今週は期限に追われた仕事がいくつかあって、交信が遅れました。

5月23日(水)、現代社会学科の招へいで来られた中村哲医師の、本学での講演について書いておきたいと思います。


その活動は、2003年のマグサイサイ賞受賞をはじめ国際的にも認知されており、ご存じの方も多いでしょうが、中村さんは「ペシャワール会」というNGOの現地代表として22年にわたってアフガニスタンでの医療活動等に従事しておられます。

たびたびメディアで報道されていますし、21日(月)の「クローズアップ現代」にも登場しました。


医療とくにハンセン病を中心としたアフガン難民の治療に長く携わっておられますが近年は、「世紀の大干ばつ」と言われる、砂漠化を防ぐべく、井戸を掘り、水路を開く活動に注力しておられます。


講演の内容を詳しく伝えると長くなってしまいますが、「アフガニスタンはわかりにくい国」という前提で、現状、日本のメディアが如何にそういった悲惨な情報を流していないか・・・といったことから、「ペシャワール会」の活動に触れられました。


「世紀の大干ばつ」は地球温暖化がもたらしたものでしょうが、現在も進行中。至るところで水田地帯が砂漠化していっている。

2005年WHO(世界保健機構)の報告は「鬼気迫るものがあった」。
アフガン国民の半数以上の12百万人が被災し、うち5百万人が飢餓線上にあり、うち百万人以上が餓死し、その半分が子どもだったとのことです。
「この100万人の餓死という数字は、現地にいた証言者として決して誇張した数字ではなかった」「・・・しかし国際援助はついに現れなかった・・」と氏は淡々と語られました。

会場には、現代社会学科の学生を中心に300名近くが中村さんの話しに聞き入り、質問をまじえて90分の講演のあと、場所を小さな部屋に移して、少数の参加者との交流会がやはり90分続きました。

中村医師の話と活動とコミットメントに大きな衝撃と感動を受けた若者が少なくなかったと思います。