今週前半は京都で過ごしました。


桜はほぼ終りですが、御室仁和寺の遅咲きが満開でした。

京都滞在の主目的は「ソーシャルビジネス」について、約50名の主として中堅・中小企業の経営者の方々に、話をすることでしたが、
多少ゆっくり時間をとって花見をしたり、人に会ったりしました。
今回はそんな報告です。


1. この大震災を受けて、オール京都でボランティアの人たちを支援しようと「京都ボランティア災害支援センター」が立ちあがり、KSENの仲間・藤野さんが共同代表に就任したことは、3日付ブログにも触れました。


2. センターは京都駅前にあるので、到着後さっそく顔を出しました。
氏はほぼ連日、午前11時から午後6時まで詰めており、被災地の支援やボランティアを志願する人たちをオーガナイズしたりしています。
センターのオープンは3月28日、最低1年は続く長期戦になるだろうと思われます。


3. 関西地域連合という府県のネットワークがあって京都・滋賀は福島県を担当することになった由。
現在、京都では600人弱の避難家族を受け入れて、公営住宅で暮らしている。
部屋があるだけで備品はないので、テレビなどすべて、市民からの提供に頼っている。


4. 京都新聞(4月12日)に
「ボランティアは初めてという人が多く、『何か役に立ちたい』という強い思いを感じる」という藤野さんの発言が紹介されています。
センターのスタッフもボランティアだそうです。

復興と支援は長期化する、他方でボランティアはどうしても仕事や勉学の合間になるので瞬発力はあるが、持続性が課題かつ大事という話が出ました。
「被災地への関心を途切れさせないでほしい」と藤野さんも紙上で発言しています。
その点で、
これからビジネスとの協働もいっそう考える必要があるのではないか。
また、少数ではあるが、
ある種の好奇心や「自分探し」の一環として希望しているような人もいて、こういう人への対応が難しいという話も出ました。

62歳の藤野さん、働きがいを感じて活動していることだと思います。


5. ご承知の通り、東京は(被災地はもちろんのこと)結構、余震が続いていますが、「怖い」と京都に逃げてきている人もいるようです。

以前のアパートのオーナー夫人に偶然お会いしたら、2人そういう人に短期間賃貸しているという話でした。

また「ソーシャルビジネス」の講演を聞いてくれた人に不動産会社の経営者も居ましたが「この際、マンションを買っておくわ」という東京からの投資家も居るそうで「お金持って居るもんですね」と驚いていました。


6. 話は変わりますが、中京区の町家で開かれている知人で「遊筆書家」と名乗る女性の「書」の個展があり、これも見てきました。

彼女のサイトはここですが、http://linsui.jp/
篆書(てんしょ)を彼女流に工夫してモダンなデザインに書いてあり、なかなか面白いです。お許しを得て、写真を1枚撮らせてもらいましたが、今回が9回目、パリのル―ブルでも個展をやったことがある。
今回は「紡ぐ」というテーマで、大震災後に「きずな」をイメージして書いたものも幾つか展示されていました。

町家では、外国人を対象にした書の教室も開いているそうで、たしかに欧米人など興味を持つ人は居るだろうなと感じました。
ちなみに私は恥ずかしながら無知で、書にはこの「てんしょ」を含めて「楷書」「草書」「行書」「隷書」の5種類があることなどあらためて、彼女に教えてもらい勉強にもなりました。


7. また、切符を頂いたので国立博物館で開催中の、「法然、生涯と美術」も観てきました。法然上人800回紀を記念した特別展覧会です。

法然の伝記の集大成ともいえる、国宝「法然上人絵伝48巻」を中心に、寺院に伝わる国宝・重要文化財をはじめとした名宝の数々など、ゆかりの品をほぼ一堂に紹介する史上初の大回顧展です」
と案内にありますが、さすがに見ごたえがありました。