらいです」
と書いた学生までいました。
これは私のせいというより、少人数で参加型の時間だからということが大きかったと思います。
日本の大学は、なかなか余力がないようで、教員対学生の割合がまだまだ高い、教員1人に対して平均20から30人の学生といったところでしょうか。
アメリカの特にリベラルアーツ・カレッジ(LAC)ではこの割合を最も重要視していて、例えばLAC1で全米ランク1位のアマースト大学では教員1人対学生8人の割合だとホームページに謳っています。

2. ということで、猛暑の京都で大学4年生(京都では普通4回生と言います)の女子学生(女子大ではありませんが)と4日間付き合い、2日(土)夕方、信州に舞い戻って、今度は高校1年生の女子4人とのべ3日付き合いました。
そんなこともあって、ブログ更新が遅れました。
高校生の方は孫が友人3人を連れて東京から泊まりに来たものです。短期間ですが、猛暑の東京を逃れ、高原の緑や空気を味わい、自然や動物とも触れ合い、楽しく過ごしたようです。

4日(月)の夕方バスで帰京し、友人3人それぞれ自宅に帰りついて、早速家内あてのお礼のメールが届いて「また1日目からやり直したいくらいです」というのもあったそうです。すぐにお礼をするというのは確かに大事なことで、、「きちんと躾けられている」と家内はすっかり感心していました。

(1) 女子大付属の高校生ですが、幼稚園から1名小学校からが1名、うちの孫は中学からですが、女子だけの学校で育っているというのは、いいことか悪いことか分かりませんが、まあ優等生には育てられる様子です。学校では「髪を染めてはいけない」「ネイルはいけない」等々いろいろ規則はあって、それを素直に守っている。但し、夏休みになると当然そういう制約から外れて、皆、指を塗っていました。
「周りはこういう高校生ばかり?」と訊いたところ、そんなことはなくて、もっと派手な「ギャル」タイプというグループもあって、そういう同級生とも仲良く付き合っているそうです。

(2) 今回は、よその家に行く、おまけにそういうことにうるさい旧弊な祖父・祖母が居る家ということで、友人の選択にはそれなりに考えたのでしょう。
食事の手伝いも後片付けも掃除もよくする、全く手がかからない、田舎の家はウォッシュレットではないのでそれも心配したが全く問題ない・・・と家内はすっかり満足。実は自分が同じ高校の大先輩であることもあってすっかりご機嫌でした。

日中は、近くの「八ヶ岳農業実践大学校」が運営する農場に行って、牛や羊に挨拶したり、原っぱでシャボン玉をしたり、夜は老夫婦も入って花火をしたりトランプをしたりというような時間でした。


(3) もっとも私は「集中ゼミ」を終えて帰ってきたばかりなので多少、講師の口調になって、京都で喋った、キング牧師だのスティーブ・ジョブズだのイチロー選手の話などをしました。キング牧師の「私には夢がある」の有名なスピーチは英語の時間に聴いたと言っていました。ジョブズの2005年、スタンフォード大学卒業式でのスピーチ(死去の5年前、がんと診断されて「死を考えたこと」「点と点をつなぐことの大事さ」「ハングリーであれ、愚かであれ」等のメッセ―ジでよく知られた)は知らないというので少し喋りました。
http://d.hatena.ne.jp/ksen/20120827
このブログでも前に取り上げました。

(4) 夕食のあと「映画観賞会」も実施しました。
DVDで2007年のアメリカ映画「フリーダム・ライターズ」を観ました。
「それは、1人の新米教師と1冊のノートが起こした奇蹟の実話」といううたい文句で、
以下の内容です。
――1994年、ロサンゼルス郊外の公立高校に赴任した新人英語教師・エリン荒れ放題のクラスを受け持つことになる。「戦場に住んでる」と自ら語る、殺人が頻繁に起こりギャングの仲間に囲まれ、荒れたスラムに住み、人種ごとにいがみ合う高校1年生。
授業を受ける気など更々ない生徒たちを相手に、エリンは授業の進め方に苦心する。人種差別の愚かさを生徒たちに教えようと、『アンネの日記』を読むことを勧め、毎日何でもいいから日記を書くように、と1冊ずつノートを配る。生徒たちは次第に本音を綴るようになり、悲観的だった将来を改めていく。自分たちで活動し募金を集め、オランダでアンネを屋根裏にかくまった女性を高校まで招待して話をしてもらうというようなことまで実現する。「未来を変えることはできるんだ」と信じるようになり、大学進学を考える学生も出て来る・・・
アメリカ映画らしい、「前向きの」感動的な物語、しかし脚色はあるにせよ実話だそうです。後日談としては、生徒たちが書いた日記は、1冊の本として出版され、ベストセラーとなった。その後、グルーウェルと生徒らによりNPO団体「フリーダム・ライターズ基金」が設立された。・・・・・・

(5) 映画を観たあと「感想を話してもらい、ディスカッションをするよ」と予告をしたのですが、もちろん冗談で時間もなく、そんな真面目な「ゼミ」は実施しませんでした。しかし、彼女たちがどんな感想を持ったか、アメリカと日本の違いや共通点、良さや問題点等々、どういう風に感じたか、機会があれば聞いてみたいものです。
ということで、若い人たちとの交流が終わり、やっとブログを書く時間も出来ました。