7月4日(水)、本学での、村田早耶香さん(NPO法人かものはしプロジェクト代表)の講演について、あまり遅れないうちに記録に残しておきたいと思います。

かねて「ソーシャル・アントレプレナー社会起業家)」を招いて学生たちに聞いてもらいたいと考えていましたが、今回、多忙な中を彼女にお願いしてはるばる東京から来ていただきました。

午後からの講演のあと、京都に一泊してもらい、ホテルに有志が集まって夕食をともにしつつ、講演のフォローも行いました。講演には学生のほか、少数ながら近隣の方もこられ、約150人が、カンボジアの子どもたちを児童買春から守るためにビジネスを立ち上げた、弱冠25歳の村田さんの話を聞きました。

大学でのこういうイベントは準備その他すべて手作りなので、かなりエネルギーがいりますが、幸いに事務局の応援もあり、私のゼミ生3人が手伝ってくれて、当日の司会進行も学生がやってくれ、助かりました。

村田さんについては、今年2月21日放映のNHKクローズアップ現代「社会貢献をビジネスに」で、病児保育をてがけるNPOフローレンスの駒崎さんとともに、若き社会起業家の旗手として紹介されたのでご記憶の方もあるでしょう。


まずは、以下、長くなりますが、当日出席してレポートを書いてくれた現代社会学科の1回生某さん(19歳)の文章をそのままご報告します。

素直な、いい文章だと思います。

「 今回の話を聞いて、考えさせられたことがたくさんあり、また考えなければならないこともたくさんでてきました。

まず、カンボジアのこの問題に村田さんが気づき、そして根本から解決していくことを
決意されたのが大学2回生のときだと聞いてたいへん驚きました。私がもし2回生になったときに同じ場面に遭遇したとしても、そんな風に強い意思で、こんな大きな問題に立ち向かっているだろうか、と考えると村田さんをとてもかっこよくおもいます。

しかし、そこまでできなかったとしても、なにか私にも出来ることがあるのではないか
と考えます。まずは『知る』ということ。今回、村田さんの話を聞くまで、世界の裏側でこんなにたいへんな事態がおこっているとは思いませんでした。詳しく言えば、問題があるということは知っていましたが、具体的にいまどんな状況だとか、どんな問題があるのか、ということは恥ずかしながら、はじめて知りました。そして心をうたれました。何も知らずに、こんなにのんきに生活していてもいいのかな、とも思いました。


村田さんがこのプロジェクトを始めるきっかけになった少女の話。5歳の少女が母親を(貧しさのため売春宿に)奪われ、自身もHIVに感染してしまった。本当になぜこんなおこらねばならなかったのか。私がその少女だったとしたらどれ程の傷をおっただろうか。考えただけでもすごくこわいです。しかも、カンボジアでは子どもが全人口の半分を占めており、そのうち15千人以上の子どもたちが買春の被害にあっているそうで、そうなると、見渡せば傷ついた子どもたちがいる状態だとおもいます。そんな状況が普通だとすれば、心がとてもいたみます。


私は、コミュニティ・ファクトリー事業はとてもすばらしい考えだとおもいました。「親に仕事を、子どもに教育を!」、日本では当たり前におこなわれていることだけに、これがどれだけ大切でありがたいことかを思い知らされます。早くこの事業が広がり、ひとりでも多くの子どもたちが貧困と児童買春の被害から救われることを願います。

 
また、パソコンスクール事業での一幕のように、子どもたちのチャンスを与えてあげて学ぶこと楽しさは、夢をもつ輝き、を知る子どもたちが増えればいなと思います。

私にはたいしたことはできませんが、これからは募金などで少しくらいはなにか役に立てればとおもいます。またホームページなどで情報や状況などもチェックしていきたいとおもいます。そしてこのことを話していきます。ひとりでも多くの人にこの問題を知ってもらいたくなりました。私の出来る小さなことが、カンボジアの子どもたちの笑顔につながればいいなと思いました。」