年末の「メサイア」、エコノミスト誌「今年いちばん好感の持てる国」は?

1. 遅くなりましたが我善坊さん柳居子さん有難うございます。
前回「私のお父さん」という作文について書いたのですが、コメントを拝見して反省しました。海軍の街で育ったので同級生の2割は戦死、だからこういう作文の題はなかったというのはご指摘の通りですね。そういう私自身、片親でしたから、こういう題が出たら困ったでしょう。おまけに夫婦といえども離婚が珍しくない時代、こういうテーマはタブーでしょうね。両親そろって仲良く元気なんていうケースが珍しい時代かもしれません。たしかに先生への批判、無理ないですね。

2. ところで今年最後のブログです。年賀状を書きながらPCで音楽を聴いています。

例の「フラッシュ・モブ」という奴。以前にも紹介しましたが、
(1)まずシカゴのメイシイ百貨店での「きよしこの夜」とスペインの街角での第九歓喜の歌
https://www.youtube.com/watch?v=4XTCayGvrM4
https://www.youtube.com/watch?v=87qT5BOl2XU
子供たちも含めて、皆楽しそうに演奏し・歌い・聴いています。
(2) 次いでアメリカ・フロリダ州空港での「ハレルヤ・コーラス」(「メサイア」から)
https://www.youtube.com/watch?v=SmtgNmKMFRw
(3)今度はアメリカのワシントン国立オペラの若い歌手たちがスーパーで歌う「乾杯の歌」(オペラ「椿姫」から)
https://www.youtube.com/watch?v=-STnVJlWf_o
(4) まだ興味のある方がおられたら私の大好きな合唱「行け、黄金の翼に乗って(Va, Penciero)」)(オペラ「ナブッコ」から)
https://www.youtube.com/watch?v=P_Y-yJBa8FA

そう言えば、「メサイア」は今年も家族で青山学院の講堂で「オール青山」のを聴きました。京都に居るときは、毎年12月24日に京都コンサートホールでの「オール同志社」でした。
終わり近く、第3部の「トランペットが鳴り響く」というバスのアリアに続いてトランペットの独奏が続きこの夜の花形でもあります。
同志社でも青山でもこのところ女子学生が吹くことが多く、素人なりに懸命に吹いているのが可愛らしく例年、大拍手を浴びます。今年の青山は40回の記念だそうでもとNHKの首席奏者が登場、もちろんプロですから格が違いますが、素人の女子学生が懸命に吹く姿が見られず、ちょっと残念でした。

友人は毎年、上野でやる芸大の「メサイア」を聴いており、こちらはセミプロですから相当な腕前ですが、今年はトランペットの独奏はやはり女性だったと言っていました。


3. そう言えば、オースラリアの友人からメールで送られた年末の挨拶に
「(2015年を振り返って)女性の活躍振りが目立つ様な気が致します」と書いてありました。以下、メールの続きです。
―――
ドイツのメルケルさんは世界の最強力な人物の第2位に選ばれたということですし、
11月のミャンマーの総選挙ではアウンサンスーチーさん率いるNLDが圧勝しましたね。
オーストラリアの新内閣では5人の女性が閣僚に抜擢され、なかでも初の女性国防相
実現して話題を呼んでいました。
そういえばカナダの新内閣では女性の閣僚が半数を占めてびっくりでした。
オーストラリアの新首相夫人もとても優秀、ダイナミックな
女性で弁護士、チャリティー団体や会社の役員を務めて活躍しています。シドニー
市長を務めたこともあります。
又、11月にあったダービー メルボルンカップでは初の女性騎手が優勝して国中が大興奮しました。2016年の女性陣の活躍を又期待したいと思います。」

上のメールに注釈を2つ。
まずメルケルさんがForbes選出で2位になったことはこのブログでも取り上げましたが、
http://d.hatena.ne.jp/ksen/20151108
「タイム誌今年の人」にも選ばれました(この記事は何れブログで紹介するつもりです)。
来年はヒラリーさんでしょうか?

また、「メルボルンカップ」を補足すると、
豪州最大の競馬レースで、英国の6月に開かれる「ロイヤル・アスコット」の真似でしょう。紳士淑女は着飾って見物に行く。たしか平日の午後の3時に始まりますが、行かない人も、私が働いていた20年前はどこのオフィスも、この時間になると仕事をやめてテレビ観戦。そのあとはオフィスで飲めや歌えやの騒ぎでした。


4.女性の活躍に触れた、上のメールでアウンサンスーチーさんの名前が出ました。
最後に、英国エコノミスト誌の最新号(12月19〜1月1日のダブル・イシュウ)がミャンマーについて触れていますので、これを紹介します。

「本誌が選ぶ今年いちばん好感が持たれる国(Most favored nation)は?」という論説で以下の内容です。


(1) もし「今年の国(country of the nation)」の定義がいちばん新聞のトップ記事を飾った国ということなら、ロシアになるだろう。しかし、軍事力に物を言わせ、国民を抑圧している国を選ぶつもりはない。
もちろんISは国家ではないし、私たちにとって憎悪の対象でしかない。
(2) 私たちは、今年、世界がより良い場所になったと認識させてくれたような国を選びたい。そういう視点でみると、決して少なくない国の名前があげられる。
例えばアメリカはいろいろ言われるが、今年、同性婚を法制化し、キューバと国交回復し、イランとの核交渉も締結した。
中国だって、一人っ子政策をやめて、2人の子供が持てるし、今までに許可なく生まれた何百万人の子供たちが公的サービスを受けられることになるようである。


(3) アフリカのナイジェリア、ラテン・アメリカでは、ヴェネズエラ・アルゼンチン・グアテマラなどで腐敗や独裁からの変革が見られた。
ヨーロッパでは、遺憾ながら人種差別的なポピュリズム(大衆信仰)が勢いを増したが、それでもフランス人は最後は地方選での国民戦線の台頭を許さなかった。ドイツとスゥエーデンは大量の難民を受け入れた。
中東でもヨルダンやレバノンなどで、シリア難民への寛容な対応が見られた。

(4) しかし、私たちは「今年いちばん好感を持つ国」にミャンマーを選んだ。
5年前にはまだ悪辣な独裁国家だったこの国は、今年11月の選挙でミス・スー・チーの党は総得票の77%を獲得した。
強大な権力を握る軍隊は居直ろうと画策しているし、これからの困難は十分予想される。
しかし、民主主義に似通った体制への移行は誰もが予想されたよりずっと早く実現したとはいえる。
この点で、ミャンマーが「エコノミストが選ぶ今年の勝者」である。


5. この記事には残念ながら日本の言及はありません。この国で、今年、何か世界から好かれるような変革があっただろうか?を考えながら、記事を読みました。

それはともかく、海外ニュースでニューヨークの街のクリスマス光景を写していましたが、最近は、人種の多様化を考慮して公共の場所などで「メリー・クリスマス」の代わりに「ハッピイ・ホリディ」という場合が増え たと言っていました。
それでは、皆様も、ハッピイ・ホリディ & 良いお年を!」