2回生向けの「応用演習」に外部講師を呼びました。

ゼミですが、常時20名前後が出るので、なかなかゼミ形式が取りにくく、いろいろ知恵をしぼって、その1つに外部の人の話を聞くことにしたものです。

四条烏丸にアート系映画館京都シネマを立ち上げて頑張っている神谷雅子さんです。

神谷さんについては、以前にも神谷雅子さんと京都シネマ - 川本卓史京都活動日記で紹介しました。


このゼミを通してのテーマは、「ビジネスにおける経済性と公共性(社会性)」および「日本とアメリカ」の2つにて、ビジネスという側面から、プロ野球の日米比較を学んだりしていますが、今回は映画産業です。


以下のような話がありました。


・ 日本は、製作・配給・興行の3つが垂直化しており、東宝・松竹・東映・角川(大映を買収)の4社の力が興行面でも強い。

・ 世界一高いと言われる入場料金の価格設定も変えるのが難しいが、ささやかな価格破壊も行っている。

・ それでも、昨年は、前年比興行収入で2.4%、入場人員で2.6%増えた。また邦画の売り上げが洋画を抜いたことでも話題になった。

・ 但し、スクリーン数も増えており、大型シネコン(これも4社プラス外資1社の寡占)の新設によるもので、中小の独立映画館は苦しい。

・ その中で、京都シネマは3年たち、年間観客20万人、稼働率30%強、売り上げ240百万円とまずまず。

・ とにかく映画館で見る観客を増やしたい。映画館で観る楽しさを感じてほしい。

京都シネマは、世界のあちこちの多様な映画を上映したい。また、映画館を「文化交流の場」ととらえ、教育的役割も果たしたい。地元で映画を作ろうとしている人たちの支援も行いたい。

等々。


「映画とは?」との質問には、「商品でもあり、メッセージである。世界のいろいろなところから発するメッセージを受け取って欲しい」と。


「学生にお勧めの映画は?」には、古い作品ばかりが挙げられ、若者にはちょっとハードルが高いかも。


神谷さんお勧めは以下の3作品です。

1. 黒沢明監督の『生きる』(『七人の侍』もいいが・・・)
2. 溝口健二監督の『雨月物語
3.市川雷蔵主演の『弁天小僧』