NYの街を歩く、ユニクロとハイライン

1.7年振りのニューヨークを歩いた報告です。

到着したのが夜だったせいか、早速ひとりで夜の街を歩きましたが(宿舎はとにかく便利な場所で五番街もブロードウェイも歩いていけます)何となく街が暗いというのが第一印象でした。


[その話しを当地に住む友人に話したら「ドナルド・キーンさんが、またネオン輝く明るい日本に戻ってしまった。震災を忘れたわけではないだろうに、と嘆いている」と新聞で読んだ、と教えてくれました。私は読んでいませんでした。


もちろん、タイムズ・スクエアのような繁華街はネオンも華やかでけばけばしいですが、こういうのは例外でそれ以外は、銀座通りのような中心地でも比較的、暗い。東京以上に高層ビルが多い割には夜空がくっきり見えるような気がします。

2.「当地に住む友人・北島さん」には今回たいへんお世話になりましたが、東京銀行のニューヨーク支店で昔一緒でした。
今は知りませんが、日本の企業が女性社員を海外に派遣するというのは当時、東銀ぐらいではなかったでしょうか。
彼女もその1人で、その後、銀行を退職してコロンビア大学の大学院で修士を取り、以後ずっと、30年住み続け、この街を愛し、「ニューヨーカー」になりきっています。


到着翌日は朝から付き合ってくれて、彼女の発案で、まずは、公立学校の教育を支援するNPOを1つ訪問し、午後には、SAI(ソーシャル・アカウンタビリティ・インターナショナル)という別のNPO(私にとって2度目の訪問)でしたが、これらの話しは次回以降にいたします。


3.その間に、幸いに好天だったので、ニューヨークの街を歩き、新しい観光スポットになっている「ハイライン」という空中公園を歩きました。


(1)ここは、2009年に開園、その後も徐々に拡張されました。
マンハッタンの、ハドソン河に近い、西南、ローワー・ウェストサイドと言われるあたり。
かっては、荒廃し、犯罪も多く、麻薬や売春の横行する場所として、私が居た頃にはかなり危ない場所の1つで、駐在の日本人は近寄ったことがなかったのではないでしょうか。

それが、かつての高架貨物鉄道の線路跡地を再生して、100種類以上の草花や低木を植え、地上9メートル、ビルの3階ほどの高さからの眺めを楽しめる散策路をつくったことで、見事に再生しました。

住民の憩いの場所ができ、犯罪もすっかり減り、地価も上がり、洒落たお店や高層アパート(コンドミニアム)が幾つも出来、人気の高い観光スポットとして知られるようになりました。
都市再開発の成功例、しかも住民が行政を動かして実現し、有名人を巻き込み、寄付を集め、その後の運営管理も市民参加で行われている素晴らしい事例として日本でもよく知られています。
グーグルの日本版でもいろいろと検索することができますが、例えば、地元の日本語紙が以下のように詳細を報告しています。
http://newyork.keizai.biz/column/2/


(2)この日も平日にも拘らず、思い思いに歩く人、デッキチェアでくつろぐ人、私のようなお上りさん等々、人手も多く、ともかく、昔と全く様変わりになった、安全で活気のある都市の一角を眺めて、感慨がありました。

「やれば、やれるもんだ.
変えようと思えば変えることができるんだ」という思いを実感できる場所に立っているのは気持ちのよいものです。


4. 昼食のあと、五番街を歩いて、いま話題の「ユニクロ」のお店を覗きました。


昨年の10月下旬にオープンしたばかり、海外にはすでにニューヨーク(ソーホー)、パリ、上海、ロンドンなどがありますが、ここは海外でも最大、「ユニクロ史上最大のグローバル旗艦店」とのこと。



しかも、五番街と52丁目の角という、まさにニューヨークの最高の目抜き通りに位置しています。あたりにはグッチ等々、高級ブランド店が軒を並べます。

52丁目の北東ですが、すぐ南には、かって、暗殺されたケネディもと大統領の葬儀が行われた、聖パトリック大聖堂もあります。


中に入って、店内も見て廻りましたが、お客もたくさん入っていました。
ユニクロ」のブランド名が日本語と英語でビルの正面に目につき、店内はたくさん衣料品の中にヒット商品の「ヒートテック」も同じ商品名で売り出されています。

かって五番街といえば日本企業では日本航空がオフィスを構え、日本の旗が翻っていました。

そのオフィスもいまはなく、いま日本企業はソニーパナソニックも、トヨタでさえ、かっての輝きを失う中で、ユニクロが勢いに乗っている・・・・・


というのも感慨ひとしおでした。

何れにせよ、高齢化社会・高福祉社会といわれるこの国で、やはり企業に頑張ってもらわないと、それもグローバルに頑張ってもらわないと、高福祉も高齢化もただ消費税を上げるだけでは活力・成長を保障するものではないだろうと考えるものです。

この「ユニクロ」ブランドを展開するファーストリテイリングは、今年の新入社員の採用で、全体の8割にあたる約1200人を外国人にする計画だという記事を最近の新聞で知りました。


外国人の社員と切磋琢磨して、世界で働く意気込みをもつ、日本の若者が増えてほしいいとも思う者です。