お金は天下の回りもの

さわやか福祉財団の中島さん17日ブログへのコメント有難うございます。

院生だろうが教員だろうが、あまり関係のないことで全く
気にしておりません。


それと、仲間にしつこくお願いしていることなので今後「さん」
付けでお願いいたします。


「金融の専門知識を」と京都地域創造基金で要望した点についてのご質問ですが、
ブログでは詳しくお話できず、お分かりにくいと思いますが、かつ長くなり
ますが、中島さんの質問に関して書くことにします。


1. たまたま、日経ビジネス12月14日号が、“お金という名の血液
を企業に送り込むはずの銀行が、バブル崩壊以降、その役割を見失い、
迷走を続けている”として、「銀行亡国」という特集を組んでいます。


2. 私も、いまの日本の銀行には極めて批判的ですが、周りにも銀行
に苦しめられている中小企業の経営者やNPOの代表など、よく話を聞きます。


3. まあ、総論になってしまいますが、同誌で、大塚耕平・金融
担当副大臣が話していることには賛成です。

 「今こそ、担保に過度に依存した旧来の銀行経営から脱却し、借り手を
育てる経営に舵を切らなくてはならない」

メガバンクが果たすべきなのは・・・将来の日本を牽引する産業や企業を
冷静に見極め、リスク資金を供給して育て上げていく・・・」


4. 各論ではそう簡単に行かないよ、という批判に対して同誌は、
近畿労働金庫の事例を紹介しています。


(1)「私たちは儲けない金融機関です」名刺の裏にはっきりそう書いてある。


(2)税引き前利益ベースのROA総資産利益率)の目標値は0.3%以上。
事業継続に一定の利益は必要だが、「それを上回る利益が出たら顧客に
還元する」。経営理念として、社会の役に立つ資金を社会に循環させる
ことを掲げる。


(3)サラ金に手を染めた労働者の相談に乗り、借金を肩代わりし、
返済可能な計画を組み替えることもある。2000年には、国内で初めて、
民間金融機関からの融資が難しいNPO法人専用の事業ローンを扱い始めた。


以上、日経ビジネスの特集のごくさわりを紹介しました.質問の答えになって
いるかどうか分かりませんが・・・


「金融の専門知識を」をなんて格好良い台詞を吐いてしまいましたが、
要は、お金の機能、お金の使い方についての正しい理念を持ってほしい、というほどの意味とご理解ください。


昔、貧乏だった少年時代、母がいつも「お金は天下の回りもの」と
つぶやいていたことを思い出しますが、要は、この言葉に尽きるのでは
ないでしょうか。

どうやってお金を回すか、必要なところに回して、そこから経済的・社会的
価値を生み出すにはどうしたらよいか?

銀行の役割は、こういうことでしょうね。

その点からは、大塚さんの指摘の通り、日本の銀行は(いまは多少違って
いるかもしれませんが)、担保主義に堕して、キャッシュフローの目利き→
リスク資金の供給→本当の「ファイナンス」の役目を果たしていないように思います。

もちろん、銀行だけの問題ではないので、「アントレプレナー」を育てる
文化・システムが不足しているという事情が根底にあるのでしょうが。


ご質問の「社会企業家、NPOのマネジメント層が身につけるべき「
金融の専門知識」とは?」には答えておりませんが、


要は、日本の銀行は、本来の「バンカー」でない連中が多いから、十分、
注意して付き合うこと、彼らと対等に話しができるような知識を持つこと
(私自身のエピソードを紹介したいですが、紙数が尽きました)、
本当に借り手の価値創造を理解し・支援してくれるバンカーは少ないが、
ゼロではないだろうから、そういう銀行・バンカーを見つけること、
もちろん自分自身が、「価値創造」の実現に誠心誠意になること、
あたりでしょうか。


ということで、硬い話で年が終わりそうで恐縮です。

今年も、イブの日にオール同志社の「メサイア」を妻と2人で聴いて、
年末年始は東京です。

帰宅したら、我が家の猫は、主人に挨拶もせず、いつもリラックス。

「猫はこたつで丸くなる」ならず、「床に横になる」図ですが、
床暖房に慣れて、とにかく安楽な時間と場所を見つけることにかけては、
天才的です。

皆様、良いお年をお迎えください。


最後に、今年亡くなった女性への哀悼を込めて、彼女の若いときと亡くな
る直前の写真を勝手に掲載いたします。

Let me pray her soul lay peaceful in the heaven.


もう1回、最後に、まことに長くなりましたが、まだ中島さん、
読んでおられたら
写真のケーキは恥ずかしながら、これなのです。