「2023年パーソン・オブ・ザ・イヤー」はTaylor Swift

  1. 米タイム誌が毎年選ぶ「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」は

1927年から続く同誌の看板記事です。その年、良くも悪くも「世界に最も影響を与えた人(個人とは限らない)」が選ばれます。

 

2.2023年は米国のシンガーソングライター、テイラー・スウィフト(34)です。10代から活躍し、長いキャリアを誇り、数々の受賞を重ね、タイム誌は「アメリカが誇る最大のソフト・パワー」「ポップ・カルチャーの桂冠詩人」と呼びます。

3.私は,彼女の名前を,今回の報道で初めて知りました。

過去の受賞者は、例えば過去4年に絞ると、

・2019年―環境活動家のグレタさん

・2020年―米国の正副大統領バイデン&カマラ・ハリス

・2021年―起業家のイーロン・マスク

・2022年―ウクライナのゼレンスキー大統領

――これなら私でも分かります。

4.今回は見当もつきません。たまたま長女夫婦に会う機会があり、訊いてみました。

長女も好きだそうで、「アメリカのカントリー・ミュージックの伝統を踏まえ、若い女性の本音を歌う」ということが分かりました。

タイム誌は、こう語ります。

――彼女は自分自身の物語の作者でもあり主人公でもあるという、稀有な人物だ

――彼女の歌は、社会から、自らの感情を取るに足らないとして否定され、心理的な抑圧(ガスライティング)をうけてきた多くの女性特に少女たちに、君たちの内面が大事なのだと信じさせてくれる。

私も生まれて初めて、彼女の曲を、youtubeで聴いてみました。

[和訳]You Belong With Me - Taylor Swift (youtube.com)

5.そして、彼女を選んだ理由として、

・彼女自身の世界を、たくさんの人々にとっての「居場所」としたこと

・彼女の歌う物語を、「世界的な物語」へ広げたこと、

・いま、喜びを切実に必要としている社会に、それを与えたこと。

➡ゆえに、テイラー・スウィフトは2023年パーソン・オブ・ザ・イヤーである。

6. 大変な女性だということが記事を読んで分かりました。

(1)世界中で彼女への熱狂的な人気、高い評価、彼女を招いてコンサートを開くどの国でももたらす巨大な経済効果(テイラー効果と呼ばれる)、訪れた世界のあちこちで、彼女の名前を付けた街や通りの名前が生まれる。

(2)米国の中央銀行FRB)は今年の経済成長の理由に彼女の名前をあげ、彼女の歌詞はハーバード大学を始め多くの大学の授業で取り上げられる。

(3)大富豪だが、政治的発言を厭わず、女性差別や性的抑圧に抗議し、民主党支持の発言も多い。

・・・等々。

7.結論として、今回のタイム誌の判断が示唆するのは以下の3つではないでしょうか。

(1)いま、暗い世界を明るくさせる存在が必要

(2) 文化とくに音楽は国境を越え、分断された世界をつなぐ

(3)確実に世代変化が起きている。若者と女性が世界を変えるのでは?

 

8.彼女は来年早々5年ぶりに来日し、2月7~10日、東京ドームでコンサートを開催するそうです。

 そして明日はお正月。皆様、良いお年をお迎えください。